2022年8月27日(土)、三番目に訪れたのはLe Monastier-sur-Gazeille。Église Saint-Chaffre です。
ここは、かつての名門大修道院です。11世紀から12世紀に最盛期を迎えた大修道院の付属教会は、石の色を使った装飾が素晴らしくて、愛嬌いっぱいの彫刻でうめつくされています。
Le Monastier-sur-Gazeille へ
夫と私はサン=クリストフ=シュル=ドレゾン(Saint-Christophe-sur-Dolaison)から南東に25分ほど車を運転して、門前町に着きました。13時頃のことです。
教会の中に入ります。
Église Saint-Chaffre の概要
教会の中に案内パネルがありました。一部を抜粋して太字で和訳します。
サン・シャッフル(またはサン・テオフレード)修道院は、5世紀末に設立され、フランスで最も古い修道院のひとつとされている。
11世紀、大修道院長ギヨーム3世(1074-1086)は、修道院教会、図書館、宗教的宝庫など、主要な工事を開始した。彼の後継者であるギヨーム4世(1084-1136)は、修道会を決定的に組織化。修道会は、大修道院、教会、礼拝堂、小修道院など235以上の所有物を持ち、15以上の教区、地中海南部やピエモンテにまでその勢力を広げた。12世紀から13世紀にかけて、多くの政変が起こり、伝統的な修道会は衰退。シトー、グランド・シャルトルーズ、托鉢修道会といった新しい組織が台頭するようになった。
11世紀から12世紀が最盛期だったということのようです。
フロアプラン
案内パネルにフロアプランがありました。東が上です。
Église Saint-Chaffre の内観
教会の中の、全体の様子。
柱頭彫刻があります。
柱頭彫刻
ライオンたち、身廊を挟んで隣にも、ライオンたち。
植物
生き物たち、グリフォンたち。
福音書記者のシンボルたち:マルコ(有翼の獅子)とヨハネ(鷲)、向かい側にルカ(有翼の雄牛)とマタイ(有翼の人)。
外観をみます。
Église Saint-Chaffre の外観:南側
バットレスを数えると、身廊に柱間が四つあることが確認できます。
石の色がきれい。
右(東)に視線を移動させると、南翼廊があります。
後陣を含めて南側全体が入るように、ずっと南に下がって、画質を落とします。
南翼廊につながっている小後陣は、古い構造。つけ柱といい、軒下のギザギザのフリーズといい、みていてうれしくなってきます。
さて、お楽しみの、ファサードをみます。
Église Saint-Chaffre の外観:西側
ファサード、もう、たまりません。
私は興奮して、つい、歓声をあげてしまいました。
まず、びっしり、みっちり、装飾してあることにびっくり。
切妻屋根の軒下にフリーズがあります。
向かって右は植物模様が多くて、途中から空想上の生き物を含め、動物が出てきます。
軒下フリーズの下に目をやると、石の色を組み合わせた細工が凝っています。
そして、軒下だけでなく窓の上のアーチにも浮き彫りが繊細に。
向かって左は、生き物たちの祭りのよう。
端から端まで、うめつくしています。
変な生き物賞をやるとしたら、この2体は候補に入りそう。
そして、変な生き物大賞は、これでしょう。
まるでロード・オブ・ザ・リングに出演していたゴラムです。”my precious”とか言ってそう。
石の色を使った装飾は二階部分にも続きます。カラフルさがすごい。
石で模様を描いています。
さらに、彫刻が奇妙で、かわいい。
これも。
こんな浮き彫りもはめこまれています。魂の計量。聖ミカエルの翼が最高です。
最後になりましたが、西扉口。
彫刻は摩滅して、全体的に黒ずんでいますが、アーチ部分の石の色を使った装飾や、フリーズや柱頭の繊細な彫刻が素晴らしいです。
Église Saint-Chaffre。かつての名門大修道院です。11世紀から12世紀に最盛期を迎えた大修道院の付属教会は、石の色を使った装飾が素晴らしくて、愛嬌いっぱいの彫刻でうめつくされています。
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