2023年8月13日(日)、二番目に訪れたのは Tirolo、チロル城(Castel Tirolo)です。
ここは、飛び出す絵本のような扉口が素晴らしいです。
博物館として運営されています。2023年は3月15日から11月19日の火曜から日曜、10:00〜17:00に開いていました。有料(€8)です。
目次
1. Tirolo へ .
2. 案内図 .
3. 概要 .
4. 飛び出す絵本のような扉口その1(北扉口) .
5. 飛び出す絵本のような扉口その2(東扉口) .
1. Tirolo へ
私はナトゥルノ(Naturno)から北東に約18km、23分ほど運転して、山間の村の駐車場に着きました。11:45頃のことです。
私が停めた駐車場の住所は Via Principale, 3, 39019 Tirolo BZ です。通常は有料ですが、この日は日曜だったので無料でした。この駐車場から1.3kmほど歩いて、チロル城に行きます。
歩いていると、小高い丘の上にチロル城が見えました。
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ブドウ畑と城が陽光を浴びて鮮やかでした。
チロル城に着くと、チケット売り場で料金(€8)を支払って、さっそく見学です。
3. 案内図
チケット売り場の近くに案内図がありました。東が上です。
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飛び出す絵本のような扉口は二つありますが、二つとも 03 Knights’ Hall にあります。
2. 概要
01/02 Crypt に案内パネルがありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
Schloss Tirol / Castel Tirolo
建設第一段階
オリジナルの建物
1077年、皇帝ハインリヒ4世は、Isarco と Adige の両伯領をバイエルンの Eurasburg 伯爵家に譲渡。彼らはその後トレント司教区の廷吏となり、Val Venosta の執政権も手に入れた。1100年、彼らはアディジェ地方の領地を統治する建物の建設に着手。周囲の城壁は、当時としては異例の大きさであった。南東には宮殿に付属する礼拝堂が計画されたが、この複合建築が完成し使用されたことを示す証拠はない。
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建設第二段階
チロル伯爵家の代々の居城
12世紀、「山と山の間の土地」は好景気に沸き、領土拡張はピークに達し、交易と商業はより盛んになり、城の数も増加した。Albert と Berthold の兄弟は、先代が始めた建設を続けた。この城は2人の兄弟によって創設され、1141年に初めて文献に記載されたチロル伯爵家の居城となった。未完成のオリジナルの建物は、さらなる建設のために部分的に取り壊された。
1125年から26年にかけて、より大きな礼拝堂と新しい広間が建設された。同じ頃、巨大な塔の建設も始まった。その東側には、2階建ての食堂が建設され、その工事は1174年まで続いた。
この頃、03 Knights’ Hall に二つの飛び出す絵本のような扉口が作られました。
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建設第三段階
君主の城
1286年、礼拝堂と宮殿が一階分高く増築された。同じ頃、西側には新しい農業棟が建設され、北東には巨大な住居棟が建設された。
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建設第四段階
崩壊と改修
1420年以降、チロル城の重要性は失われた。それでも15世紀後半には、東の宮殿、礼拝堂、南の宮殿の屋根が改修され、現在の形になった。1520年、斜面の崩落により東の宮殿が破壊。17世紀以降、城と礼拝堂だけが使われ続けた。
建設第五段階
歴史主義の精神による修復
1816年、Merano 市はチロル城を皇帝フランツ1世に譲渡。フランスとの戦争の後、建物は荒れ果てた状態にあった。新しい所有者は、修復計画を実行する目的で、最初の建築調査を作成させた。1878年にようやく着工。1914年に完了した2段階の修復は、オリジナルのロマネスク様式の建物を復元・再建することを目的とした。
この後は、03 Knights’ Hall にあった案内掲示やタッチパネルを引用するときに太字で書きます。
4. 飛び出す絵本のような扉口その1(北扉口)
03 Knights’ Hall に行きます。二つの開口部を持つ窓が並んでいる階にあります。
Knights’ Hall は、主に儀式のための部屋であった。入り口である北扉口と、礼拝堂へ通じる東扉口に施された浮き彫りは、12世紀のロマネスク彫刻の中でも最も重要な作品のひとつに数えられている。
北扉口は、北壁の右の階段を上がった小部屋の中にあります(赤い矢印で示しました)。
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階段を上がると左に、飛び出す絵本のような扉口その1(北扉口)があります。
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立体感のある浮き彫りが豊富で、なかなかの存在感です。
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北扉口の正面にはベンチがあるので、腰を掛けてじっくり眺めることができます。
5. 飛び出す絵本のような扉口その2(東扉口)
