ル・シャン=プレ=フロージュ(Le Champ-près-Froges)

2023年8月5日(土)、最初に訪れたのは Le Champ-près-Froges、Église Notre-Dame です。

ここは、ステンドグラスが素晴らしいです。

訪問するには電話予約が必要です。私は役場(Mairie)に問い合わせて二つの固定電話の番号を教えてもらいました。そのうち一つは、Googleマップに載っている番号です。(2023年8月現在の情報です。)

目次

1. Le Champ-près-Froges へ .
2. 概要 .
3. 内観(ステンドグラス) .
4. 外観(南扉口) 

1. Le Champ-près-Froges へ

私は Airbnb から、南西に約52km、38分ほど運転して、丘の上の教会に着きました。9:30頃のことです。

南西側外観

県境を越えました。前回に行ったサン=ジャン=ド=モーリエンヌ(Saint-Jean-de-Maurienne)はSavoie 73でしたが、ここはIsère 38です。

車は教会前の駐車場に停めました。

眺めが良いです。

教会前の駐車場

少しすると、教会の鍵を持つ Monsieur Rémy が来ました。優しそうな老紳士です。フランス語が下手な私にも分かるように、ゆっくり、わかりやすく話してくれました。

2. 概要

Monsieur Rémy から聞き取った話です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

12世紀に設立された小修道院(prieuré)の教会。フランス革命後、prieuré の建物と土地は国有財産として売却されたが、教会は例外であった。12世紀から21世紀までの間、教会は何度も改築と修理を繰り返した。

この後も、Monsieur Rémy から聞き取った話を引用するときに太字で書きます。

3. 内観(ステンドグラス)

教会の中に入ります。

私の目当てのステンドグラスはファサード裏にあります。

身廊にて西を向く

大きさは2.70 x 1.20mで、12世紀のステンドグラスである。Monteynard 家が1838年頃にこの教会に設置した。Monteynard 家が購入した、屋根が崩壊した修道院にあったものと言われている。

ステンドグラスは、赤、青、黄、緑、白などで鮮やかに彩られています。

三つのパネルで構成されています。

ステンドグラス

一番上は「キリスト昇天」(使徒言行録2章)が描かれています。

イエスは、復活から40日後に、天に昇ります。

一番上

(イエスが天に上げられたことについては、マルコによる福音書16章とルカによる福音書24章にも少し書いてあります。でも、詳しくありません。)

使徒言行録1章
3: イエスは苦難を受けた後、御自分が生きていることを、数多くの証拠をもって使徒たちに示し、四十日にわたって彼らに現れ、神の国について話された。
4: そして、彼らと食事を共にしていたとき、こう命じられた。「エルサレムを離れず、前にわたしから聞いた、父の約束されたものを待ちなさい。
5: ヨハネは水で洗礼を授けたが、あなたがたは間もなく聖霊による洗礼を授けられるからである。」
6: さて、使徒たちは集まって、「主よ、イスラエルのために国を建て直してくださるのは、この時ですか」と尋ねた。
7: イエスは言われた。「父が御自分の権威をもってお定めになった時や時期は、あなたがたの知るところではない。
8: あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」
9: こう話し終わると、イエスは彼らが見ているうちに天に上げられたが、雲に覆われて彼らの目から見えなくなった。

イエスの足元に文字が書かれています。

なんと書いてあるのか知りたくて、調べました。ゾディアック(Zodiaque) la nuit des temps の『Dauphiné Roman』によると、後ろの部分は判読できないけれど、初めの部分はこう書いてあるのだそう。

Tèrras linquentem quid cer | nitis alta petentem

「地上に求めるものは、天上で見出される。」

イエスの足元に書かれている文字

中央は上を見る使徒たち。

中央

一番下は「聖霊降臨」(使徒言行録2章)

使徒たちの上に、炎のような舌が分かれ分かれに現れています。

一番下
使徒言行録2章
1: 五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、
2: 突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。
3: そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。
4: すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。

五旬祭はユダヤ教の祝祭でもあります。数多くの人が集まっていた中、ペトロがイエスの死と復活、昇天の意味について語ります。ペトロの言葉を受け入れた人々は、洗礼を受けました。なんと、その日に三千人ほどが仲間に加わったんです。

ロマネスク様式のステンドグラス、素晴らしい作品です。

4. 外観(南扉口)

南扉口にもロマネスクが残っています。

南扉口

2本の柱に柱頭彫刻があります。

南扉口

12世紀頃のものかな、と思います。

南扉口

ちなみに、右(南)側の2階に小さな礼拝堂(聖十字架礼拝堂)があるんですが、、、

身廊にて東を向く

この礼拝堂に行くには、南扉口の近くにある外階段からアクセスします。

聖十字架礼拝堂に至る外階段

天井を見上げると、要石に紋章があります。

要石

要石に刻まれた紋章は、この礼拝堂が非常に古いものであることを示している。描かれている鷲は、サヴォワ伯爵家(Comtes de Savoie)のものを思わせる。

調べたら、鷲の紋章は11世紀前半から15世紀初めまで使われていた紋章でした。(15世紀以降は、いまもオート=サヴォワ県章として使われている「赤地に銀の十字架」だけが使われました。)

どうやら、高貴な人々のための礼拝堂だったようです。

見学を終え、私はお礼を言いました。Monsieur Rémy は穏やかな笑顔で「では、私に妻に会ってきます。」と教会の東に歩いて行きました。そこには、かわいらしい墓地があるのです。

Église Notre-Dame。ステンドグラスが素晴らしいです。

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