2025年7月25日(金)、最初に訪れたのはLluçà、Monestir de Santa Maria de Lluçàです。
ここは、回廊が素晴らしいです。
2025年、修道院は以下の日程で開いていました。有料(€2)でした。
水曜~金曜:11:00~13:30
土曜・日曜:11:00~14:00と16:00~18:00
目次
1. Lluçà .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(後陣) .
5. 外観(西扉) .
6. 内観(教会) .
7. 内観(回廊) .
1. Lluçà
リュサ(Lluçà)は、カタルーニャ州バルセロナ県にあり、州都であり県都であるバルセロナの約70km北に位置します。
夫と私がここに着いたとき、ひとりの男性が教会の前を掃いていました。Joanです。彼は、私たちを歓迎してくれ、英語で案内してくれました。

2. 概要
Joanからリーフレットをもらいました。また、回廊にQRコードがありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は905年に奉献された。身廊と小さな翼廊、主後陣、両側に小後陣がひとつずつある構造であった。教会は人型墓に囲まれていた。
1170年から1190年頃、元の教会の跡地に新しい教会が建てられた。この新しい教会は、若干の改築を経て、今日我々が目にしている姿となっている。教会は古典的なラテン十字式である。アーモンド形のヴォールトで覆われた身廊は半円形後陣で終わる。内陣の両側には小さな後陣がある。元の鐘楼は1428年の地震で消失した。現在の鐘楼は堂々とした四角い塔である。
サンタ・マリアの奉献文書には、教会が「ルッサノ城のふもと(ad radices castri de Lussano)」に位置すると記されている。これはリュサ(Lluçà)城の存在を示す最古の記録であり、リュサネス(Lluçanès)地方で重要な歴史的教区の中心地であった。サンタ・マリア・ダ・リュサ(Santa Maria de Lluçà)は同地域の主要な教区教会であり、特に12世紀にこの場所にアウグスティヌス会修道院が設立されて以降、城の管轄下に置かれた従属教会群が形成された。まもなく聖母マリアの聖地としても知られるようになり、地域全域から信徒が参拝に訪れた。
教会内部にはロマネスク様式の傑作である祭壇正面と十字架の複製が展示されている。オリジナルはビク司教区美術館(Museo Episcopal de Vic)に展示されている。
祭壇は正面板と両側板からなり、13世紀後半に彩色された。正面には聖母マリアの像と生涯が描かれ、側面にも聖母マリアが表現されている。十字架にはキリスト像が描かれており、その様式はゴシック時代の特徴を予見している。
また、教会内部には印象的な洗礼盤と、移管されたロマネスク様式の聖母像の複製が展示されている。さらに、17世紀の銀製十字架を含む宗教的な金銀細工のコレクションが常設展示されている。教会の正面扉に見られる興味深い鉄細工も注目する価値がある。
この後も、リーフレットやQRコードのリンク先を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
Románico Digital による平面図です。東が右です。

4. 外観(後陣)
北を通って、東に行きます。

半円形の後陣は、12世紀後半の建築が残る部分です。

5. 外観(西扉)
西に戻ります。

西扉口はバロック様式の新しいものですが、扉の鉄細工はロマネスク様式だと思います。
蚊取り線香のような渦巻きが並び、端には蛇や鳥がいます。コベット(Covet)の扉口を思い出します。

扉全体を写真に収めるため、私は Joan に頼んで扉を閉めさせてもらいました。

6. 内観(教会)
教会の中に入ります。
天井には、後陣から身廊に向かって音が響きやすいよう、少しずつ大きくなる三つのアーチがあります。
案内してくれた Joan によると、このメガフォン効果を得るための構造は、カタルーニャではカルドナ(Cardona)とリュサ(Lluçà)だけにあるそうです。

内陣には、祭壇正面と十字架の複製があります。
それらのオリジナルは、ビク司教区美術館(Museo Episcopal de Vic)に展示されています。
ご紹介する写真は、私が2025年7月24日にビク司教区美術館(Museo Episcopal de Vic)を再訪したときに撮影したものです。
十字架
サンタ・マリア・ダ・リュサ(Santa Maria de Lluçà)のキリスト像
ビクの工房
12世紀後半
キリスト像(86×83.5×17 cm);十字架(149×109.5×2.8 cm)
この磔刑像は司教博物館のコレクションに最初に収蔵された美術品のひとつであり、1888年バルセロナ万国博覧会ではビク教区のロマネスク様式の祭壇装飾品と共に展示された。
キリスト像は青色のチュニックをまとい、目を開いた穏やかな表情で苦痛のない姿勢をとっており、12世紀後半からカタルーニャで発展した「栄光のキリスト」の図像様式の特徴を示している。この図像は死を克服したイエス・キリストの象徴を表す。
断片として保存されている十字架には、表側にラテン語で「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と刻まれ、裏側には神の小羊の図像と、聖ルカの象徴である雄牛が描かれている。

