2025年7月29日(火)、最初に訪れたのはCardona、サン・ビセンツ教会(Col•legiata de Sant Vicenç)です。
ここは、11世紀のカタルーニャ建築の傑作です。
2025年、教会は以下の日程で開いていました。有料(€5)でした。
6月から9月は火曜から日曜(祝日を含む)の10:00~19:30
10月から5月は火曜から日曜(祝日を含む)の10:00~17:30
ただし、1月1日と6日、12月25日と26日は閉まりました。
目次
1. Cardona .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観(ナルテックス) .
6. 内観(上部教会) .
7. 内観(地下聖堂) .
1. Cardona
カルドナ(Cardona)は、カタルーニャ州バルセロナ県にあり、州都であり県都であるバルセロナの約65km北西に位置します。
教会は、要塞が聳える丘の最東端にあります。
案内板に案内図がありました。ℹ️に受付があります。4️⃣が教会(Col•legiata de Sant Vicenç)です。

2. 概要
受付でもらったリーフレットによる概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
城(Castillo de Cardona)
カルドナ城は、カタルーニャで最も重要な軍事要塞のひとつである。カルダネー(Cardener)川渓谷の一部を見下ろす丘の頂上に位置し、その起源はカルドナ塩田で採れる貴重な塩を守る必要性に遡る。
この城が初めて文献に登場するのはカロリング朝時代(8世紀)であり、その戦略的な位置から、アル=アンダルスの領土征服における重要な拠点となった。その後、カタルーニャ諸侯国の形成期において、バルセロナ伯はカルドナに2通の特権状を授与し(9世紀および10世紀)、カルドナ子爵領の成立を推進した。これがカルドナ家の起源であり、やがて同家はカタルーニャ貴族の中でも最も強力な家系のひとつとなった。彼らは子爵、伯爵、公爵の称号を授かり、この城を領地の中心とした。塩の収益による富により、彼らは「王冠なき王」として知られるようになった。その富の証として、城郭内にはカタルーニャ・ロマネスク芸術の傑作であるサン・ビセンツ教会が建てられた。
17世紀以降、中世の城は砲撃に耐えうる近代的な要塞へと変貌し、収穫人戦争、継承戦争、独立戦争において重要な役割を果たした。継承戦争(1702-1715年)中、この城は1711年のブルボン家による包囲に耐え、1714年9月18日まで降伏しなかったため、「カタルーニャの自由の最後の砦」として知られている。こうした理由から、カルドナ城はカタルーニャの軍事要塞史における唯一無二の例である。
サン・ビセンツ教会(Col•legiata de Sant Vicenç)
カルドナ城のサン・ビセンツ教会は、11世紀のカタルーニャ建築の傑作と見なされている。その構造は、いわゆるロンゴバルド・ロマネスク様式の建築的要素を集約している。
建物は三つの身廊、ドームで覆われた交差部と翼廊、そして主後陣と二つの小後陣からなる。身廊では、その高さから際立つ主祭壇と、カルドナ子爵たちが典礼を見守っていた観覧席が注目される。また、回廊、入口の手前にあるギャラリー、そしてアーチ型の天井と柱頭で飾られた柱を持つ地下聖堂も注目に値する。
最古の記録は10世紀末の文献で、城内の礼拝堂について言及している。この礼拝堂が、12世紀半ばにカルドナ家の後援のもと、現在の形となった。
ベルモン(Bermon)、フォルク1世(Folc I)、エリバウ(Eribau)の子爵らは、この建築群の改修を推進し、サン・ビセンツ教会を後援するとともに、城をカルドナ家領地の中心とした。1040年に奉献されたこの教会は、その後装いを整え、聖職者(canónigos)の共同体を迎え入れ、後に世俗の参事会教会(colegiata)となった。
サン・ビセンツ教会はカルドナ家の家廟であり、同家の23名が、当初は回廊に、その後13世紀から16世紀にかけては内部に埋葬された。現在、ジョアン・ラモン・フォルク伯爵(1375-1442)とフェラン1世公爵(1513-1543)の墓が保存されている。
ナルテックスの交差ヴォールトは、12世紀に、キリストの栄光像を中心とする一連のロマネスク様式の壁画で装飾された。両側には、神殿奉献、聖母被昇天、そしてキリストの鞭打ちの場面が描かれている。
その後、14世紀に、ジローナ市を防衛した1285年の戦いを再現した絵画が加わり、一連の絵画群が完成した。この前廊に壁画が存在したことから、この空間は一般に「絵の描かれたポーチ」として知られるようになった。現在の絵画は、カタルーニャ国立美術館(MNAC)に所蔵されている原画を忠実に再現したものである。
この後は、案内板を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内板による平面図です。東が上です。

