2024年8月27日(火)、二番目に訪れたのはÁvila、Basílica de los santos Vicente, Sabina y Cristetaです。
ここは、この町のロマネスク様式の偉大なモデルです。南扉口と西扉口、後陣と身廊に美しい彫刻があります。
2024年、教会は、月曜と水曜と木曜から土曜の10:00〜18:30、火曜の10:00〜13:30と15:00〜18:30、日曜の16:00〜18:00に開いていました。有料(€3)でした。
Ávila では、3か所に行きました。以下のように3回に分けて書きます。
<1> Iglesia de San Andrés
<2> Basílica de los santos Vicente, Sabina y Cristeta
<3> Catedral de Ávila
目次
1. Ávila へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 〜アビラ(Ávila)の城壁〜 .
5. 外観(南扉口) .
6. 外観(西扉口) .
7. 内観 .
1. Ávila へ
アビラ(Ávila)は、カスティーリャ・イ・レオン州アビラ県の県都で、首都マドリードの約87km北西にあります。
教会は、Iglesia de San Andrésの約200メートル南にあります。

三後陣が美しい。
2. 概要
Románico Digital による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
このバシリカは城壁の外側、約60メートル北東に位置する。教会の塔から、パロメケス(Palomeques)とオレホネス(Orejones)という二つの一族が、包囲戦の際に門と城壁を守るのに役立ったと言われている。しかし、両家は塔が敵の手に落ちるのを防ぐことに専念し、教会はせいぜい監視塔と望楼の機能を果たすだけだったと考える方が論理的である。この教会は、他のロマネスク建築よりも強固な建物であるようには見えないし、ファサードや塔の構造は、この建物の軍事的性格を裏付けるものではない。
教会の起源は4世紀、3人の殉教聖人に捧げられた寺院に遡ります。
それよりも確かなのは、この教会が崇拝の場を永続させ、3人の聖人の殉教地に建っているということである。伝承によれば、殉教後、聖人たちの遺体は洞窟に安置された。そこでユダヤ人が遺体を冒涜しようとしたが、まるで魔法にかけられたかのように改心し、殉教者に捧げられた寺院を建てたという。この出来事は、すべて4世紀に起こったこととしてダニエル・リコ(Daniel Rico)によって収集・分析された聖人伝で語られており、初期キリスト教の埋葬の考古学的発見によって確認されている。また、11世紀中頃の文献は、サン・ペドロ・デ・アルランサ(San Pedro de Arlanza)に聖人たちの遺骨を移したと記録している。
現在の建物は12世紀に遡ります。
再植民者たちは、礼拝の場を永続させたいと願い、センテ(Vicente)、サビーナ(Sabina)、クリステタ(Cristeta)の3兄弟が殉教し埋葬された場所に建てられたプレ・ロマネスク様式の建物の記憶と遺構が保存されていたこの場所に、12世紀に新しい教会を建てた。
サン・ビセンテは、アビラのロマネスク様式の偉大なモデルである。その建築と結びついているのは、南扉口と西扉口、後陣と身廊、そして聖人たちを記念して建てられた華麗な慰霊碑にある、バシリカが誇る印象的な彫刻のコレクションである。
この後も、Románico Digital を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
Románico Digital による平面図です。東が右です。

4. 〜アビラ(Ávila)の城壁〜
教会の西には、城壁があります。

現地にあった案内板にこう書かれていました。
古代末期である5世紀に築かれた城壁の原型を示す考古学的証拠を除き、この城壁は基本的に中世に築かれたものである。周囲2516メートル(面積33ha)、87の櫓、九つの門と二つの小門、2500のメーロンがあるこの城壁は、この種の城壁としては世界で最も保存状態の良い例である。旧市街は1985年にユネスコの世界遺産に登録された。

アビラ(Ávila)の城壁は、旧市街をぐるりと取り囲む、見事なつくりです。
5. 外観(南扉口)
教会の外観で注目したいのは、南扉口と西扉口です。
まず、南扉口をみます。
南扉口は、ロマネスク時代よりも後の時代につくられたポルティコの中にあります。

南扉口には、五つの人物像が違和感のある場所に配置されています。

現在、左(西)側には聖母と天使の像があります。
「受胎告知」(『ルカによる福音書』1章)だと思います。
聖母が手に書物を持ち、大天使聖ガブリエルの方を向いています。美しいロマネスク像です。
西扉口の彫刻に似ています。

現在、右(東)側には王と男女2人の像が見えるが、ゴメス・モレノ(Gómez-Moreno)によれば、この像が教会の守護聖人の姉妹の一人であるサンタ・サビーナ(Santa Sabina)である可能性があるという。 また、サンタ・クリステータ(Santa Cristeta)と同定できる、現在は失われている3人目の像について証言しており、1885年頃の写真には、像が置かれていたくぼみについた傷が写っている。(この傷は修復によって取り除かれた)。

左(西)側にある聖母と天使のグループ、右(東)側にある王と男女2人のグループ。二つのグループを比べると、衣装のひだの彫り方などから、別の親方の手によるもののようです。
6. 外観(西扉口)
西に行きます。

次に、西扉口をみます。

二つのティンパヌムには、「金持ちとラザロ」(『ルカによる福音書』16章)が描かれていると思います。
左(北)側のティンパヌムには、金持ちのぜいたくな食卓と、できものを犬になめられるラザロ。
19: ある金持ちがいた。いつも紫の衣や柔らかい麻布を着て、毎日ぜいたくに遊び暮らしていた。
20: この金持ちの門前に、ラザロというできものだらけの貧しい人が横たわり、
21: その食卓から落ちる物で腹を満たしたいものだと思っていた。犬もやって来ては、そのできものをなめた。

右(南)側のティンパヌムには、金持ちとラザロの両者が迎える、対極的な死の場面。

ティンパヌムを支えている柱のうち、中央にはイエスが描かれていると思います。ひときわ威厳のある姿だから、多分。
そして、左右の柱には、10人しか描かれていませんが、使徒たちが描かれているのかなと思います。
とても緻密な彫りです。

7. 内観
教会の中に入ります。

荘厳です。
内部では、身廊や後陣の柱頭に彫刻が残っています。

こちらの柱頭は、ハルピュイアかなと思います。

Basílica de los santos Vicente, Sabina y Cristeta。この町のロマネスク様式の偉大なモデルです。南扉口と西扉口、後陣と身廊に美しい彫刻があります。
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