ショリア(Chauriat)<2>

2022年8月11日(木)、三番目に訪れたのは Chauriat。Église Saint-Julienです。

ここは、にぎやかな町の中心にあるロマネスク教会で、中を見るには役場(mairie)で鍵を借りる必要があります。教会の中には素晴らしい柱頭彫刻があります。

Chauriat へ

実は、ロワイヤ(Royat)の後に向かった教会はボーモン(Beaumont)という町にある Église Saint-Pierre でした。この教会は、あるネットに「Ouvert toute l‘année, tous les jours.」と書いてあったので行ってみたのですが、閉まっていました。役場に助けを求めましたが「いつもは毎日終日開いているのですが、8月13日まで閉まっています。」とのことでした。さらに日程をやりくりして、8月21日にも行きましたが、また閉まっていました。いつの日か、中に入ることができたら、その時にブログに書きます。

Église Saint-Julien(南西側外観)

私はボーモン(Beaumont)から東に24分ほど車を運転して、にぎやかな町につきました。15時頃のことです。

外観は、前日の8月10日(水)にワインを買った後で撮った写真です。

Église Saint-Julien の外観:全体

無事に役場で鍵を借りることができたので、この西扉を開けます。

Église Saint-Julien(西側外観)

錠がひどくかたくて、手が痛くなりました。

なんとか開いたので、大喜びで教会の中へ。

内側から鍵をかけ直すことは、あきらめました。手が痛くて。

でも、施錠しないままだと、あとから人がどんどん入ってきちゃうんです。

その人たちがものを壊したり盗んだりしないことを祈りながら、急いで見学を済ませないといけません。

Église Saint-Julien の概要

現地には概要(教会の歴史や建築)の案内は、みあたりませんでした。

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』による概要です。一部を抜粋して太字で和訳しつつ、私が撮った写真を載せます。

1016年から1026年にかけて、クレルモン司教ÉTIENNEとその一族は、ショリアの教会をソクシヤンジュ(Sauxillanges)の修道士に与え、そこに修道院を建てるようにした。
修道士らは、現在教区教会となっているサン・ジュリアン教会に居を構えた。

Église Saint-Julien(内観、身廊にて東を向く)

三つの身廊は、重厚な柱と、浮き彫りを施した古風な柱頭を持つ。11世紀に遡る(1050年頃?)。

Église Saint-Julien(内観、身廊にて南東を向く)

当時、身廊の上には、現在のものよりも高い樽型ヴォールトがあり、それをトリビューンが支えていたと考えられる(北側廊の上、屋根裏に遺構がある)。

Église Saint-Julien(内観、身廊にて北東を向く)

現在のヴォールトは、ひどく壊れているが、後年になってから作られたものである。

Église Saint-Julien(内観、交差部にて東上方を向く)

交差部は1150年頃に建てられたものと思われる。その構造は、主要な教会で使用されているものである。アーチと丸天井は、この種の建物としては例外的に尖頭アーチになっている。

柱頭
いくつかの工房がある。
最も不思議なのは、身廊の南側の2番目の柱にあるものだ。

Église Saint-Julien(内観、身廊南側の2番目の柱頭彫刻)

キリストが聖ペトロの足を洗い、テーブルクロスで覆われたテーブルの周りに座り、使徒たちがキリストを囲んでいる様子を描いたものである。

Église Saint-Julien(内観、身廊南側の2番目の柱頭彫刻、別角度)

テーブルとテーブルクロスは、最後の晩餐を連想させる。しかし、主は差し出されたパンと魚を祝福して満足している。したがって、少しのパンと魚で大勢の人に食事をさせる図でありながらも、聖体の秘跡を予言する図と捉えることができる。

Église Saint-Julien(内観、身廊南側の2番目の柱頭彫刻、別角度)

さらに、翼を広げた天使が二人の女性に語りかける。復活の暗示か?

Église Saint-Julien(内観、身廊南側の2番目の柱頭彫刻、別角度)

他の柱頭は、ハープを弾くロバ=愚かさ、

Église Saint-Julien(内観、ハープを弾くロバの柱頭彫刻)

山羊に乗る男=欲望、

Église Saint-Julien(内観、山羊に乗る男の柱頭彫刻)

悪魔と戦う天使、などである。

Église Saint-Julien(内観、悪魔と戦う天使の柱頭彫刻)

外観は、交差部のペディメント(切妻屋根の三角形の部分)が色石で著しく装飾されているが、これはマレイ(Mallay)によってかなり控えめに修復されたものである。一方、南壁は、すべて彼の考案によるもので、それがよく表れている。

Église Saint-Julien(南西側外観)

いい鐘楼…19世紀にサン・サテュルナンからヒントを得て作られた。

フロアプラン

現地には、フロアプランも、みあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』によるフロアプランを載せます。東が上です。

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』のフロアプラン

Église Saint-Julien の内観:その他の柱頭彫刻

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps が紹介したものの他にも、たくさん柱頭彫刻があります。そのうちのいくつかについて書きます。

その1、つながれたサル。

Église Saint-Julien(内観、つながれたサルの柱頭彫刻)

その2、二股人魚

Église Saint-Julien(内観、二股人魚の柱頭彫刻)

その3、グリーンマン

Église Saint-Julien(内観、グリーンマンの柱頭彫刻)

その4、蛇に耳をかまれる男

Église Saint-Julien(内観、蛇に耳をかまれる男の柱頭彫刻)

古そうな彫刻。ちから強くて私の好きなタイプです。

見学を済ませた私は、あとから教会に入ってきた他の人たちに「私は役場に鍵を返しに行きます。もし引き続き見学なさるなら、一緒に役場に来てください。」と言って、彼らと一緒に役場に行って鍵を返しました。

あとから入ってきた人たちが、いい人たちで良かった。

Église Saint-Julien。素晴らしい柱頭彫刻があります。

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