2022年12月11日(日)、三番目の目的地はCampiano。Pieve San Cassiano In Decimoです。
ここは、教会内の南壁に置かれている中世初期の遺物、鐘楼、ファサードが素晴らしいです。
毎日8:30-17:00に開いています。毎週日曜10:00-11:00は聖ミサがあります。(2022年現在)
目次
Campiano へ .
概要 .
ファサードと鐘楼 .
後陣 .
内観全体 .
石棺 .
南壁(中世初期の遺物) .
アルファベットは、基本的に全てイタリア語です。
Campiano へ
私はルーゴ(Lugo)から南東に約50km、45分ほど運転して、静かな村に着きました。11時半頃のことです。
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聖ミサは、もう終わったようで、人も車も少なくなっていました。
概要
現地には案内はみあたりませんでした。ラヴェンナの公式観光情報サイトによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
ラヴェンナの中心部から南へ約14キロ、Campianoという小さな村の近くに、PIEVE DI SAN CASSIANO “IN DECIMO “が周囲の田園地帯の中に建っている。
ラヴェンナとエミリア街道を結ぶために作られた旧ペトロサ(Petrosa)街道沿いにあるこの教会は、その名前に「10マイルの距離」、つまり街道の起点である Forlimpopoli から教会までの物質的距離を冠している。
4世紀の殉教者、聖カシアヌスに捧げられたこの教会は、この地方の聖人伝の伝統によく合致している。その証拠に、Basilica di Sant’Apollinare Nuovo のモザイク画には、この殉教者が描かれている。
Pieve の起源
Pieve の最古の証拠は、紀元9世紀にさかのぼる。当初の配置を保ちつつも、時代とともに18世紀まで、何度も改築が続けられた。
この小さな教会は、ラヴェンナ地方で繰り返し見られるモデルとは建築構造が異なり、単一の身廊を持ち、内部は大きな半円形の後陣で終わり、外部は多角形である。
この後も、教会のウェブサイトを引用するときは太字で書きます。
ファサードと鐘楼
ファサードの上部には、レンガで飾られたビフォラ(開口部が二つの窓)があり、12世紀のものである。
ビフォラの周りの装飾も簡素ですが美しいです。
ビフォラの横と下の一部は、石をオプス・スピカトゥムで積んであります。日本語で谷積みと言うんですかね、ジグザグのやつ。
また、ビフォラの上は、石をノコギリのように並べてあります。
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左隅には、6層の窓で飾られた四角形の鐘楼(10世紀)がそびえている。
伝統的に「ラ・バルトッラ(la Bartolla)」という名で知られている(当初は女性像と考えられていたが、実際には男性の異教神であるアポロンが描かれていた)。
Bartolla は女性につける名前です。
ラヴェンナの辺りでは円形が典型的な印象ですが、この鐘楼は四角形。
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また、壁面にはビザンチン時代の多色陶器があり、これは「bacini」と呼ばれるトスカーナ地方の教会建築に典型的な装飾形態であることから、この地域の他の建築物とは一線を画している。
bacini は複数の水盤や深皿を意味します。
特徴的で、美しい鐘楼です。
後陣
後陣は外側から見ると五角形です。
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教会の中に入ります。
内観全体
広い単身廊。
ファサード裏には鐘楼の基部があります。
漆喰がなく、石肌が残っているところ、好きです。
石棺
南西の端に、石棺があります。
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翌日、12月12日にラヴェンナの Mausoleo Di Galla Placidia に行きましたら、似た特徴を持つ石棺がありました。これは、3世紀頃の異教の様式の特徴があるそうです。
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もしかしたら、ここ Campiano の石棺も、3世紀頃の異教時代のものかもしれません。
南壁(中世初期の遺物)
南壁には、中世初期の興味深い遺物があります。
こちらはもっと時代が下って、中世初期頃のようです。
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こちらは、尾羽の様子からして、孔雀のようです。
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私はこういうの大好きです。
実は、似たような彫刻を持つチボリウムを見ました。(Basilica di Sant’Apollinare in Classe です。次回に行きます。)
![](https://emiliaromanica.com/wp-content/uploads/2023/06/IMG_4388-300x152.jpeg)
この断片も、チボリウムだったのかもしれません。
Pieve San Cassiano In Decimo。教会内の南壁に置かれている中世初期の遺物、鐘楼、ファサードが素晴らしいです。
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