教会部分だけを切り取ります。

ナルテックスは、その南北に螺旋階段があります。螺旋階段をのぼると、上階のトリビューンに行くことができます。
4. 外観
北東に行きます。
三後陣、翼廊と八角形の鐘楼が美しく聳えています。

南東に行きます。
三後陣の盲アーチと付け柱が美しいです。
南北小後陣にはM字型の盲アーチ、主後陣には窪みのある盲アーチが並んでいます。この特徴は、サン・マテウ・ダ・バジェス(Sant Mateu de Bages)を思い出します。

西に行きます。
西壁の五つのアーチの向こうに、ナルテックスがあります。

5. 内観(ナルテックス)
ナルテックスに行きます。
ナルテックスは、カルドナ子爵家の埋葬地であり、また、聖職者共同体の典礼行為に捧げられた空間でもあった。
天井や壁に絵画があります。
これらの絵画は、カタルーニャ国立美術館(MNAC)に所蔵されている原画を忠実に再現したものである。

この空間を彩る絵画群の中央には、福音書の著者を象徴する図像に囲まれた、威厳に満ちた「栄光のキリスト」像が鎮座している。その両側には、おそらく「神殿奉献」、「聖母被昇天」、「キリストの鞭打ち」が描かれている。
12世紀半ばに制作されたとされるこれらの絵画には、当時カタルーニャ中部で主流であったフランス派の様式の影響が見られる。その後、14世紀に、1285年のジローナ防衛戦の歴史を描いた絵画が加わり、絵画群が完成した。
このナルテックスに壁画が存在したことから、この空間は一般に「彩られたポーチ」として知られるようになった。
これらの壁画は、1958年に教会堂の修復工事中に発見された。「ストラッポ」技法を用いて壁から剥離させ、木枠に張ったキャンバスに転写することで、建築構造を模した形で保存されている。
壁から剥がされたオリジナルは、カタルーニャ美術館(Museu Nacional d’Art de Catalunya)にあります。
ご紹介する写真は、私が2019年9月5日にカタルーニャ美術館(Museu Nacional d’Art de Catalunya)で撮影した原画です。

左(北)の天井には「神殿奉献」(『ルカによる福音書』2章)、壁には1285年のジローナ防衛戦の場面があります。
ジローナ防衛戦だけは、14世紀の絵画です。

右(南)の天井には「聖母被昇天」、壁には「キリストの鞭打ち」(『マタイによる福音書』27章、『マルコによる福音書』15章、『ルカによる福音書』23章、『ヨハネによる福音書』19章)が描かれています。

6. 内観(上部教会)
教会の中に入ります。

側廊は、とても狭いです。

主後陣は、窪みと付け柱が美しいです。

7. 内観(地下聖堂)
地下聖堂に行きます。
地下聖堂は内陣の下にありますが、その内陣は階段をのぼった上にあります。このような造りは、イタリアに多いように思います。

サン・ビセンツ教会(Col•legiata de Sant Vicenç)。11世紀のカタルーニャ建築の傑作です。
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