ブッシ・スル・ティリーノ(Bussi Sul Tirino)

2022年12月1日(木)、三番目の目的地はコルフィニオ(Corfinio)でした。でも、道中でロマネスク教会が見えたので、停車し、見学したのが、Bussi Sul Tirino。Chiesa di Santa Maria di Cartignano です。

ここは、廃墟となった、もと修道院です。薔薇窓が美しく、柱頭と後陣の持ち出しに簡素な彫刻があります。

目次

Bussi Sul Tirino へ .
概要 .
外観:西側(ファサード) .
外観:身廊 .
外観:東側(後陣) .

アルファベットは、基本的に全てイタリア語です。

Bussi Sul Tirino へ

私は、カペストラーノ(Capestrano)から、ティリーノ(Tirino)川沿いに南に約5km、6分ほど運転したとき、右に、廃墟となった教会が見えました。13:45頃のことです。

右に、廃墟となった教会

駐車スペースもあるし、ちょっと見ていくことにしました。

概要

案内板の概要です。一部を抜粋して太字で和訳します。

この教会に関する最も古い記述は、1024年に書かれた文書である。この時、教会はすでにモンテカッシーノのベネディクト会修道院の管轄下にあった。その後、寄進は増え続け、1065年の文書に見られるように、一人の修道士が教会を管理する単純な修道院から、多くの建物からなる重要な修道院となった。

14世紀後半には修道院の活動は衰退。19世紀には、山崩れや度重なる地滑りによって大きな被害を受け、完全に放棄された。

1968年から1969年にかけて、埋もれていた瓦礫が取り除かれ、建造物が露出した。教会は、修道院全体の中で現在見ることができる唯一のものである。12世紀に古い建物の上に建てられ、13世紀の最初の20年間に部分的に改築された。

内部には、アルマニーノ・ダ・モデナ(Armanino da Modena)の署名があり、1237年に描かれたフレスコ画「デイシス」が収められていた。現在はラクイラのアブルッツォ国立博物館(Museo Nazionale d’Abruzzo dell’Aquila)に所蔵されている。

12月4日にラクイラのアブルッツォ国立博物館(Museo Nazionale d’Abruzzo dell’Aquila)に行き、探したのですが、展示されていないようでした。

外観:西側(ファサード)

北寄りの西なのですが、西側ってことで話を進めます。

ファサードには、シンプルで美しい薔薇窓があります。

ファサード

外観:身廊

三身廊です。

南東を向く

柱頭に少しだけ装飾があります。

北西を向く

魚。

柱頭彫刻

丸みがあって、かわいいです。

外観:東側(後陣)

後陣は、ひとつ。

東側外観(後陣)

ふと思ったんですが、こういう小さい盲アーチの連なったもののことを、英語だと”lombard band”と呼びますよね。

でも、イタリア語では、ロンゴバルドに関連づけて呼ばないように思います。

私が用語集に使ったテキストにも、この教会の案内板にもarchetti pensili”と書いてありました。直訳すると「つり下げ小アーチ」のような意味です。

archetti pensili

つり下がった先の部分に装飾があります。

あの石のことは、イタリア語だとペドゥッチョ(peduccio)と呼びます。アーチや丸天井を支える出っ張った石のことで、伊和辞典では「持ち出し」と訳してありました。

ちなみに、伊和辞典には、ペドゥッチョ(peduccio)について「豚の足」って意味も書いてあります。

豚の足、確かにそんな感じかも。かわいい。

見学の終わりに

Chiesa di Santa Maria di Cartignano。廃墟となった、もと修道院です。薔薇窓が美しく、柱頭と後陣の持ち出しに簡素な彫刻があります。

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