2023年5月9日（火）、最初の訪問地は Maestu。Ermita de la Virgen del Campo です。

ここは、勝利アーチの柱頭が素晴らしいです。また、内観では後陣の窓の柱頭、外観では持ち送りも良いです。

基本的に閉まっています。

私は事前に ÁLAVA MEDIEVAL / ERDI AROKO ARABA にメールしてプライベートツアーをお願いしました。マエストゥ（Maestu）とアライア（Araia）の2か所を巡るツアーです。プライベートツアーは€60でした。それに加えて、Vitoria-Gasteiz司教区に対して€36.3が必要でした。私は事前に€96.3を銀行振込しました。

私は ÁLAVA MEDIEVAL / ERDI AROKO ARABA の Sandra と Ander にとても感謝しています。2人とも、いつも、すぐに、そして丁寧に対応してくれました。そのうえ、難しいプライベートツアーを実現してくれました。

目次

Maestu へ　.
概要　.
平面図　.　.
東側外観（後陣窓）　.　.
南側外観（南扉口、軒下の持ち送り）　.　.
内観（勝利アーチの柱頭彫刻）

Maestu へ

夫と私はAirbnbから南東に約29km、30分ほど運転して、林の中にひっそりと佇む Ermita に着きました。

写真に写っている道の先には、墓地があります。

夫と私が着いたのは、10:00頃のことです。

プライベートツアーの開始時刻は10:30でした。私は、先に外観を見学したかったので、30分早く来ました。

概要

現地には案内が見当たりませんでした。プライベートツアーを催行してくれた ÁLAVA MEDIEVAL / ERDI AROKO ARABA による概要です。自動翻訳（DeepL）に助けてもらいながら、私が一部を抜粋して太字で和訳します。

Landako Andre Maria baseliza / Ermita de Nuestra Señora del Campo

この ermita は、一見すると一つの建物だが、実際には二つの建物から成っている。旧Santa Eufemia教会は、18世紀末に荒廃のため取り壊されたNuestra Señora del Campoに捧げられた別のermitaの豊富な資材を再利用して建て替えられ、祭壇画や聖人像などがここに移された。

それ以来、Nuestra Señora del Campoに捧げられることとなった。

この後も、ÁLAVA MEDIEVAL / ERDI AROKO ARABA を引用するときは太字で書きます。

平面図

現地には平面図が見当たりませんでした。Románico Digital による平面図です。東が右です。

さっそく、見学です。

東側外観（後陣窓）

後陣の窓は、とても簡素です。

ノコギリの葉のようなアーチと植物模様のアーチ、植物模様の柱頭があります。

南側外観（南扉口、軒下の持ち送り）

扉口は、南扉口だけです。

南扉口は、まるでシトー派の教会のように、簡素な装飾です。

南扉口と内陣、後陣の上に持ち送りがあります。

南扉口の上には、8個。

左から、1:男性の顔、2:円筒形、3:男性の顔、5:男性の顔、8:女性の顔、だと思います。

内陣と後陣の上には、11個。

内陣と後陣の上の11個のうち、気になったもの四つを拡大します。

10:口から葉を吐く男性、12:尻尾を咥える四足獣、だと思います。

四足獣は、日本昔ばなしに出てきそう。もし登場したら、おおかた、いたずらキツネですな。

15:男性の顔、19:怪物の顔、だと思います。

怪物の鼻の穴から出ているものが何なのか、私は気になります。

内観（勝利アーチの柱頭彫刻）

予約時刻より10分以上早くに、鍵を持った婦人が来ました。婦人が鍵を開けていると、教区司祭も、ÁLAVA MEDIEVAL / ERDI AROKO ARABA の Ander も来ました。私が Ermita を訪問できるのは、この人たちのおかげ。私は厚くお礼を言いました。

Ermitaの中に入ります。

後陣の窓の柱頭彫刻をみます。

北側の柱頭は、中央上部に人の顔があり、その周りに植物が描かれています。

南側の柱頭は、中央に果実のような不思議な形があり、その周りに植物が描かれています。この不思議な形、何でしょうねえ？

勝利アーチの柱頭彫刻をみます。

Ermitaに備え付けの照明が点かなかったので、持参した投光器が役に立ちました。

身廊の西端にロフトがあり、夫がロフトから投光器を使って柱頭を照らしてくれました。

勝利アーチの南側の柱頭：有翼の生き物が、2匹、描かれています。首にトサカのようなものがあり、尻尾の先が開いています。彼らは、グリフォンかもしれません。太い足でしっかりと立ち、自分自身の尻尾をつついています。

中に入ると、勝利アーチの柱頭が際立ち、翼のある空想上の動物のモチーフが支配的である。一方では、一組のカップルが向かい合っており、もう一方では、同じカップルがチュニックを着た人物を挟んでいる。

このシンプルな輪郭の人物は誰なのか？
ここで疑問が出てくるのだが、神話上のマケドニア王を見ている可能性もある。

2匹の生き物がグリフォンだとしたら、このチュニックを着た人物は、もしかして、アレクサンドロス大王なのでしょうか。

フィデンツァ（Fidenza）などに描かれるアレクサンドロス大王は、グリフォンがひく籠に乗っています。確か、オトラント（Otranto）の床モザイクでは、アレクサンドロス大王はグリフォンの背に乗っていました。

こちらの柱頭では、中央の人物は、籠にもグリフォンの背にも乗っていませんから、決め手に欠けます。

そもそも、グリフォンかどうかも不明です。バシリスクかもしれません。そして、チュニックを着た人物は怪物によって両耳を塞がれている、何者でもない人かもしれません。

でも、もしアレクサンドロス大王だったら、面白いです。なぜここに彫られたのか、想像すると楽しいです。

Ermita de la Virgen del Campo。勝利アーチの柱頭が素晴らしいです。また、内観では後陣の窓の柱頭、外観では持ち送りも良いです。

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