サン・ジュアン・ダ・ラス・アバデサス(Sant Joan de les Abadesses)<Monestir>

2025年7月23日(水)、最初に訪れたのはSant Joan de les Abadesses、Monestir de Sant Joan de les Abadesesです。

ここは、カタルーニャ地方には珍しく周歩廊があります。教会や博物館に彫刻などの作品があります。

2025年、修道院と博物館は以下の日程で開いていました。有料(€5)でした。
6月:月曜~土曜10:00~13:00と16:00~18:00(ただし木曜休館)、日曜10:00~13:00
7月・8月:月曜~土曜 10:00~13:00と16:00~18:00、日曜10:00~13:00
9月~5月:日曜~金曜 10:00~13:00(ただし木曜休館)、土曜10:00~13:00と16:00~18:00

Sant Joan de les Abadesses では、2か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Monestir de Sant Joan de les Abadeses
<2> Església de Sant Joan i Sant Pau. Ruïna consolida

目次

1. Sant Joan de les Abadesses .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(教会) .
5. 内観(教会) .
6. 博物館 .

1. Sant Joan de les Abadesses

サン・ジュアン・ダ・ラス・アバデサス(Sant Joan de les Abadesses)は、カタルーニャ州ジローナ県にあり、県都ジローナの約50km北西に位置します。

修道院は、テル(Ter)川の南岸、町の南部にあります。

写真左、低い建物にある蔦の絡まっているアーチが、修道院と博物館へのエントランスです。

南西側外観

2. 概要

受付で入館料を支払うと小冊子が貸し出されました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

修道院

885年、ジローナ伯ギフレとギネデラが、サン・ジュアン・ダ・ラス・アバデサス(Sant Joan de les Abadesses)修道院を創設した。その場所には既に、聖ヨハネに捧げられた教会が存在した。聖ヨハネ修道院はカタルーニャ諸侯領における最初の女性共同体となった。伯爵夫妻の娘エマが修道院を託され、修道院長としてベネディクト会修道女の共同体を統治した。その後4人の修道院長が継承したが、1017年にベネディクトゥス8世によってこの共同体は消滅した。代わりに、アウグスティヌス会聖職者会が設立され、バザルー伯爵家の干渉を受けながらも修道院の地位を堅持した。

現在の修道院教会は1150年に奉献された。単身廊で、広い翼廊と周歩廊付き後陣を備える。カタルーニャでは珍しい構造で、フランスの様式に倣ったものと見られる。また、修道院には身廊の南北に二つのロマネスク様式の回廊があった。

14世紀から15世紀にかけて、修道院は最盛期を迎えた。祭壇画は修復され、修道院共同体は祭服や典礼用装飾品、祭壇布、金細工、典礼用写本などが豊富にあった。特に1426年、降架像の彩色修復後、キリスト像の頭部を収めた聖具箱内で、清らかな聖体が発見された。これは1251年の像の奉献時に納められたものだった。これが聖なる秘跡の信仰の始まりであり、教会の主後陣に置かれた聖像群の名称となった。この聖体は七世紀にわたり保存されていたのである。

中世末期、カタルーニャは激しい地震に見舞われた。

1428年2月2日、地震により後陣の一部が崩壊し、ロマネスク様式の回廊のひとつが失われた。もうひとつの回廊は、現在のゴシック様式に置き換えられた。

カタルーニャの全アウグスティヌス会修道院に影響を与えた教皇勅書に従い、1592年に修道院は参事会教会に改組され、司教座によって任命された大司祭によって統治されるようになった。近代に入ると教会はいくつかの変貌を遂げた。悲しみの礼拝室が建設され、聖なる秘儀を祀る礼拝室が設けられ、後陣は絵画や彫刻によって著しく変貌した。

19世紀半ば、参事会教会は廃止され、修道院は教区機能を担うようになった。しかし、ルネサンス期に目覚めたカタルーニャ中世遺産への新たな感性が後押しし、その重要性への認識は持続した。こうした動きは19世紀末の回廊修復工事で具体化し、20世紀に入ると1912年に建築家プッチ・イ・カダファルク(Puig i Cadafalch)主導で修道院修復が始まった。この工事で増築部分が撤去され、後陣のロマネスク様式要素が再発見されたのである。1948年、修復作業が再開された。修道院の完全な復元を目標として、バロック様式は撤去され、主後陣はロマネスク様式の構造と装飾で再建された。

この最後の修復を経て、修道院は現在も教会として、信徒や訪問者にとっての精神性の中心地であり続けている。

この後も、小冊子を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

受付で借りた小冊子による平面図です。東が上です。

小冊子より

4. 外観(教会)

東に行きます。

東側外観

後陣は20世紀に再建されました。柱頭は、複製の可能性があります。

象、かわいい。

主後陣の柱頭

5. 内観(教会)

教会に行きます。受付からゴシック様式の回廊を通って、北翼廊に入ります。

教会の主後陣は、カタルーニャの教会には珍しい、周歩廊のある構造です。

身廊にて東を向く

主後陣は三層構造で、下層に盲アーケード、中層に窓と盲アーケードがあります。

主後陣

柱頭を二つご紹介します。

柱頭1は、向かい合うハルピュイアだと思います。

柱頭1

柱頭2は、四足獣と聖杯から飲む鳥だと思います。

柱頭2

6. 博物館

博物館に行きます。受付の正面にある扉から入ります。

1975年に開館したこの博物館の収蔵品 ー彫刻、絵画、織物、金細工ー は、ほぼ全てが修道院や町の他の教会から集められたもので、その歴史を解き明かす手助けをしている。

収蔵品から二つの作品をご紹介します。

浮彫(断片):キリストの洗礼(?)のティンパヌム。砂岩。12世紀。

こちらの浮彫(断片)は、この修道院の教会の扉口のひとつにあったものだと思います。

ティンパヌムの断片

博物館には、この町の旧教区教会 Església de Sant Joan i Sant Pau(通称 sant Joanipol)のティンパヌムのオリジナルも展示されています。

ティンパヌム:中央にキリスト、左右に使徒聖ペトロと聖パウロを配し、二人の天使が場面を囲む。サン・ジュアン・ダ・ラス・アバデサス(Sant Joan de les Abadesses)のサン・ポル(Saint Pol)教会の扉口より。12世紀。

ティンパヌム

Monestir de Sant Joan de les Abadeses。カタルーニャ地方には珍しく周歩廊があります。教会や博物館に彫刻などの作品があります。

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