ビュキシエール=レ=ミーヌ(Buxières-les-Mines)

2022年7月31日(日)の最後、三番目に訪れたのは Buxières-les-Mines 。Église Saint Maurice です。

Buxières-les-Mines へ

私はサン=デジレ(Saint-Désiré)から、ひまわり畑を横目にみながら、東に45分ほど車を運転して、

一面のひまわり畑

家並みが愛らしい村につきました。15時頃のことです。

Église Saint Maurice(西側外観)

幸い、西扉口が開いていて、中を見学できるようです。まずは外観から見学します。

Église Saint Maurice の外観

西扉口は、主に植物模様で装飾されています。

Église Saint Maurice(西側外観、西扉口)

いくぶん摩滅していますが、繊細な浮き彫りです。

Église Saint Maurice(西側外観、西扉口)

南側は、通りに面しています。

Église Saint Maurice(南側外観)

南扉口は、不思議な図が展開します。

Église Saint Maurice(南側外観、南扉口)

興味深いのですが、すごく摩滅しているのが残念。

Église Saint Maurice(南側外観、南扉口)

近づいても、何を描いてあるものか、よくわかりません。

Église Saint Maurice(南側外観、南扉口)

二つの小後陣は方形です。

Église Saint Maurice(東側外観)

北側は、道が狭いので広角レンズを駆使して撮影。

Église Saint Maurice(北側外観)

教会を取り囲むようにびっしりと建物が並んでいます。

Église Saint Maurice の概要

教会の中に案内の小冊子がありました。一部を抜粋して和訳します。

教会は、9月22日を祭日とする聖マウリティウスに捧げられています。ロマネスク様式で、2期に分けて建設されました。12世紀後半に身廊と側廊の西側三つの柱間の第1期工事が行われ、13世紀前半に東側である交差部とクワイヤの第2期工事が行われました。鐘楼は14世紀に建てられたものです。1880年に修復工事が行われ、1886年7月12日に歴史的建造物に指定されました。

外部
西扉口はブルゴーニュのロマネスク様式の影響をよく表しており、半円形の樽型アーチが特徴的です。バラ窓は1975年に設置され、現代的な発想で作られています。南扉口はとても古いもので、不思議な装飾が施されています。東側の北側に小さな扉口がありました。向かい側に司祭館があり、司祭が教会に行きやすくなっていました

内部についての詳細は、写真とあわせて太字で後述します。

フロアプラン

現地に置いてあった案内小冊子に、フロアプランがありました。東が上です。

現地に置いてあった案内小冊子のフロアプラン

ラテン十字の三身廊。

Église Saint Maurice の内観:全体

教会の中の、全体の様子。

Église Saint Maurice(内観、身廊にて東を向く)

北側廊

Église Saint Maurice(内観、北側廊にて東を向く)

南側廊

Église Saint Maurice(内観、南側廊にて東を向く)

Église Saint Maurice の内観:南翼廊

南翼廊に、二つの石碑があります。

ガロ・ローマ時代の葬祭用石碑

Église Saint Maurice(内観、南翼廊のガロ・ローマ時代の葬祭用石碑

シャン・ルージュ(Champ Rouge)とモンテノン(Montainon)の間にあるサン・マリアン(Saint Marien)の礼拝堂にあったもの2人の子供が、片手にカルトゥーシュ、もう片方の手に王冠を持ち、そこに星が見えると思われる図です。高さ100cm、幅75cm、厚さ20cmの大きさです。

Église Saint Maurice(内観、南翼廊のガロ・ローマ時代の葬祭用石碑、別角度)

私は、案内小冊子を読むまで、この2人が子供とは思いませんでした。

おそらくメロヴィング王朝時代のものと思われる石碑

Église Saint Maurice(内観、南翼廊のおそらくメロヴィング王朝時代のものと思われる石碑

サン・マリアン礼拝堂の祭壇の台座だったもので、1972年に当教会に運ばれてきたものです。この石には、鹿が浮き彫りにされています。鹿はキリスト教の図像学では洗礼のシンボルです。この石は80cm四方、高さ85cmです。

この鹿は、かなり写実的ですよね。

Église Saint Maurice(内観、交差部にて南を向く)

二つの石碑は、椅子たちや梯子などにまぎれて、かなり目立たない配置になっています。私は、写真を撮るとき、石碑の間近に置かれた椅子たちのせいで石碑の全体が撮影できませんでした。ひとつずつ、いくつもの椅子(かなり重い)を動かして、撮影が終わるとまた元の位置に戻したんです。

とはいえ、こうした遺物が破壊されることなく保管されているだけで、ありがたい。

Église Saint Maurice の内観:柱頭彫刻

謎めいた柱頭彫刻が南側廊にあります。聖具室の扉の西隣です。

Église Saint Maurice(内観、南側廊にて南を向く)

右端の人物は右手で隣の人の左腕をつかんでいて、左腕をつかまれている人は中央の人の左腕をつかんでいます。

Église Saint Maurice(内観、南側廊)

左端には、割れたひづめのような足。こいつ悪魔かも。

Église Saint Maurice(内観、南側廊)

40年間この教区の司祭を務めたジョルジュ・ティシエ(Georges Tixier)修道院長は、この柱頭彫刻について「エフェソの信徒への手紙」(4章と6章)の中の、主の昇天に関する文章を呼び起こしたかったのだと考えています。「高い所に昇るとき、捕らわれ人を連れて行き、/人々に賜物を分け与えられた」ローブを着た人物がキリストで、小さな塚(オリーブ山)を支配しています。キリストの隣にはサタンがいて、ボサボサの髪とかぎ爪のような足を持つ悪魔です。中央には、悪魔の捕縛から解放された勝利の教会が描かれています。人物たちはキリスト教徒で、彼らは教会と共に天の故郷に行くのです。

「エフェソの信徒への手紙」4章には、こうあります:

13: ついには、わたしたちは皆、神の子に対する信仰と知識において一つのものとなり、成熟した人間になり、キリストの満ちあふれる豊かさになるまで成長するのです。

すごく明るくて、良いですねえ!

Église Saint Maurice 。南翼廊に古い石碑、南扉口と南側廊に不思議な柱頭彫刻が残るロマネスク教会です。

Airbnb

この日の見学を全て終えた私は、車で東に約10分移動して、サン=ティレール(Saint-Hilaire)という村にある Airbnb にチェックインしました。

台所兼食堂兼居間、シャワー室、トイレ、寝室という間取りの広めのマンションで、無料の駐車場つき。4泊で総額32,960円でした。

サン=ティレール(Saint-Hilaire)という村にある Airbnb からの眺め

窓を開けると気持ちのいい風が入ってきました。台所は自炊に必要なものが全て揃っていて、風呂場に洗濯機もあり、とても居心地が良かったです。

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