2025年8月2日(土)、最初に訪れたのはBerga、Sant Quirze de Pedretです。
ここは、プレ・ロマネスク様式の建物が素晴らしいです。また、建物の一部にオリジナルの壁画と複製の壁画があります。
2025年、教会は4月2日から12月20日までの土曜、日曜と祝日の10:00、11:00と12:00にガイドツアーがありました。有料(€3)でした。
目次
1. Berga .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .
6. 主後陣の壁画(Museu Diocesà i Comarcal de Solsona) .
7. 南小後陣の壁画(Museu Nacional d’Art de Catalunya) .
1. Berga
ベルガ(Berga)は、カタルーニャ州バルセロナ県にあり、州都であり県都であるバルセロナの約80km北に位置します。
教会は、市内中心部から東に4kmほど外れた山の中にあります。
夏の間(6月下旬から7月下旬は週末、7月下旬から8月末までは毎日)は、ベルガ(Berga)市内と教会とを結ぶペドレット通り(Camí de Pedret)の交通が規制され、一般車両の通行が閉鎖されます。
訪問者は、ベルガ(Berga)市内に車を停め、路線バスか徒歩で教会に向かいました。
リュブラガート(Llobregat)川にかかるペドレット橋(Pont de Pedret)を渡ると、教会は300メートルほど北東にあります。

教会に着きました。

2. 概要
私は見学料を払い、リーフレットをもらいました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
サン・キルゼ・ダ・ペドレット(Sant Quirze de Pedret)教会は、プレ・ロマネスク建築の重要な一例である。
1959年、ソルソナ司教区からベルガ市議会に管理が移管された。1959年から1964年にかけて、ベルガ市議会と司教区の要請により、バルセロナ県議会によって修復が行われた。
四半世紀後、建物の状態が悪化したため、市議会は再び県議会に支援を求めた。地方建築遺産局(旧記念物局の現名称)は1989年、新たな修復工事に着手した。
近年行われた工事の重要な部分は考古学調査であり、これにより建物の歴史に関する情報が補完され、10世紀の本来の姿を復元するという目的から始まった修復基準の策定に役立った。
この後も、リーフレットを引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
リーフレットによる平面図です。東が左です。

4. 外観
東に行きます。

1992年から1995年にかけて修復された屋根は、10世紀当時の形状と素材を再現している。
修復期間中、中世の地形と参道が復元された。そのため、北側には、この場所と教会に名を与えた「ペドレット(Pedret)」(石)がそのまま残されている。

南側廊については、対応する小後陣に隣接する区間のみが現存している。13世紀には、この南側廊の上に鐘楼が建てられた。鐘楼は倒壊し、その残骸は現在、南側に開かれたポーチの屋根の上にそびえ立っている。このポーチは、同じく消失した南側廊の空間を占めている。このポーチは、1992年から1995年にかけて行われた修復工事の際に建設されたもので、外部からは石段を通じてアクセスできる。この石段はプレ・ロマネスク時代にも使用されていたものと同じだが、当時は教会の旧扉口へと通じていた。

ポーチと中央の身廊を隔てる壁にあるロマネスク様式の扉口は、この部分の側廊が崩壊する前に身廊と南側廊をつないでいた、かつての馬蹄形の開口部に取って代わったものである。13世紀に建てられたこの扉口は、インポストに支えられたアーキヴォルトを持ち、その両側には装飾を施した柱頭が配置されている。

5. 内観
教会の中に入ります。
南扉口から入って北東を向くと、北側廊と身廊が見えます。
建物は傾斜地に建っているので、北側廊は他の二つに比べて高い位置にあります。北側廊と身廊は、二つの馬蹄形アーチの開口部を通じてつながっています。

東を向くと、主後陣があります。
身廊は台形の主後陣(これは9世紀にペドレット(Pedret)に建てられた最初の教会に属する)で終わっており、側廊は馬蹄形のアーチを持つ二つの小後陣で終わっている。二つの側廊と南北小後陣は10世紀に増築された部分である。

南側廊については、対応する小後陣に隣接する区間のみが現存している。
ガイドによると、13世紀に南側廊の西側が火事で崩落し、14世紀から18世紀にかけて教会は放置されていました。
南側廊に現在も残る区間は、かつてのアーチの様式を踏襲して1960年に建設された馬蹄形アーチの開口部を通じて、身廊と接続している。

建物の後陣には一連の壁画が見られる。その一部はオリジナルだが、他は1992年から1998年に制作された複製である。
主後陣の東壁と南小後陣は、複製です。
主後陣をみます。
10世紀のプレ・ロマネスク様式の壁画の複製。窓の左側の壁画は、十字架を描いている。十字架の円の中には、小さな旗で飾られた槍を携えた騎士がいる。窓の右側の壁画は「オラント(祈る者)」を表している。これは、ジグザグの文様で飾られた円の中に、チュニックを身にまとい両腕を伸ばした、ひげを生やした男性の姿である。円の上には、鷲または孔雀が描かれている。これらの元の壁画は1937年に撤去された。

