2022年8月28日(日)、最初に訪れたのはSaint-Pierre-Eynac。Église Saint-Pierre です。
ここは、12世紀のロマネスク建築が残ります。漆喰で塗りこめられることなく、石肌があらわなので、構造を実感できます。
Saint-Pierre-Eynac へ
夫と私は宿から南東に30分ほど車を運転して、山の中の村に着きました。11時頃のことです。
教会の東も南も大きめの駐車場になっています。
Église Saint-Pierre の概要
教会の外に案内板がありました。一部を抜粋して太字で和訳します。
1070年、シャプタイユ(Chapteuil)とエナック(Eynac)の領主であったドラギネ(Draguinet)が小修道院を設立。現在ラ・シェーズ・デュ(La Chaise-Dieu)として知られるベネディクト会大修道院の管理下に置かれるようになった。1043年に設立されたこの大修道院は、当時すでに300人以上の修道士を抱え、オーヴェルニュ地方のあらゆる名家から重要な寄付を受けており、非常に大きな影響力を持っていた。
その庇護を受けるサン=ピエール小修道院には、おそらく数人の修道士と、同時に十分の一税と土地からの収入を徴収し、母なる大修道院に納める司祭、そして教会と祭典の円滑な運営を管理する聖職者がいたのであろう。
現在の教会の場所には、11世紀の時点で、修道院の設立に由来する最初の教会があったことを示す文書が残っている。しかし、この教会の遺構は現在では残っていない。現在の教会の最も古い部分は、12世紀後半に作られたものである。
主構造を構成する砂岩は、近くの鉱床から産出されたものである。柱頭はより繊細なカットを可能にする花崗砂岩で作られている。
当初のプランは非常にシンプルで、三つの柱間からなる単一の身廊とクワイヤがあり、優雅な五角形の後陣がある。現在では数多くの増築が見られるが、それらを出現順に確実にリストアップすることはできない。
フロアプラン
教会の外の案内板にフロアプランがありました。南が上です。
灰色の線がオリジナル、黄色い線が増改築された部分です。
外観をみます。
Église Saint-Pierre の外観
後陣は五角形なんですが、一番右端(北側)の窓のアーチだけ三葉の装飾があります。
なんでここだけ?と思いますが、理由はよくわかりません。
主扉口は通りに面した北側にあります。
教会の中に入ります。
Église Saint-Pierre の内観:全体
もとは、シンプルな構造で、単一身廊で柱間は三つ。
いくつか柱頭彫刻があります。
植物と人の組み合わせ。
第一柱間の上にロフトがあるので、あがってみました。
漆喰が塗られてなくて、石肌があらわになっているので、ロマネスク様式の樽型アーチ構造がしっかり見えます。
今更なから、樽型アーチと樽型アーチの間にある、壁のアーチの構造を見て、機能美を感じてしまいました。(わかりやすいかなと思うので、壁のアーチに赤線を描きました。)
壁のアーチがあるおかげで、その下に空間をつくっても、壁が崩れないんですねえ。
石にほれぼれ。
Église Saint-Pierre。12世紀のロマネスク建築が残ります。漆喰で塗りこめられることなく、石肌があらわなので、構造を実感できます。
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