バイユー(Bayeux)<1>

2025年5月1日(木)、最初に訪れたのはBayeux、Musée de la Tapisserie de Bayeuxです。

ここは、「バイユーのタペストリー」として知られている刺繍布が展示されています。

博物館は、2025年9月から改修工事のために閉館しています。リオープンは2027年10月の予定です。

2025年8月までの開館中、刺繍布は撮影禁止でした。

Bayeux では、2か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Musée de la Tapisserie de Bayeux
<2> Cathédrale Notre-Dame de Bayeux

目次

1. Bayeux .
2. 刺繍 .
3. 制作の秘密 .
4. ノルマンディー公によるイングランド征服の物語 .
5. 私が好きな場面 .
6. ハレー彗星 .

1. Bayeux

バイユー(Bayeux)は、ノルマンディー地域圏カルヴァドス県にある町で、県都カーンの約25km北西にあります。

ところで、車でノルマンディー地域圏を移動するときは、フリーフローの有料道路(2025年現在はΑ13とΑ14)にご注意ください。料金所がなく、オンラインで支払います。

さて、博物館は、大聖堂から東に350メートルほど行ったところにあります。

博物館

なお、2027年10月には、博物館は上の写真の建物に隣接する新館でリオープンする予定です。

博物館のウェブサイト(https://www.bayeuxmuseum.com/la-tapisserie-de-bayeux/)を引用するとき、私が和訳して太字で書きます。

2. 刺繍

この作品は、タペストリー(織物)ではなく、刺繍です。

長さ約68.30メートル、幅約70センチ(うち50センチは刺繍部分)のバイユーのタペストリーは、その名称にもかかわらず、物語を綴った刺繍である。画像と文字が刺繍されたこの作品は、9枚の麻のパネルを連結して構成されている。

使用されている技法を分析すると、それが刺繍であることは間違いない。羊毛の糸の規則的な配置は、おそらくは布の上に描かれた下絵などのガイドが使用されたことを示している。

一方、タペストリーは、糸を直角に織り上げて模様を作るため、絵柄と布地が同時に作られる。

3. 制作の秘密

ロマンチックで一般的な見方とは異なり、この刺繍を制作したのは、マティルデ王妃とその侍女たちではない。バイユーのタペストリーの作者は不明である。

マティルデ王妃はノルマンディー公ギヨームの妻です。ノルマンディー公ギヨームは、1066年にイングランド王に即位し、ウィリアム征服王と呼ばれるようになりました。

歴史家の大半は、バイユーの司教であり、ウィリアム征服王の異父兄弟であるオド(Odon)が、1077年7月14日に奉献された新しいバイユーのノートルダム大聖堂の身廊を飾るために、この刺繍を注文したと考えている。

バイユーのタペストリーの場面は、リネンの布地に羊毛の糸で刺繍されている。染料の分析により、羊毛の染色に使用された植物は、ホソバタイセイ、アカネ、モクセイソウであると判明した。ヨーロッパで一般的な植物であるホソバタイセイは、タペストリーに使用されているさまざまな青の色合いを生み出す染料、インディゴを生成することができた。この染料は繊維の芯まで染め上げることができなかったため、青色の模様の一部は色あせている。アカネは、その根から、タペストリーに使用されているさまざまな赤色(ピンク、オレンジや褐色)の染料を生成する。一方、モクセイソウは、その黄色染料のために、かつてヨーロッパで栽培されていた。

作品全体を通して、4種類の刺繍ステッチによって驚くべき立体感が表現されている。

11世紀の中世という時代を伝える貴重でユニークな証であるだけでなく、その大きさや制作技術からも、卓越したテキスタイルアート作品である。わずか10色の羊毛糸を亜麻の布地に用いて、この作品は細部に至るまで歴史的な教訓に富み、例えば、戦場へと疾走する騎兵隊の動きや、馬の脚に異なる色を用いて表現した奥行きや立体感などを表現することに成功している。

