ブルボン=ラルシャンボー(Bourbon-l’Archambault)

2022年8月3日(水)、最初に訪れたのは Bourbon-l’Archambault 。Église Saint-Georges です。

ここは、私が大好きになった教会です。たたずまいも装飾全体の調和も細かいところも魅力に溢れていて、思い出すだけで心がわきたちます。

Bourbon-l’Archambault へ

私は宿から北に10分ほど車を運転し、丘の上のブルボン城がみまもる町につきました。11時半頃のことです。

Église Saint-Georges(北西側外観)

Église Saint-Georges の概要

教会の外に案内掲示がありました。一部を抜粋して和訳します。

サン・ジョルジュ教会は、12世紀から歴代のサン・ムヌー(Saint Menoux)女子修道院長が所有していた質素な礼拝堂に過ぎなかったが、15世紀以降に二つの美しい礼拝堂が増築された。その最終形態は、鐘楼と同じく19世紀に作られたものである。
1791年6月12日、革命の混乱から守られるように聖遺物はここに預けられ、城の聖なる礼拝堂の壮麗さを示す貴重な証拠が残されている。

ああ、これを読んで納得しました。

サン・ムヌー(Saint-Menoux)修道院は、Bourbon-l’Archambault からわずか8kmほどの距離の女子修道院で、優美なロマネスク教会が残っています。ここの歴代の修道院長(dames abbesses)が所有していた礼拝堂であれば、心がやわらぐような魅力的なつくりになるのは、自然なことなのかも。

15世紀と19世紀にかなり改築されてしまいましたが、内部は、質素な礼拝堂だった頃のイメージをいくらか保っているように感じます。

Église Saint-Georges の外観:全体

Église Saint-Georges(南側外観)

外観では、西扉口が良いです。

Église Saint-Georges(西側外観、西扉口)

簡素で魅力的な装飾があります。

Église Saint-Georges(西側外観、西扉口)
Église Saint-Georges(西側外観、西扉口)

でも、なんと言っても教会の中が良いので、さっそく入ります。

フロアプラン

教会の中に非常用避難経路図がありました。北が上です。

教会の中にあった非常用避難経路図

かなり大きいですよね!

私がこの大きさの教会を好きになるのは、なかなか、ないことです。(私は、小さい宝石のような隠れ家を好きになることが多いので)

Église Saint-Georges の内観:全体

教会の中の、全体の様子です。

Église Saint-Georges(内観、身廊にて東を向く)

北側廊

南側廊

Église Saint-Georges(内観、南側廊にて東を向く)

聖域のあたりの装飾は、すごく凝っていて

Église Saint-Georges(内観、クワイヤにて東を向く)

周歩廊もあります。

Église Saint-Georges(内観、北側廊にて東を向く)

ファサード裏には大きなパイプオルガン

Église Saint-Georges(内観、クワイヤにて西を向く)

内部で目をみはるのは、柱頭彫刻です。

Église Saint-Georges の内観:柱頭彫刻

西扉口を入ってすぐの位置にある、こちらの柱頭彫刻だけは例外的になんだか怖いんですが。(そう感じるのは私だけ?)

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

それ以外は、日差しの中に、やわらかな彩色の柱が立っており

Église Saint-Georges(内観、南側廊にて西を向く)

天使があっちでも

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

こっちでも

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

祝福してくれます。

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

もちろん悪魔もいますが

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

すでに、とっちめられていて、むしろかわいい。

楽団がいます。南翼廊の壁画がすごく豪華なのですが、それに負けない存在感です。

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

弦楽器や

たて笛や

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

この人はいったい何をしているのか?

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

わかりませんが、なんだか楽しそう。

最後に、私がいちばん気に入った柱頭彫刻を、、、

Église Saint-Georges(内観、南側廊にて東を向く)

花模様の柱に、耳の大きなうさぎがワンピースを着て立っているように見えます。

Église Saint-Georges(内観、柱頭彫刻)

以前にセムレ(Sémelay)で、耳の長い犬かな、なんて思った柱頭彫刻が旧約聖書の創世記を表していると読んでびっくりしたことがありました。

光があり、月があり、エデンから流れ出た四つの川(ピション、ギホン、チグリス、ユーフラテス)があり、右側に知識の木、左側に生命の木があるんだとか。

この教会の大きな耳のうさぎが何を意味するのかは、わかりません。でも、こんなの、ほれてまうやろ。

Église Saint-Georges。柱頭彫刻が素晴らしい。(天使と楽団とうさ耳が迎えてくれます。)

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