アライザ(Alaitza)

2023年5月6日(土)、二番目の訪問地は Alaitza。Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción です。

ここは、内陣と後陣に謎の絵画群があります。強烈で異様。心を鷲掴みにされます。

2023年5月現在、訪問はガイドツアーのみ。土曜と日曜の11:30です。Oficina de Turismo de la Cuadrilla de Llanada(電話:945 302 931)に申し込みます。

私が予約した5月6日(土)のガイドツアーは、以下のスケジュールでした。
11:00 Iglesia de San Martín de Tours en Gazeo
11:30 Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción de Alaitza
(GazeoとAlaitzaのガイドツアー料金は€4)

行きたい人は、以下の二つの教会を追加できます。
13:00 Iglesia de la Natividad de Nuestra Señora en Añua
13:30 Iglesia de San Martín de Tours de Arbulo
(Gazeo、Alaitza、AñuaとArbuloのガイドツアー料金は€7)

夫と私は四つ(Gazeo、Alaitza、AñuaとArbulo)全部に行きましたが、私が最も行きたかった教会は、ここ、Alaitzaです。

目次

Alaitza へ .
概要 .
平面図 . .
外観(二重の南扉口) . .
内観(身廊と南側廊)
内観(絵画)  .

Alaitza へ

ガゼオ(Gazeo)からAlaitzaへの移動は、各自の車です。ガイドの車が先頭になり、その後を参加者たちの車が連なりました。

夫と私も参加者の車の列に加わり、南に約4km、6分ほど運転して、小さい村の教会に着きました。12:10頃のことです。

南側外観

広場からは、南側の増築部分があるために、ロマネスク様式の後陣が見づらいです。

概要

現地に案内掲示とQRコードがありました。自動翻訳(DeepL)に助けてもらいながら、私が一部を抜粋して太字で和訳します。

Andre Mariaren Jasokundearen eliza / Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción

Alaitzaという小さな村に、バスク地方で最も驚くべき教会のひとつがある。外から見えるのは、二つの身廊とポルティコ、半円形の後陣を持つシンプルなロマネスク様式の教会である。しかし、本当の豊かさはその内部にあり、その内部には、答えの出にくい謎となっている豊かな絵画群がある

絵画の発見
1980年代初頭、地元の教区司祭Juan José Lecuonaは、はしごを持ち、ナイフを片手に後陣の窪みを覆っていた石灰の白い層を削り取り始めた。驚いたことに、馬のシルエットが現れ
大きな絵の存在を示唆した。やがて教会の修復が始まり、今日見ることのできる絵画群が姿を現した。失われた部分(19世紀に窓が開けられるなど、後に破壊された部分)には、よりオレンジがかった塗料が塗られ、介入部分を見分けることができるようになり、その結果、装飾の発展が視覚的に完成した。

この後も、QRコードの案内を引用するときは太字で書きます。

平面図

現地には平面図が見当たりませんでした。Románico Digital による平面図です。東が右です。

Románico Digital による平面図

さっそく、見学です。

外観(二重の南扉口)

二重の南扉口から教会の中に入ります。

二重の南扉口

南扉口は12世紀から13世紀のもので、厳格で簡素な装飾があります。

この厳格な扉口の向こうに、あの強烈な絵画群があることは、想像もできません。

内観(身廊と南側廊)

2身廊。身廊は南側廊よりも大きいです。

身廊にて東を向く

考古学的な調査が行われていないため、これらの身廊が同じ時代のものなのか、あるいは、隣接する身廊が後期のものなのかを判断するのは難しい。南側廊の祭壇画は17世紀末のもので、被昇天の聖母に捧げられているが、当初は主祭壇にあり、絵画の一部を隠していた。

内観(絵画)

内陣と後陣の絵画をみます。

なんとも異様です。

内陣と後陣の天井

案内を大雑把にまとめると、絵画は少なくとも二つの段階で描かれたと考えられています。第一段階は12世紀に上部に描かれ、第二段階は14世紀から15世紀に下部に描かれたと推定されています。その境目は植物模様が施された迫元です。迫元は、後陣の黒い文字の真上にあります。黒い文字は、Mollà i Alcañizの調査によると、15世紀中頃のものです。

黒い文字

QRコードの案内は、12世紀に描かれたと考える理由について、このように述べています。

12世紀から13世紀にかけてのÁlavaの教会は、白い石灰漆喰で仕上げられており、その上に黄土色やオークル色の装飾が施されていた。この装飾は、Legarda、Gopegui、Añua、Arbulo、Obécuriなどで見ることができる。

この地域に保存され、おおよその年代が判明している同様の特徴を持つ建物と比較することで、教会内の絵画の大部分が12世紀に描かれたものであることが確認できる。

加えて、兵士たちが装備している武器は、12世紀という年代に合致していることがわかる。

兵士たち

12世紀に描かれたとする説に対して、14世紀に描かれたとする説もあります。私は、古くても12世紀末かな、と感じます。騎士の持つ盾の上部が、丸くなく、平らだからです。12世紀後半から使われ始めたヒーター・シールド(Heater shield)に見えます。

さて、上部の絵画をみます。

後陣の中央には、城が描かれています。城の左右には騎士や兵士がいます。

城中の兵士たちは、矢や槍などで城を守っています。

後陣の絵画

城から線が伸びて、教会につながっています。2人の人が亡くなった人を教会に運んでいます。教会の鐘楼の下には、鐘を鳴らす人がいます。

後陣の絵画

こちらは、頭上に王冠をいただき、豪華な衣装を身につけているような騎士。

後陣の絵画

王冠をいただく騎士の上には、シカ、武器を手にする人、ケンタウロスが描かれています。

後陣の絵画

城の右には、裾の長い衣装の、細い人たちがいます。女性たちのようです。

後陣の絵画

内陣の南側をみます。

いちばん下に動物たち。

その上に、十字架をもつ3人の人。

その上に、右手に角笛を持ち腰に剣を携える人がいます。

内陣南の絵画

内陣の北側をみます。

いちばん下に4人の騎士。

内陣北の絵画

4人の騎士の隣には、出産する女性がいます。

内陣北の絵画(出産する女性)

出産する女性と4人の騎士の上では、手に丸い物を持った5人の人物が教会に向かっています。

教会の上では、剣を持った男性が、ベッドに横たわっている人物に、襲いかかっています。

内陣北の絵画(襲いかかる男性)

どの絵画も、何か深い意味を伝えているのかもしれませんが、謎に包まれています。

Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción。ここは、内陣と後陣に謎の絵画群があります。強烈で異様。心を鷲掴みにされます。

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