グラヴェドーナ(Gravedona)<2>

2023年7月28日(金)、六番目に訪れたのは Chiesa di San Vincenzo です。

ここは、 地下聖堂が良いです。

Gravedona では、二つの建物に行きました。以下のように2回に分けて書いています。
<1> Chiesa Santa Maria del Tiglio
<2> Chiesa di San Vincenzo

目次

1. Chiesa di San Vincenzo の地下聖堂 へ .
2. 概要 .
3. 北側外観(11世紀の側壁).
4. 地下聖堂.. 

1. Chiesa di San Vincenzo の地下聖堂へ

Chiesa Santa Maria del Tiglio の南隣にある建物が Chiesa di San Vincenzo です。

私がこちらの見学を始めたのは、12:00頃のことです。

北側外観

地上の教会内部は、すっかりバロック時代に改築されていますから、割愛します。

2. 概要

教会の中に簡素な案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

初期キリスト教時代に建てられた教区教会である。ロマネスク時代に再建され(側面と地下聖堂に11世紀の遺構)、1600年から37年にかけてさらに改築された。

17世紀の改築で教会はバロック様式になりました。

11世紀の遺構をみます。

3. 北側外観

北壁に11世紀の遺構があります。

美しい盲アーチと付け柱、そしてモノフォラ(開口部が一つの窓)が残ります。

北側外観

北壁の11世紀の遺構は、地下聖堂の手前で途切れます。

地下聖堂は、赤い矢印の扉口から入ります。

地下聖堂の扉口(赤い矢印)

航空写真で赤い矢印の位置を確認します。

Googleマップの航空写真を私が編集

私は、むかしは、赤い矢印のところには扉口も壁もなかったかもしれないと思います。

なぜそう思うか、地下聖堂を見ながら話します。

4. 地下聖堂

地下聖堂に入るには、階段をおります。

地下聖堂の扉口

階段を東に向いて降りていると、円盤状の石材を積んだ特徴的な半円柱半円形の左半分が見えます。

地下聖堂の北東にある半円形の壁

壁をはさんで、建物の中です。地下聖堂の北東の端に半円形の右半分と盲アーチがあります。

北側廊にて東を向く

この半円形は、もしかして、北小後陣かもしれません。

そして、半円形を遮る壁は後から挿入された壁かもしれません。

身廊に行き、東を向きます。

地下聖堂の身廊にて東を向く

地下聖堂は、円柱が4列並ぶ、5廊式です。

身廊からは、白い壁があって主後陣がみえません。

でも、南身廊の東端には壁が無いので、南身廊から主後陣に行くことができます。

主後陣です。

南側廊にて北東を向く

主後陣の壁にも、特徴的な円盤状の石材を積んだ半円柱があります。北小後陣かもしれない場所と似ています。

南にも、小後陣があったかもしれません。半円形の左半分と盲アーチがあります。

南側廊にて北を向く
黄色の四角部分

盲アーチを遮っている右側の壁は、後から挿入された壁かもしれません。

盲アーチを遮っている右側の壁には、扉口があります。

身廊にて南を向く

南側廊の扉口を通って南に行くと、東西に細長い部屋になっています。

その細長い部屋の東側には壁があって、半円形の右半分を確認することはできませんでした。

その細長い部屋の西側をみます。

地下聖堂の南にある細長い部屋で西を向く

上の写真の、向かって左と右とでは、壁の造りが違うようです。

向かって左の壁には、特徴的な円盤状の石材を積んだ半円柱があります。また、切り石の大きさや形が、主後陣に似ています。向かって右の壁は、大きさや形が異なる石を使っています。

もともとの地下聖堂は、今より大きかったのかも。

現在の地下聖堂に戻ります。

身廊にて南西を向く
身廊にて北西を向く

床材の一部は、色大理石です。

こちらの床は、黒と白を幾何学的に組み合わせてあります。

黒と白を幾何学的に組み合わせた床

Galliano の内陣の床を思い出します。ジャカ・ブック(Jaca Book)PATRIMONIO ARTISTICO ITALIANO『LOMBARDIA ROMANICA VOL II』によると、Galliano のものは、古代末期にこの地域で一般的だった方法で装飾された床材が、内陣で再利用されたそうです。

もしかすると、古代末期の床材の再利用かもしれません。古代末期は3世紀〜8世紀頃です。

太い円柱が二つあります。上の建物をも支えているようです。

地下聖堂の身廊にて西を向く

かなり立派な地下聖堂です。

Chiesa di San Vincenzo。地下聖堂が良いです。

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