2025年7月21日(月)の最後、五番目に訪れたのはPorqueres、サンタ・マリア・ダ・ポルケラス教会(Església de Santa Maria de Porqueres)です。
ここは、勝利アーチと西扉口の彫刻が素晴らしいです。
2025年、教会は通常、昼休みなく開いていました。
目次
1. Porqueres .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .
6. 内観(北壁) .
7. 内観(イコノスタシス) .
8. 内観(後陣) .
1. Porqueres
ポルケラス(Porqueres)は、カタルーニャ州ジローナ県にあり、県都ジローナの約15km北西に位置します。
教会は、バニョレス湖(Estany de Banyoles)の西側を見下ろす丘の上にあります。

2. 概要
Románico Digital による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
ポルケラス(Porqueres)
ポルケラス(Porqueres)地域には、先史時代から人間の居住があったことが知られている。
また、巨石遺跡、イベリア時代の集落跡、ローマ時代の遺跡も残っている。
ポルケラス(Porqueres)の語源に関しては、10世紀の文献に「Porcarias」という地名が登場する。これは、豚(porcs)を飼育する場所、あるいは耕作地(pórca)を指すと思われる。
サンタ・マリア・ダ・ポルケラス教会(Església de Santa Maria de Porqueres)
最初の文書記録は、おそらく、889年にジローナの司教がサン・エステベ・ダ・バニョレス修道院(monasterio de Sant Esteve de Banyoles)に宛てた手紙であろう。そこでは、バニョレス湖の端に位置する聖母マリアに捧げられた教会が言及されている。この教会は、修道院の初代修道院長ボニトゥス(Bonitus)の主導で建設されたものである。
906年にサン・ジュアン・ダ・ラス・アバデサス修道院(monasterio de Sant Joan de les Abadesses)の所有地を確認した文書には、Sanctae Mariae (…) in Porcarias と明記されている。
保存されている文書記録は少ないものの、おそらく9世紀から存在していた最初の教会が、12世紀に改築されたことを示唆する証拠がいくつかある。しかし、最初の教会が現在の場所にあったのか、それとも5世紀頃にマス・カステル(Mas Castell)地区に建てられた古い聖堂を改築したものなのかについては、若干の疑問が残る。
いずれにせよ、現代に追加・改修された部分を除けば、現在の教会は12世紀に新たに建設されたものであり、したがって1182年に奉献された教会であることに疑いの余地はない。
この後も、Románico Digital を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
Románico Digital による平面図です。東が右です。

後陣には、長方形の祭室が二つと半円形の祭室が三つ、合計五つの祭室があります。
4. 外観
西に行きます。
西扉口をみます。

アーチには、22のメダイヨンがあります。

メダイヨンには、ユリの花、花飾り、ヤシの葉などの様式化された植物や、花で飾られた十字架が彫られています。
また、鹿、ライオン、鷲、グリフォンなどの生き物の図柄や、人物の頭部の図柄もあります。
さらに、中央(頂部)では、ニンブスをつけた人物が祝福しています。

アーキヴォルトを支える柱頭には、花や松ぼっくりなどの植物が彫られています。

アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)にも、植物やライオンが豪華に彫られています。

5. 内観
教会の中に入ります。

後陣に近づきます。
後陣には五つの祭室があります。祭室のアーチを支える柱頭には、松ぼっくりや編み模様などが彫られています。
勝利アーチには、様式化された植物が彫られています。

私の目当ては、勝利アーチの柱頭です。
勝利アーチ北側の柱頭
勝利アーチ北側の柱頭をみます。

勝利アーチの北側も南側も、柱頭には、口髭と顎髭をたくわえた人物たちが、自分の口から吐いた植物を両手で持つ様子が彫られています。
これらの人物は、神々によって上界、すなわちオリンポスを支えることを命じられた神話上の存在、アトラスであると特定されている。

勝利アーチ北側のアバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)の西面には、聖母子と使徒たちが彫られています。

北側のアバクスは、南西の角に鷲が置かれ、南面には祝福するキリストと使徒たちが彫られています。

勝利アーチ南側の柱頭
勝利アーチ南側の柱頭をみます。

勝利アーチ南側のアバクスの北面には、智天使(Cherubim)、天使たち、マンドルラの中で祝福するキリストが彫られています。

勝利アーチ南側のアバクスの西面には、「アダムとエバ」(『創世記』3章)、マンドルラの中で祝福するキリスト、天使が彫られています。

下の写真の中で右端にいる髭の人物は、左手でいちじくの葉を持ち腰を覆っているようですから、たぶんアダムです。
その左隣が、エバ。妖艶です。
エバの左隣に園の木があり、蛇がからみついています。
蛇の左隣には、悪魔のような足を持つ人物が、園の木を触っています。
ある時点で、この最後の像はアダムの再現として認識され、楽園からの堕落と追放を表すようになった。しかし、足の爪は、非常に控えめではあるが、悪魔的な人物であることをほのめかしている。この「人間化された」悪魔のイメージには、中世演劇、具体的には『Le Jeu d’Adam Ordo representationis Adae』の舞台化の影響が見て取れるかもしれない。これは、12世紀の3四半期頃にアングロ・ノルマン文化圏で書かれた、作者不詳の典礼劇である。

Església de Santa Maria de Porqueres。勝利アーチと西扉口の彫刻が素晴らしいです。
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