2022年12月11日(日)、最初の目的地はBagnacavallo。Pieve di San Pietro in Silvisです。
ここは、チボリウムの断片、地下聖堂と祭壇が素晴らしいです。
以下のように、週末に開きます(2022年現在)。
金曜:6月~8月 16:30~18:30、10月~4月 14:30~16:30
土曜:6月~8月 16:30~18:30、9月と5月 15:00~17:00
日曜:通年 9:30~12:00(10:15〜聖ミサ)、6月~8月 16:30~18:30、9月と5月 15:00~17:00
目次
Bagnacavallo へ .
概要 .
平面図 .
内観:全体 .
内観:後陣 .
内観:祭壇 .
内観:地下聖堂 .
内観:北側廊(チボリウムの断片) .
外観:後陣 .
参考文献 (1) .
アルファベットは、基本的に全てイタリア語です。
Bagnacavallo へ
私は宿から北に約16km、18分ほど運転して、教会の前に車を停めました。9:30頃のことです。
いつもなら、夫もロマネスク巡りに来るのですが、体調が心配だったので大事をとって宿で暖かくしていました。夫がローマに到着した8日頃からイタリアは雨が続いて寒波がおそって、カタール(W杯サッカー観戦)から来た夫の体には厳しいようだったので。
概要
教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
7世紀にさかのぼる Pieve di San Pietro in Silvis は、ラヴェンナ地域で最も保存状態の良いロマネスク様式の教区教会の一つであり、異教派建築の典型例である。この教会は、おそらく古代ローマのユピテルに捧げられた神殿の近くに建てられたと思われる。
この教会は、1000年頃、ローマに向かう巡礼者が利用した、沼地の南岸にある港の一番東に相当すると思われる場所に建っている。
この後も、案内板を引用するときは太字で書きます。
平面図
現地には平面図がみあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Emilie romane plaine du Po』による平面図です。東が上です。
さっそく見学です。
10:15に聖ミサが始まる前に、中を見学したいから。
内観:全体
三身廊、一後陣。
シンプルな柱が半円形のアーチを支えています。
内観:後陣
後陣は、14世紀のリミニ派の見事なフレスコ画で飾られている。
内陣は階段の上にあり、その下に地下聖堂があります。
私は聖ミサの準備をしていた婦人に挨拶しました。彼女は「とても美しいでしょう?」と笑顔でした。間違いありません。とても美しいです。彼女のような地域の人たちが守ってきたおかげだと思います。
内観:祭壇
6世紀末に作られた美しいギリシャ大理石の祭壇は、内陣で際立っている。
確かに。
祭壇、簡素な装飾がとても美しいです。
内観:地下聖堂
南側廊から行くことができます。
入ると、小さい空間があり、古そうな柱頭がひとつだけあります。
古そうな柱頭のある小さい空間から、北を向くと、広い地下聖堂があります。
11世紀に作られた広大で示唆に富む地下室は、4本の柱に支えられた十字のヴォールトを持つ。
4本の柱のうち、1本には、古そうな彫刻が残っています。
地下聖堂から南を向くと、先ほど見た、小さい空間の古そうな柱頭が見えます。
とても美しいです。
内観:北側廊(チボリウムの断片)
北側廊には、古い彫刻の断片が展示されています。
左の通路にはラピダリウムがあり、興味深いチボリウムの断片がある。
私は、碑文になんと書いてあるのか、制作年代はいつ頃なのか、気になったので検索したら論文がありました。
Paola Novara 博士(1)によると、碑文はラテン語でこのように書いてあるそう。
+ DE DONIS D(E)I ET S(AN)C(T)I PETRI APOSTOLI TEMPORIBVS
D(OM)N(I) DEVSDEDI
V(IRI) B(EATISSIMI) EP(IS)C(OPI)
IOHANNIS VM<I>LIS
P(RES)B(ITER) FECIT
PER IND(ICTIONEM) (QVINTAM).
Paola Novara 博士によるイタリア語訳はこうです。
“Con i doni di Dio e di san Pietro apostolo, ai tempi del signor Deusdedit, uomo beatissimo vescovo, l’umile prete Giovanni fece durante la quinta indizione.“
どうやら「司祭ヨハネが、Deusdedit司教の時代に作った」と言っているようです。
年代は「学者たちの間でまだ意見が一致していない」そうです。でも、多くの説は、8世紀後半のあたりを支持しているみたい。ロンゴバルド王のデシデリウス(756-774)やカール大帝が、ここFaenzaの辺りの教皇領に影響を及ぼしていた時代ですよね。なんだかワクワクします。
別の断片に具象彫刻があります。
鳥たちや動物たちが水辺にいます。ブドウや植物を食べているのかも。
教会の中の見学は、これで終わり。外を見学します。
外観:後陣
後陣は、内側から見ると半円形でしたが、外側から見ると七角形です。
美しい後ろ姿。
Pieve di San Pietro in Silvis。チボリウムの断片、地下聖堂と祭壇が素晴らしいです。
参考文献 (1)
Paola Novara “Documenti epigrafici nelle chiese rurali della Romagna: una nuova analisi del ciborio della chiesa di San Pietro in Sylvis di Bagnacavallo” Estratto da: “Studi Romagnoli”, LXX (2019), pp. 431-454.
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