ナトゥルノ(Naturno)

2023年8月13日(日)、最初に訪れたのは Naturno、聖プロコロ教会(Chiesetta di San Procolo)です。

ここは、壁画が素晴らしいです。有名な、ブランコに乗る聖人が描かれています。牛たちもかわいいです。

博物館とあわせて運営されています。2023年は、復活祭から万聖節までの火曜、木曜、日曜と祝日の10:00〜12:30と14:30〜17:30に開いていました。有料(€6)です。

目次

1. Naturno へ .
2. 概要 .
3. プラン .
4. 外観 . 
5. 内観 . 

1. Naturno へ

私は Pension をチェックアウトし、南東に約55km、58分ほど運転して、かわいい町のかわいい教会に着きました。10:00頃のことです。

ロマネスク様式の鐘楼を目指して歩くと、突き当たりの右に教会、左に博物館があります。

南側遠景
博物館

博物館の受付で料金(€6)を支払うと、教会を見学できます。

2. 概要

教会の外に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

St.-Prokulus-Kirche in Naturns / Chiesetta di San Procolo a Naturno

教会と博物館
教会は、国際的かつ徹底的な調査にもかかわらず、いまだに秘密が隠されている歴史的、芸術的宝石である。二重アーチ窓と尖塔を持つ塔があるためロマネスク様式の教会に見えるが、塔が付け加えられたのは1185年頃である。教会はそれ以前、おそらく8世紀末に建てられた。

教会内部には、1923年に発見されて以来、すでに専門家の間でセンセーショナルな発見とみなされていた驚異的な壁画の連作がある。天使や聖人、今では有名な「ブランコに乗った聖人」、さらには牛の群れまでが浮かび上がった。これらの絵は、アルプスにおけるプレ・ロマネスク壁画の最古の例のひとつである。

誰がこの壁画を描いたのか、そしていくつかのイメージやシンボルが何を意味しているのかは、いまだに謎に包まれている。これと同様の壁画はこれまで発見されていないため、年代や芸術的な分類は難題である。

科学者たちのさまざまな年代測定アプローチは、8世紀から10世紀にまで及んでいる。

勝利アーチとクワイヤの壁画が身廊の壁画よりも古いであろうことは議論の余地がない。そして、描かれた漆喰の大部分が長期にわたって保たれたことは奇跡に近い。実際、壁画が再発見されたのは1912年のことで、壁から漆喰の破片が剥がれ落ちたときに偶然発見された。

教会は14世紀に上へと高く改築され、その後、ゴシック時代の壁画が描かれた。しかし、17世紀の発疹熱の流行時には、教会の敷地がペストの墓地となったため、その後、内壁は石灰で完全に塗り固められた。現在では、上部のにあるゴシック様式の壁画と、下部のオリジナルの中世初期の絵画を再び鑑賞することができる。

最初の壁画の上にあったゴシック絵画は、剥がされ、隣のサン・プロコロ美術館に展示されている。近代的で非常によく整備されたこの博物館には、教会周辺のセンセーショナルな考古学的発見物が展示されており、マルチメディア・ステーションに沿って訪問者をエキサイティングな時間の旅へと誘う。

この後は、博物館に掲示されていた説明を引用するときに太字で書きます。

3. プラン

博物館の展示にプランがありました。東が右です。

中世初期(博物館の展示より)
15世紀(博物館の展示より)

黄色は中世初期に壁画が描かれた場所、青色は14〜15世紀に壁画が描かれた場所。

4. 外観

私はワクワクしながら歩きました。

南西側外観

南側のひさしの下で、何人かの訪問者がくつろいでいました。

北西側外観

山と畑とロマネスク教会、心が落ち着きます。

5. 内観

教会の中に入ります。

東壁、北壁、西壁、南壁の順に、私が好きな壁画をみます。

この教会ではフレスコ技法とセッコ技法の両方が使われている。

身廊にて東を向く

東壁、勝利アーチに描かれているのは、ふわふわの天使たち。

勝利アーチ(北側)

ふわふわに見える理由は、コンパス。

勝利アーチを描く際、画家たちはコンパスを使った。この道具を使うことで、空間を正確に分割して描く対象を調和させることができた。コンパスで印をつけた点は、画家が衣服のひだを規則正しく再現するための基準となった。それは今日でもはっきりと見ることができる。

勝利アーチ(南側)

いくつもの半円形がクルクルと連なって、華麗に空を舞う天使の姿になっています。

北壁をみます。

身廊にて北を向く

身廊(北壁、西壁と南壁)には、勝利アーチに描かれていた帯状装飾とは異なる帯状装飾があります。

勝利アーチに描かれた壁画は編み模様の帯状装飾で区切られているが、身廊に描かれた壁画は曲折模様の帯状装飾で区切られている。教会の北東の角では、曲折模様が勝利アーチの帯状装飾に重なっている。これは、身廊の壁画が勝利アーチの壁画よりも新しいものであることを立証する重要な証拠である。

教会の北東の角

勝利アーチの壁画の上に身廊の壁画が描かれているから、身廊の方が新しいってことですな。

北壁の帯状装飾の下には、天使と聖人たちが描かれています。

天使と聖人

翼が色とりどりだし、顔や手の表情が豊かで、とても良いです。

西壁には、人物たちと牛たちが描かれています。

身廊にて西を向く

壁画が描かれた後、西扉口が作られたので、壁画の一部が失われました。

牛たち

牛たちが、なんとも、かわいい。

南壁をみます。

当初は右側に南扉口がありました。壁画は左側にだけ残っています。

有名なブランコに乗る聖人が描かれています。

身廊にて南を向く

とても有名なブランコ聖人ですが、この聖人が誰なのか、はっきり分かっていません。

ヴェローナから逃れてきた聖プロクルス(プロコロ)、あるいは、ダマスカスから逃げてきた聖パウロと考えられている。

聖プロクルス(プロコロ)は3〜4世紀のヴェローナの司教。ディオクレティアヌス帝の迫害を受け、司教座を去らねばならなかったとされています。

ブランコに乗る聖人

ブランコに乗って、風になびく髪、キリリとした目元。空を切る勢いが爽快です。

聖プロクルス教会(Chiesetta di San Procolo)。壁画が素晴らしいです。有名な、ブランコに乗る聖人が描かれています。牛たちもかわいいです。

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