2023年8月10日(木)、四番目に訪れたのは Giornico、Chiesa di San Nicolao です。
ここは、地下聖堂、ファサード、南扉口、洗礼盤が素晴らしいです。
目次
1. Giornico へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
4-1. 南扉口 .
4-2. ファサード .
5. 内観 .
5-1. 洗礼盤 .
5-2. 地下聖堂 .
1. Giornico へ
私はビアスカ(Biasca)から北西に約10km、14分ほど運転して、静かな村の教会に着きました。14:45頃のことです。
背後に美しい山並みが広がり、鐘楼が美しいです。
鐘楼が美しいといえば、Chiesa di San Nicolao の北西約400メートルの丘の上に、もうひとつロマネスク様式の鐘楼があります。
Chiesa di Santa Maria del Castello です。
こんな近い距離に美しい鐘楼が並ぶ様子を見られるのは、この地域だからこそと思います。
2. 概要
教会の内に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
12世紀に建てられたこの教会は、15世紀に閉鎖されたベネディクト会修道院の一部であった。その小さな修道院(priorato)の誕生は、Biella と Torino の間にある有名な abbazia di San Benigno di Fruttuaria の修道士たちによるとされる。
この後も、案内掲示を引用するときは太字で書きます。
3. 平面図
現地には平面図は見当たりませんでした。ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Suisse romane』による平面図です。東が上です。
では、見学しましょう。
4. 外観
4-1. 南扉口
南側をみます。
奇妙なつくりです。
南壁には2本の大きな角柱があります。角柱はアーチを支えていて、アーチの上に小さな切妻屋根があります。
もしかすると、柱廊式小玄関(protiro)として設計されたものかもしれません。
切妻屋根を頂くアーチの下に、もう一つアーチがあります。
迫石は不揃いなのに、見事なアーチ。
良いわね、良いわね。
柱頭彫刻は細長いです。
簡素な彫刻もいい感じ。
おお、この人たち、素敵です。
私は、南扉口を好きになりました。
4-2. ファサード
西側に行ってファサードをみます。
ファサードも、なんだか奇妙です。
体が半分くらい西壁に埋まっている生き物が2匹います。
なぜ埋まっているのか、わかりません。
両方とも、背中に柱か何かを背負っていたような跡があります。
もしかすると、柱廊式小玄関(protiro)として設計されたものかもしれません。
柱頭彫刻は、細長いものと短いものがありますが、南側に一つ多いんです。なんで?
柱頭を持つ柱を支えているのは、たぶん、ライオンたちです。
ライオンたちは、ずんぐりむっくりで、愛嬌があります。
ライオンたちの隣には、小動物たちがいます。
ウサギかな、と思います。
5. 内観
教会の中に入ります。
後陣は、後期ゴシック様式のフレスコ画で覆われており、1478年の作で、主にティチーノ州で活躍した画家 Nicolao da Seregno の署名がある。
身廊の左側の壁には、ロマネスク絵画の断片があり「最後の晩餐」の絵が残っている。南壁には、修道士、司教、聖クリストポルスの像が残っている。
フレスコ画については割愛します。
5-1. 洗礼盤
入口を入ってすぐ左手には、近くの聖ミカエル教区教会にあった貴重な12世紀のロマネスク様式の洗礼盤があり、長い間、村の噴水として使われていた。一塊の石から彫られた珍しい六角形の形をした水盤で、洗礼の秘跡に関するシンボルを描いた浮き彫りで装飾されている。
六つの面のうち、四つの面に浮き彫りがあります。
十字架、九つのロゼッタ、子羊、鳩、山羊、だと思います。
貴重なお宝です。
5-2. 地下聖堂
地下聖堂に行きます。
入り口では、2頭の生き物が牙を剥いています。
でも、怖くありません。むしろ、かわいい。
幾何学模様。
生き物たちが楽しい。
二股人魚は見当たりませんでしたが、ヤギやヘビが「悪」を象徴しているのかも。
向かいあうライオンかな、と思います。
目も耳も体つきも丸くて、かわいい。
Chiesa di San Nicolao。地下聖堂、ファサード、南扉口、洗礼盤が素晴らしいです。
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