主後陣の北壁下層は、オリジナルです。
ロマネスク様式の壁画の残存部分(おそらく11世紀末のもの)。1937年に壁画全体が撤去された際、この部分だけは、そのまま残された。残存部分の修復:Emili Julia、1995年
幻想的な生き物が描かれているようです。

主後陣のオリジナルはソルソナ(Solsona)、南北小後陣のオリジナルはバルセロナ(Barcelona)にあります。
6. 主後陣の壁画(Museu Diocesà i Comarcal de Solsona)
主後陣の壁画のオリジナルは、ソルソナ(Solsona)にあります。
私は2025年7月29日にソルソナ司教区美術館(Museu Diocesà i Comarcal de Solsona)に行きました。そのときに撮影した、主後陣の壁画をご紹介します。
おそらく11世紀末のもの。

勝利アーチには、「アブラハムによる息子イサクの犠牲」(『創世記』22章)や「カインとアベル」(旧約聖書『創世記』4章)が描かれています。
こちらは、アーチの下です。おそらく頂部の位置に描かれていた神の手に、豪華な衣装、赤みがかった短めのチュニックと青いマントを身にまとったカインが、小麦の穂が入った小籠を捧げています。カインの表情は穏やかで、その後の悲劇をいっそう強く印象づけます。

後陣の天井では、中央にキリストが座し、四福音書記者の象徴によって支えられたマンドルラに包まれています。

東壁中央上部には玉座があり、七つの封印で封じられた巻物が置かれています(『ヨハネの黙示録』5章)。
その右(南)側には二十四人の長老が座り、彼らは三つのグループに分かれて楽器を手にしています。

南壁上部には、白い馬、赤い馬、天使や聖人たちがいます。
『ヨハネの黙示録』6章
1: また、わたしが見ていると、小羊が七つの封印の一つを開いた。すると、四つの生き物の一つが、雷のような声で「出て来い」と言うのを、わたしは聞いた。
2: そして見ていると、見よ、白い馬が現れ、乗っている者は、弓を持っていた。彼は冠を与えられ、勝利の上に更に勝利を得ようと出て行った。
3: 小羊が第二の封印を開いたとき、第二の生き物が「出て来い」と言うのを、わたしは聞いた。
4: すると、火のように赤い別の馬が現れた。その馬に乗っている者には、地上から平和を奪い取って、殺し合いをさせる力が与えられた。また、この者には大きな剣が与えられた。

北壁上部には、天使、祭壇や人々の魂が描かれています。
『ヨハネの黙示録』6章
9: 小羊が第五の封印を開いたとき、神の言葉と自分たちがたてた証しのために殺された人々の魂を、わたしは祭壇の下に見た。
10: 彼らは大声でこう叫んだ。「真実で聖なる主よ、いつまで裁きを行わず、地に住む者にわたしたちの血の復讐をなさらないのですか。」
11: すると、その一人一人に、白い衣が与えられ、また、自分たちと同じように殺されようとしている兄弟であり、仲間の僕である者たちの数が満ちるまで、なお、しばらく静かに待つようにと告げられた。

主後陣の11世紀末の壁画は、かなり聖書に忠実に描かれていることがわかります。
さて、ソルソナ司教区美術館(Museu Diocesà i Comarcal de Solsona)には、10世紀の壁画のオリジナルも展示されています。
こちらは、十字架を描いたもの。十字架の円の中には、小さな旗で飾られた槍を携えた騎士がいます。

こちらは「オラント(祈る者)」を表したもの。ジグザグの文様で飾られた円の中に、チュニックを身にまとい両腕を伸ばした、ひげを生やした男性の姿です。円の上には、鷲または孔雀が描かれています。
サン・キルゼ・ダ・ペドレット(Sant Quirze de Pedret)教会といえば、この壁画をイメージするくらい、有名です。

7. 南小後陣の壁画(Museu Nacional d’Art de Catalunya)
南小後陣の壁画のオリジナルは、バルセロナ(Barcelona)にあります。
私が2019年9月5日にカタルーニャ美術館(Museu Nacional d’Art de Catalunya)に行ったときに撮影した、南小後陣の壁画をご紹介します。
おそらく11世紀末のもの。

「賢いおとめと愚かなおとめ」(『マタイによる福音書』25章)が描かれています。

窓の左側には賢いおとめたち、右側には愚かなおとめたちと擬人化された教会が、見事な筆致で描かれています。

Sant Quirze de Pedret。プレ・ロマネスク様式の建物が素晴らしいです。また、建物の一部にオリジナルの壁画と複製の壁画があります。
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