ル・ピュイ=アン=ヴレ(Le Puy-en-Velay)<2>

Cathédrale Notre-Dame-du-Puy、続きです。このページでは、⑤後陣外壁の装飾⑥西ポーチにあるPortes de cèdre⑦ファサードについて書きます。

⑤後陣外壁の装飾

赤丸の位置にあります。青矢印から行きます。

青い矢印で示した扉は、開放されていないので戸惑いますが、鍵はかかっていません。

扉を開けると、、、

あった!

上にある水平の装飾は、ガロ・ローマ時代の神殿の柱の上に使われていたもの。

話が前後しますが、翌9月7日に回廊を見学したとき動画を見ました。こんな風にローマ神殿を飾っていたそうです。

さらに目をひくのは、下にある動物の彫刻(2世紀または3世紀)と碑文。

碑文はおそらく12世紀のもので、「神の恵みにより、この泉は病人のために、ヒポクラテスの術の欠点を補う無料の代用療法となる。」みたいなことが書いてあります。

ガロ・ローマ時代の動物の彫刻

注目したいのは、碑文の上にあるS字を並べたような水平のフリーズ(4世紀?)。このケルト風の装飾は、<1>でご紹介した②南翼廊の東にあるPorche du Forのティンパヌムの上にもあります。

簡素で美しいです。

⑥西ポーチにあるPortes de cèdre

身廊の真ん中に穴があいていて、長い階段があります。階段は西ポーチを経由してファサード、さらに下の町並みにつながります。

身廊にて西を向く
撮影方向

身廊から階段を降りると、西ポーチの、身廊の三番目の柱間の下に該当する位置に、杉の木でつくられた Portes de cèdre があります。

北側の Portes de cèdre
北側の Portes de cèdre

Portes de cèdre は南北両側にあります。

南側の Portes de cèdre は、聖マルティヌス(仏:Saint-Martin)礼拝室への扉口だったもので、イエスの受難伝を描いています。

南側の Portes de cèdre

北側の Portes de cèdre は、聖アエギディウス(仏:Saint-Gilles)礼拝室への扉口だったもので、イエスの幼年時代を描いています。

北側の Portes de cèdre
北側の Portes de cèdre
北側の Portes de cèdre
北側の Portes de cèdre

劣化が激しいですが、現存する12世紀の木製装飾扉は、たいへん希少です。

(もとあった扉口から移動されているものを含めるなら、12世紀の木製装飾扉は、複数あります。例えば、シャマリエール=シュル=ロワール(Chamalières-sur-Loire)にも保存されていました。あちらはさらに劣化が激しかったです。)

12世紀には、さぞ美しい姿だったことでしょう。

⑦ファサード

西ポーチをさらに下って、振り返ると、ファサードがみられます。

様々な色の火山岩を幾何学的に組み合わせるオーベルニュ・ロマネスク様式のファサード。

どれだけの数の巡礼者を迎え入れてきたのかな、なんて思いながら撮影しました。

次回は、大聖堂を離れて、Chapelle Saint-Clair d’Aiguilhe について書きます。

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