タルチオーナ(Talciona)

2019年GWの旅行五日目、五番目の目的地はTalciona。チェッダ(Cedda)から南に約5km、車で約12分の道のりです。

この場所での目的はタルチオーナのサンタ・マリア教会(Chiesa di Santa Maria a Talciona)。

Talcionaは、私の最終プランには無かった目的地です。グーグルマップを編集して訪問番号を加えました。

Ceddaを案内してくれたStefanoとTatianaが、見学を終える15時半頃「もし良かったら近くの他の教会も案内できるよ。次の予定まで時間あるの?」ときいてくれたんです。私は「次はアッバディア・イゾラ(Abbadia Isola)に行くんだけど、そこは18時まで開いてるはずだから、ぜひ!」とお願いしました。

そして二人がおすすめの教会二つを案内してくれることに。ありがたい😆

さらに(話が前後しますが)全て見学し終わったとき、Stefanoからこの本をもらいました。

訪問した教会を含め、ポッジボンシ(Poggibonsi)辺りの複数の教会についてStefanoが書いています。すごく参考になりました。私は教会を訪れるたびに、まめに案内掲示を探して写真に撮ってましたが、それらを大きく上回る、貴重な情報ばかり。

この本や現地で聞いて得た情報は太字で書きます。

見学に話を戻します。3人でStefanoの車に乗り込み、Ceddaを出発。私の次の予定を気遣うばかりに大急ぎで最短経路を走破してくれました。さすがStefano、運転技術もさることながら、地元の道に詳しい。

細い道をけっこうなスピードで突き進んでくれたんです。私は感動して助手席でシャッターを押しました。

Ceddaを出て12分かかるはずの場所まで、わずか7分で着いちゃいました。

到着すると教会の鐘楼が見えましたが、残念ながら、後陣は隣の家がくっついてて見えません。

グーグルマップの画像を私が編集しました

Stefanoは上の写真にある坂道に車を停めました。3人で車を降り、見学開始です。

教会の鐘楼は19世紀末の改築。年代が刻んであります。

教会の南壁と鐘楼

Talcionaは、ポッジボンシとカステッリーナ・イン・キアンティの間の尾根に位置し、ポッジボンセーゼ(Poggibonsese)の田園地帯の素晴らしいパノラマを一望できます。ここは少なくとも11世紀からの城。南壁の薔薇窓からは冬至の日に再生した太陽の光が教会の中に差し込みます。

西に回ってファサードへ。

西扉口を見て大興奮してしまいました。この、魅力ときたら。

西扉口

扉は残念ながら閉まっていました。この教会では毎週日曜の朝10:30から聖ミサがあるそうですから、日曜朝10時頃に来たら、中を見学させてもらえるかも。

本に載っていた教会内部の写真をお借りします。

本に載っていた教会内部の写真

素朴な石積み、ロマネスク好きな人にはたまらないことでしょう。

ファサードの上部はこうなってます。

上の写真では分かりづらいのですが、丸窓には実に細かい彫刻が。

丸窓の彫刻

丸窓の下には、よく似た彫刻があり、こちらには鳥がいます。中央が尖頭形なのでこれはゴシック様式という感じですが。

丸窓の下の彫刻

まぐさ彫刻は、拡大された顔や手のアルカイックな表現が後期ロマネスク様式と感じます。

場面は東方三博士の礼拝。

東方三博士がイエスの方を向いています。三人の手元は壊れてますが、恐らく贈り物を持ってたはず。

制作年として1234年と刻字してあります。

このヨセフ、なんだか元気ですよね。通常は頰に手をあてて物憂げな顔をしてるんですけど。

気に入ったので、ヨセフを、どん。

ヨセフを拡大

軽く笑みを浮かべてるようにすら、見えます。

さらに、このサンタ・マリア教会の主役である聖母マリアときたら、巨大です。ヨセフよりずっと大っきい。しっかりイエスの椅子になっています。

実は、私が一番気になったのは右端。

イエスの生誕の場面には牛とロバが描かれることが多いので、きっと牛でしょう。

気に入ったので、牛を、どどん。

牛を拡大

メロメロになりそうなくらい、愛らしい。

タルチオーナのサンタ・マリア教会(Chiesa di Santa Maria a Talciona)、ファサードの彫刻の愛らしさが、いつまでも心に残ります。

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