03 Knights’ Hall に入ります。
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騎士団の広間は、1138年頃の宮殿の改築に伴い、1階を占める部屋として誕生し、2階は13世紀になってから増築された。
現在、この部屋は19世紀の改築によって特徴づけられており、天井と4本の支柱、上の広間への連絡階段などは、この改築によるものである。小柱と副柱頭のある窓も部分的に改築され、あるいは新しく挿入された。
礼拝堂へ通じる、東扉口をみます。
わお。
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私が大好きなタイプの浮き彫りが、いっぱいです。
象徴的価値:礼拝堂の扉口は「救いの門」として、神聖な礼拝のための部屋につながっている。
左下から順にみます。
表現:半人半馬のケンタウロスが、ルネッタの十字架上のキリスト像に向かって矢を放つ。
象徴的価値: 偽善者と異端者の象徴で、人間のあいまいな性質を示している。
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表現:アダムに連れられたエバが、楽園で蛇から禁断の果実を受け取る。
象徴的価値:楽園における原罪、人間は罪に溺れる。
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表現: ダビデは雄羊をライオンの爪から解放する。
象徴的価値:死に対する勝利、イエスの復活の象徴。
表現:直立姿勢のワシ。
象徴的価値:復活の象徴。
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表現: 二股のセイレーンは尾を上に向けている。その上に十字架が丸く刻まれている。
象徴的価値: 誘惑と感覚の快楽への誘惑の象徴。十字架はセイレーンの負の力を奪う。
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表現:歯ぎしりするライオン。
象徴的価値:獲物をねらう悪魔。
表現:多頭の怪物が尾の助けを借りてその鋭い顎で2人の人間に噛みつく。
象徴的価値:二人の預言者エノクとエリヤを絞め殺す黙示録的ドラゴンとして反キリスト。
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表現: ワシが火を噴くドラゴンと戦っている。
象徴的価値:キリストが地獄のドラゴンに打ち勝つ象徴としての天空のワシ。
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表現:角の生えた悪魔が、三叉の矛を使って人を地獄に落とす。
象徴的価値:悪魔は罪人の父であり、その殺人者として、罪人を地獄に落とす。
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表現: 囲炉裏の上に鎖で吊るされた大鍋。
象徴的価値: 永遠の地獄の罰が大鍋の形で提示されている。
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表現:2匹のサルのうちの1匹が果物をかじっている。
象徴的価値:サタンの被造物としてのサルは、神の業を猿真似し、いたずらに嘲笑する。原罪のパロディがここに描かれている。
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表現: 神の祝福の手。
象徴的価値: 終末に反キリスト者を打ち負かす神の言葉の象徴。
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表現:織り込み装飾。
象徴的価値: 始まりも終わりも知らない神のイメージの永遠性の象徴。
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表現:ライオンの体とワシの頭を持つハイブリッド生物であるグリフォンがウサギを殺す。
象徴的価値:弱く怯えたキリスト教徒は、悪魔の格好の餌食となる。
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表現:王冠をかぶった孔雀
象徴的価値: クジャクは復活の象徴であり、キリストの栄光を予期させる善の象徴である。
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表象:降架。ニコデモは釘を抜き、アリマタヤのヨセフは十字架につけられた方の遺体を抱いている。
象徴的価値: 十字架にかけられた方が目を見開き、両手を挙げて勝利のしるしをしている描写は、救世主の復活が間近に迫っていることを予期させる。
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表現: ひげを生やした2人の男が手に書物を持ち、中央には(擦り切れた)アダムの頭部が地面から立ち上がり、両手で体を押し上げている。
象徴的価値:預言者エノクとエリヤが、キリストの辺獄への旅に同行している。キリストはアダムの墓の上で十字架につけられた。アダムの辺獄からの救済。
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壮大な、救済の物語が展開していました。
チロル城(Castel Tirolo)。飛び出す絵本のような扉口が素晴らしいです。
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