2023年9月21日(木)、最初に訪れたのは Saint-Gilles、サン=ジル・ドゥ・ガール修道院教会(Église abbatiale de Saint-Gilles du Gard)です。
ここは、ファサードが素晴らしいです。
2023年は以下のように開いていました。
<4月〜10月>月曜〜土曜9:30~12:30と14:00~18:00、日曜14:00~18:00
<11月〜3月>月曜〜土曜9:30~12:30と14:00~17:30、日曜14:00~17:30
ただし、5月1日、12月24日、12月31日と祝日は閉まります。
地下聖堂も上記の日程で開きますが、入場は30分前まで(例えば午前の部は12:00を過ぎたら入場不可)です。地下聖堂は有料(€3.5)です。
目次
1. Saint-Gilles へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観 .
1. Saint-Gilles へ
サン=ジル(Saint-Gilles)は、フランス、オクシタニー地域圏ガール県にある、人口約14,000 人の町です。アルルの約15km西、ニームの約19km南に位置します。
広場では、人や車が盛んに行き来していました。
ファサードにある三つの扉口のうち、右の扉口から入ります。
2. 概要
教会の中に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
7世紀後半、ギリシアからやってきた聖アエギディウス(仏:Saint-Gilles)は、プロヴァンス、ガロン(Gardon)川の近く、カタルーニャのヌリア、そしてこの森で雌鹿と一緒に隠遁生活を送るようになった。狩りをしていたワンバ(Wamba)王と出会ったのは、この雌鹿のおかげである。傷ついた聖アエギディウスは領地(古代のオッピドゥムの跡地か?)を得て、聖ペトロに捧げるベネディクト会修道院を創設した。そこで死ぬまで修道院長を務めた。
721年:聖アエギディウス死去。
1066年:修道院がクリュニー修道院と提携。
1096年:新教会の祭壇を奉献。
1116年:修道院教会の工事再開。
1120年:修道士とトゥールーズ伯との間で紛争。
1132年〜1179年:繁栄期。巡礼の絶頂期。ローヌ河畔の港は活況を呈した。商人、十字軍、両替商、巡礼者たちが、テンプル騎士団、聖ヨハネ騎士団、小さき修道会、修道院、サント・マドレーヌ癩院に囲まれた「7つの小区画の町」に活気をもたらした。
1226年 修道院はフランス王に服属、その後、世俗化。
1562年〜1622年:プロテスタントによる破壊。
フランス革命により、クワイヤが破壊。
1842年に歴史的建造物に指定され、修復。
1998年 サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路としてユネスコ世界遺産に登録。
この後は、教会の中にあった案内を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
教会の中にあった案内模型による平面図です。
黄色の部分が現在の教会、青色の部分がロマネスク期のクワイヤです。
ロマネスク期のクワイヤがどうなっているのか、航空写真だとよくわかります。
後陣まで、すっかり失われています。
4. 内観
私がチケット売り場に行ったのは、12:05のことでした。当然ながら「午前の見学は終了しました。地下聖堂への入場は14:00に再開します。」と言われました。
14:00に帰って来ようかと少し考えたのですが、私は地下聖堂に行かないことに決めました。
教会の中の案内板にあった、地下聖堂の写真です。
とても広々とした地下聖堂のようです。
5. 外観
いちばんの見どころは、ファサードです。
豊かな彫刻が施されています。その作風から、複数の親方の手を感じます。
「カインとアベル」(旧約聖書『創世記』4章)だと思います。
衣服の豊かなひだ、足の曲げ方や、重心の置き方が美しいです。
こちらは「ペトロの足を洗うイエス」(新約聖書のヨハネによる福音書13章)だと思います。
最後の晩餐のとき、有名な「あなたがたのうちの一人が私を裏切ろうとしている。」という言葉の前に、イエスは弟子たちの足を洗います。
『ヨハネによる福音書』13章
8: ペトロが、「私の足など、決して洗わないでください」と言うと、イエスは、「もし私があなたを洗わないなら、あなたは私と何の関わりもなくなる」とお答えになった。
9: シモン・ペトロは言った。「主よ、足だけでなく、手も頭も。」
太い手足や、イエスとペトロの表情。劇的で良いです。
こちらは「イエスの復活」を描く場面。天使については、聖書にこうあります。
マタイによる福音書28章
2: すると、大きな地震が起こった。主の天使が天から降って近寄り、石をわきへ転がし、その上に座ったのである。
3: その姿は稲妻のように輝き、衣は雪のように白かった。
6: あの方は、ここにはおられない。かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。
主の天使は、豪華な衣装をまとい、立派な翼を広げています。かっこいい。
かっこいい天使といえば、こちらの右に出るものはありません。
整った顔立ち、手足が長く均整のとれた体、余裕しゃくしゃくの表情。とてもかっこいいです。
サン=ジル・ドゥ・ガール修道院教会(Église abbatiale de Saint-Gilles du Gard)。ファサードが素晴らしいです。
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