祭壇正面
サンタ・マリア・ダ・リュサ(Santa Maria de Lluçà)の祭壇画
ビクの工房
13世紀第2四半期
テンペラ画
正面板(104.5×178.5×6 cm);側面板(102×107.5×6.5 cm および 101.5×107×6.5 cm)
1200年頃にカタルーニャに流入したイタロ・ビザンチン様式は、13世紀半ばまで当地で発展を続け、リュサ(Lluçà)の祭壇画はこの様式の最終期を代表する最も重要な作品である。この運動の初期に保存された作品とは異なり、(Lluçà)の祭壇画は新たな図像的場面を特徴としている。それは聖母の戴冠であり、当時新たなフランス・ゴシック美術で広く用いられたモチーフである。
祭壇画は、(Lluçà)の聖マリア修道院の守護聖人に因み、幼子イエスを抱く聖母像が中心をなしている。福音書記者マタイ、ヨハネ、マルコ、ルカの名を冠した四人の天使が、永遠の象徴である太陽と月を配した星々の描かれた天界を支えている。祭壇画の前面四枚のパネルには、受胎告知、ご訪問、東方三博士の礼拝、エジプトへの逃避の場面が描かれている。側面には前述の「天の女王(Regina Caelorum)」の銘文と共に聖母マリアに冠を授けるイエスが、もう一方の側面には使徒ヨハネを伴い聖霊の七つの賜物に囲まれる聖母が描かれている。

聖母マリアは右手に林檎を持っています。
案内してくれた Joan によると、林檎を持つテオトコス(神の母)は、知性を象徴するのだそう。

「受胎告知」(『ルカによる福音書』1章)

「東方三博士の礼拝」(『マタイによる福音書』2章)
最後尾(左)のバルタザール(Balthasar)は、贈り物(没薬)を両手に持ち、前(右)へと歩みを進めています。
中央のカスパール(Caspar/Gaspar)は贈り物(乳香)を左手に持ち、右手で聖母子を示しています。
先頭(右)のメルキオール(Melchior)は贈り物(黄金)を右手に持っていますが、彼の左手とマントの一部は隠れています。
これは、見る者の目線を誘導しつつ、描かれていない部分を想像させる描き方だと思います。

「ご訪問」(『ルカによる福音書』1章)
聖母マリアの左目とエリサベトの右目がひとつになっています。
案内してくれた Joan によると、この三つの目が、ピカソに影響を与えたのだそう。

「エジプトへの逃避」(『マタイによる福音書』2章)

側面には「天の女王(Regina Caelorum)」の銘文と共に聖母マリアに冠を授けるイエスが描かれています。

もう一方の側面には、使徒ヨハネを伴い、聖霊の七つの賜物に囲まれる聖母が描かれています。

7. 内観(回廊)
回廊に行きます。
回廊は建物群の中央に位置する。不規則な形の小さな空間である。1967年に始まった修復工事により、現在の姿となった。建設時期は定かではないが、ラモン・ダ・ベルガ(Ramón de Berga)が修道院長を務めていた時期に建てられたリポイ(Ripoll)の回廊との類似性から、1172年から1206年の間と推定される。
回廊は四方のギャラリーからなり、18のアーチと22本の柱で構成される。柱頭を持つ柱は22本あるが、そのうち二つは立方体の石に置き換えられている。柱頭には植物や動物のモチーフが彫刻され、絡み合う文様や装飾が施されたアバクスを持つ。
回廊の壁面には13世紀と14世紀の石棺2基や彫刻が鑑賞できる。回廊の下では最近、墓が発見された。一部は発掘され、保護用のガラス越しに見ることができる。さらに多くの墓が回廊の内外に存在する。

柱頭を五つご紹介します。

植物モチーフ。

逆立ちの四足獣たち。

鳥たちと四足獣たち。

植物が絡み合うような装飾。

アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)にも、豪華な彫刻があります。
Monestir de Santa Maria de Lluçà。回廊が素晴らしいです。
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