2025年8月までの開館中、刺繍布は撮影禁止でした。

博物館のウェブサイトに高解像度のパノラマ画像があり、とても参考になります。こちらは、そのスクリーンショットです。

« Représentation numérique officielle de la Tapisserie de Bayeux – XIe siècle. Crédits : Ville de Bayeux, DRAC Normandie, Université de Caen Normandie, CNRS, Ensicaen, Clichés : 2017 – La Fabrique de patrimoines en Normandie »

刺繍の上に「51」と書いてありますが、これは場面の番号です。博物館には場面1から58までが残っています。

4. ノルマンディー公によるイングランド征服の物語

11世紀のロマネスク美術の傑作であるバイユーのタペストリーは、おそらく1077年に、ウィリアム征服王の異父兄弟であるバイユーの司教オドが、バイユーに建設した新しい大聖堂を飾るために発注したものである。このタペストリーは、ノルマンディー公によるイングランド征服の出来事を描いている。

バイユーの司教オドとノルマンディー公ギヨーム(後のウィリアム征服王)です。

« Représentation numérique officielle de la Tapisserie de Bayeux – XIe siècle. Crédits : Ville de Bayeux, DRAC Normandie, Université de Caen Normandie, CNRS, Ensicaen, Clichés : 2017 – La Fabrique de patrimoines en Normandie »

バイユーのタペストリーの場面は、1064年に始まる。

場面1は、王宮の場面です。エドワード懺悔王が、義弟ハロルド・ゴドウィンソンと会見しています。

« Représentation numérique officielle de la Tapisserie de Bayeux – XIe siècle. Crédits : Ville de Bayeux, DRAC Normandie, Université de Caen Normandie, CNRS, Ensicaen, Clichés : 2017 – La Fabrique de patrimoines en Normandie »

イングランド王エドワード懺悔王は、義理の弟であるハロルド・ゴドウィンソンに、ノルマンディーへ赴くことを命じた。はとこであるノルマンディー公ギヨーム(ウィリアム征服王)に、イングランド王位の継承を促すためである。

エドワード懺悔王の妻エディス・オブ・ウェセックスの兄が、ハロルド・ゴドウィンソンです。

エドワード懺悔王の母エマ・オブ・ノーマンディーの兄ノルマンディー公リシャール2世が、ウィリアム征服王の祖父です。(エドワード懺悔王にとってウィリアム征服王は、いとこ(ノルマンディー公ロベール華麗公)の息子です。)

刺繍の終わり部分は失われており、場面は1066年10月のヘイスティングズの戦いの末、アングロサクソン人が逃亡することで終わる。

失われた終わり部分には、1066年12月25日にノルマンディー公ギヨームがウェストミンスター寺院でイングランド王として戴冠した、戴冠式の場面が描かれていたのかもしれません。

5. 私が好きな場面

私が好きな場面は、場面37:たくさんの鎖帷子やワインが船に運び込まれるところや、場面42:大勢の食事が用意されるところなど、たくさんあります。

ひとつだけご紹介するなら、こちら。

場面38:ノルマンディー公ギヨームの船団が海を渡るところです。

馬たちが大人しく首を垂れていたり、船首に立つ人が左腕をぐにゃりと曲げて前方を見ていたり、船尾にいる人が人差し指を立てて何やら同僚に告げていたり。

とても生き生きと描かれています。

« Représentation numérique officielle de la Tapisserie de Bayeux – XIe siècle. Crédits : Ville de Bayeux, DRAC Normandie, Université de Caen Normandie, CNRS, Ensicaen, Clichés : 2017 – La Fabrique de patrimoines en Normandie »

6. ハレー彗星

最後に、意外な天体が描かれていることをご紹介します。

1066年の春にハレー彗星がイギリスの空を通過した様子がわかる。

場面32:高い塔の上を流れる大きな箒星を人々が指差しています。

« Représentation numérique officielle de la Tapisserie de Bayeux – XIe siècle. Crédits : Ville de Bayeux, DRAC Normandie, Université de Caen Normandie, CNRS, Ensicaen, Clichés : 2017 – La Fabrique de patrimoines en Normandie »

Musée de la Tapisserie de Bayeux。「バイユーのタペストリー」として知られている刺繍布が展示されています。

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