2023年9月14日(木)、二番目に訪れたのは Albenga、初期キリスト教洗礼堂(Battistero Paleocristiano di Albenga)です。
ここは、モザイクに心を打たれます。
2023年は、火曜から日曜の9:30~13:00と14:30~18:30に開いていました。ただし、復活の主日(移動祝日)、聖母被昇天の祝日(8月15日)とクリスマス(12月25日)は休み。有料(博物館と洗礼堂€10、洗礼堂のみ€6)です。
Albenga では、3か所に行きました。以下のように3回に分けて書きます。
<1> Museo Diocesano
<2> Battistero Paleocristiano di Albenga
<3> Cattedrale di San Michele Arcangelo
目次
1. Battistero Paleocristiano di Albenga へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .
1. Battistero Paleocristiano di Albenga へ
初期キリスト教洗礼堂(Battistero Paleocristiano di Albenga)は、前回に見学した教区博物館(Museo Diocesano)の真ん前にあります。
洗礼堂の南西に二つの塔が写っています。
右の塔は、コムーネの塔(TORRE COMUNALE)。街頭にあった案内によると、チェポッラ(Cepolla)家が所有していたこの塔は、1333年から市議会の議事堂となりました。17世紀には塔の基部にロッジアが取り付けられましたが、1951年に完了した修復工事により、中世の姿に戻されたのだそう。
向かって左の塔は、次回に見学する大聖堂(Cattedrale di San Michele Arcangelo)の鐘楼です。
2. 概要
案内書のコピーをもらえました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
洗礼堂は、北イタリアで最も重要な初期キリスト教遺跡のひとつである。5世紀から6世紀にかけて建設され、長年の修復を経て2000年に典礼用に戻された。
この後も、案内書のコピーを引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
洗礼堂の中にあった案内掲示による平面図です。
青い部分:発掘調査と修復
特に重要だったのは、埋葬地の発見で、2人の埋葬者は身分の高い人々であり、考古学的調査によって中世初期とされた。
平面図の中で、「A」が入口、その正面の「E」がモザイクの場所です。
4. 外観
洗礼堂は、現在の地面よりも低い位置にあります。
建物は古代末期の都市の高さにあり、現在の高さより2.5メートルほど低い。地盤が徐々に高くなったのは、中世にチェンタ(Centa)川が街の北から南へと移動し、海岸線が徐々に遠ざかったためである。
窓は、透明な板で保護されているものが三つあります。
窓は、穴あきの石板で構成されている。モザイクのくぼみの窓を閉じている大理石の板片は初期キリスト教時代のもので、その両側にある他の二つの板片はロンゴバルド時代(8世紀)に作られたものである。
三つとも、彫刻がとても美しい。
窓1は、教区博物館(Museo Diocesano)で見た墳墓の彫刻に似ています。
窓2は、編み込み模様の十字架、四つの円形穴や植物の装飾などが、窓1の彫刻に似ています。
窓3は、幾何学的な模様ばかりで、1や2とは違います。初期キリスト教時代のもの。
よくみると、円形穴の周りにギザギザ模様、かまぼこ型穴の周りに円形模様があります。きっと、何か意味があるのだと思います。
こちらの窓3は、入口の正面にあります。素晴らしいモザイクのある場所です。
5. 内観
私は、南側に設けられた階段をおりると、南西にある入口に入場券を確認する人がいますから、教区博物館(Museo Diocesano)のチケット売り場で買った入場券を見せました。
その際に私が「撮影していいですか?」と尋ねると、彼女は手振りで「どうぞ」とのこと。
やったあ!
洗礼堂の中に入ります。
洗礼堂は、外側が十角形、内側が八角形である。アルベンガ教区は1162年までミラノ教区に依存していたため、建築は外側も内側も(半円形と長方形が交互に配置された八つのくぼみがある)アンブロージョの型に強く影響を受けている。洗礼堂の中央には、内部が八角形、外部が「星型」のオリジナルの浸水式洗礼盤がある。洗礼盤はもともと、8本の柱に支えられた石造りの天蓋で覆われていた。
入り口の両側には、2基のアルコソリウムの墓(8世紀)がある。
アルコソリウムとは、手元の伊和辞典によると「初代キリスト教会の地下墳墓(カタコンベ)内のアーチ型墓所」です。
司教やアルベンガの著名な市民は、この二つの墓に埋葬された。右側の墓は、大理石の板を細かく彫刻した8世紀のもので、ルネッタはオリジナルだが、他の板は複製品である(オリジナルは教区博物館にある)。
モザイクをみます。
ヴォールトの外側には、宝石のような縁取り装飾があり、その上部には2本の月桂樹の枝がある。その下には、アーチに沿って、ステファノ、ヨハネ、ラウレンティウス、ナルボレ、フェリーチェ、プロタシウスとゲルバシウスといった聖人の名前が記されている。したがって、彼らの聖遺物が下のくぼみに納められていたに違いない。
クリスモンも、繊細に色を使い分けていて、とても美しいです。
円と「クリスモン」の3重の繰り返しは、三位一体への言及であり、「クリスモン」が三つの円に接し、Aとwの文字に挟まれていることは、父と子と聖霊の間に違いがないことを示している。この象徴は、三位一体論とキリスト論の異端、とりわけ人間性だけがキリストの中に存在すると主張したアリウス主義に特徴づけられる時代に、教会の正統な信仰を明確にすることを意図している。十二羽の鳩は教会のいしずえとなった十二使徒を表す。彼らは青地にオレンジ色の小さな十字架に向かって飛ぶ姿で描かれている。
ずいぶんと深い意味が込められているんですねえ。
断片的に残っている部分も、緑色と青色の使い方が絶妙です。
私はこれらの色づかいにすっかり魅せられました。
初期キリスト教洗礼堂(Battistero Paleocristiano di Albenga)。モザイクに心を打たれます。
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