2025年8月13日(水)、二番目に訪れたのはSaint-Aventin、Église Saint-Aventin-de-Larboust de Saint-Aventinです。
ここは、彫刻が素晴らしいです。絵画も残っています。
2025年、教会の鍵は役場(mairie)で借りられました。
目次
1. Saint-Aventin .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .
1. Saint-Aventin
サンタヴァンタン(Saint-Aventin)は、オクシタニー地域圏オート=ガロンヌ県にあり、県都であるトゥールーズの約110km南西に位置します。
教会は、村の北端、急斜面にあります。

2. 概要
教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
この村はかつてサント=マリーと呼ばれていた。
教会は11世紀から12世紀にかけて建てられたもので、それゆえ、それ以前の教会よりもはるかに精巧に造られている。これは当地域の谷間で最も注目すべき建造物である。
古くから伝わる伝承によれば、聖アヴァンタンは西暦778年頃、サント=マリー村で生まれた。生家は教会のすぐ近くにあったとされる。アストス(Astos)渓谷で隠遁生活を送った後、司祭に叙階され、彼は渓谷一帯で福音を広め、さらにはスペインにまで赴いて福音を伝えた。サラセン人がピレネー山脈に侵攻すると、彼らは聖アヴァンタンの宣教活動を快く思わず、首を斬り落として彼を殺害した。その殉教の地には記念碑が立てられている。彼の墓には小さな礼拝堂が建てられた。現在の教会は、彼の遺骨を納めるために建てられたものである。
この後は、(Zodiaque) la nuit des temps『Pyrénées romanes』を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
『Pyrénées romanes』による平面図です。東が上です。

4. 外観
坂を上り、教会をふりかえります。
鐘楼は二つあり、石積みの特徴から、東が11世紀頃、西が12世紀頃のものだと思います。

坂を下ります。
後陣は盲アーチと付け柱が美しいです。石積みの特徴から、11世紀頃のものだと思います。

南側には、数多くの彫刻があります。
扉口の右側にある付け柱には、奇妙な浮き彫りが埋め込まれている。そこには、激しく土を掘り返す雄牛が、聖アヴァンタンが埋葬された場所を指し示す天使の方へ頭を向けている様子が描かれている。聖骸布に包まれた遺体は棺に横たわっており、その棺には次の文字が刻まれている。
SIC INNOTESCIT SANCTUS QUA PARTE QUIESCIT
(こうして、聖人が眠る場所が明らかになった。)

南扉口をみます。
南扉口の右(東)の柱には、南と東の二つの面に彫刻のある浮き彫りが埋め込まれています。
東面には、預言者イザヤ。
イザヤは旧約聖書の中で救世主の誕生を預言しました。
『イザヤ書』7章
14: それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。
イザヤ像は、聖母子や受胎告知の像の隣に置かれることが多いです。

南面には、聖母子。
イエスは右手で祝福し、左手には「IHs XPS」(イエス・キリスト)と記された書物を持っています。
聖母は、新しいエバとして、悪魔を踏みつけています。
また、聖母子の上部にかかるアーチの下にも怪物の頭部があります。
アーチには「RES MIRANDA NIMIS MATER DEI ERAT VI NIMIS」と刻まれている。これについては、次のように翻訳する案が提示されている。「最も驚くべきことに、神の母は全能であった。」

ティンパヌムの中央には、栄光のキリストが彫られています。キリストは、右手で祝福し、左手で「EGO SUM LUX MUNDI(わたしは世の光である)」と記された書物を持っています。
面白いのは、キリストを取り囲む4人の天使です。
彼らは片手でキリストのマンドルラを持ち、もう一方の手で四福音書記者を象徴する生き物の頭部を持っています。

柱頭をみます。
左右(東西)両方とも、外側の柱頭は、網目模様です。
左(西)の内側の柱頭は、マグダラのマリアが涙でイエスの足をぬらし、髪の毛でぬぐっている場面(『ルカによる福音書』7章)。
(聖書には「一人の罪深い女」とあるだけで「マグダラのマリア」とは書かれていません。でも、多くの作品でこの場面の女性はマグダラのマリアとされます。)
その隣には、「幼児虐殺」(『マタイによる福音書』2章)の場面が彫られていると思います。

右(東)の内側の柱頭には、聖アヴァンタンの殉教の場面が彫られていると思います。聖アヴァンタンは、切り落とされた自分の頭を自分で持っています。

ティンパヌムを支える柱には、音楽家の像が埋め込まれています。

また、南壁には多くの石材が再利用されているようです。これらは、ガロ・ローマ時代の遺物だと思います。
5. 内観
教会の中に入ります。

聖域に置かれた鉄細工が美しいです。

12世紀頃のものだと思います。

この教会には、ロマネスク時代から壁画装飾が施されており、その最初の要素は1877年、後陣でそれを覆っていた白塗りの下から発見された。
これらの絵画の多くは12世紀末から13世紀初頭にかけて段階的に描かれたものとみられ、その様々な要素の間には、かなり顕著な様式の違いが認められる。
最後の作品は、16世紀のものとされる。

最後に、水盤をみます。
西面には、同じ杯から水を飲む2羽の鳥が彫られています。

北面には、上下逆さまの小さい人物、四足獣、胸に両手を置く人物が彫られています。
胸に両手を置く人物は、安らいだ表情です。

南面には、四つの花弁が十字架のように交差するロゼットが彫られています。

水盤を上からみます。
神の子羊が六葉のロゼットに包まれています。
かなり凝った彫刻があるので、この水盤は、洗礼盤かもしれません。
南扉口を手がけた親方とは別の親方による作品だと思います。
素朴で美しくて、私はこの水盤が好きです。

Église Saint-Aventin-de-Larboust de Saint-Aventin。彫刻が素晴らしいです。絵画も残っています。
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