サン=ティレール=ラ=クロワ(Saint-Hilaire-la-Croix)

2022年8月10日(水)の最後、四番目に訪れたのは Saint-Hilaire-la-Croix。Église Saint-Hilaireです。

ここは、水辺からの遠景にさそわれて訪れると、まず装飾豊かな北扉口に迎えられ、つぎに交差部の無表情な柱頭彫刻に魅せられ、さいごに南扉口のタンパンに心を洗われます。

Saint-Hilaire-la-Croix へ

私はビュロン(Bulhon)から北西に42分ほど車を運転して、小さなかわいい村につきました。15時半頃のことです。

Église Saint-Hilaire(東側遠景)

水辺からの遠景がいいなあ、と思って車を停めました。

Église Saint-Hilaire の概要

教会の外にいくつもの案内板が設置してありました。

Église Saint-Hilaire(東側外観)

それら(以下、太字で抜粋和訳します)によると、Saint-Hilaire-la-Croix は湖にちなむ名前でした。

1128年、サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼者を助けるために、Lacus Rubei(Lac Rouge)と呼ばれる場所に小修道院が建てられた。この名がしだいにLac Roy(ラック・ロワ)と呼ばれるようになり、「ラ・クロワ(la-Croix)」に転じた。

Lacはフランス語で湖っていう意味ですよね。

さらに読み進むと、詳しく書いてありました。

中世には、現在のコミューンの土地に2つの小修道院が存在した。
現存するラック・ロワ小修道院は、マグダラのマリアに捧げられ、聖アウグスティヌスの会則に従う修道士によって設立された。アルトンヌの司教座聖堂参事会に属していた。
もう一つの消滅したものは、1.5リュー
(1リューは約4km)南のモルジュ谷の斜面にあり、サン・ティレールに捧げられ、モザ修道院に属していた。
この二つの施設は1324年まで対立していたが、ラック・ロワ小修道院がサン・ティレールを併合し、サン・ティレール・デュ・ラック・ロワと名乗るようになった。ラック・ロワまたはラック・ルージュは、教会の近くに残っている小さな池のことである。

「小さい池(petit étang)」だって。確かに、湖というよりは池です。このちいささ。

Googleマップのスクリーンショット

さらに注目したいのは、今はこの教会はÉglise Saint-Hilaireですが、1128年の創設から1324年まで明らかにマグダラのマリアに捧げられていたこと。なるほど、教会を代表するロマネスク様式の傑作のひとつは、マグダラのマリアを描いています。

Église Saint-Hilaire(南側外観、南扉口のタンパン、部分)

12世紀から13世紀にかけて、巡礼者を受け入れて安全を確保し、多くの寄付と、高位、中位、下位の司法権を含む多くの封建的権利の恩恵を受け、繁栄した。

外観をみます。

Église Saint-Hilaire の北側外観

通りに面している北扉口が、主扉口です。

Église Saint-Hilaire(北側外観)

装飾も凝っています。

Église Saint-Hilaire(北側外観、北扉口)

案内板によると、
ブルゴーニュ様式の2本の縦溝彫りの柱と、サントンジュ様式に影響を受けた柱頭を持つ8本の円柱が、半円アーチを支えている。外側のアーチは、パルメットと7人の人物像で彫刻されている。

Église Saint-Hilaire(北側外観、北扉口)

大きな「グール(柱を飲み込む怪物)」が縁取っている。

Église Saint-Hilaire(北側外観、北扉口)

タンパンには7つの裂け目があり、それぞれの端は野獣を表す。

フロアプラン

教会の外にあった案内板にフロアプランがありました。

教会の外にあった案内板のフロアプラン

教会の中に入ります。

Église Saint-Hilaire の内観

教会の中の、全体の様子。

Église Saint-Hilaire(内観、身廊にて東を向く)

ゴシック様式の印象が強いですが、柱頭彫刻はロマネスク様式が残ります。

特に交差部やクワイヤには見応えがあるものがいっぱい。

Église Saint-Hilaire(内観、交差部にて東を向く)

南側には人や鳥、人面の四つ足の生き物など。

Église Saint-Hilaire(内観、交差部にて南東を向く)

北側には一番有名な柱頭があり、体を大きく反らせる踊り子や、

Église Saint-Hilaire(内観、交差部にて北東を向く)

弦楽器を弾く人が描かれています。

Église Saint-Hilaire(内観、南側廊にて南東を向く)

無表情なのに、豊かな味わいがあります。

Église Saint-Hilaire の南側外観

最後に、南の外観を。

Église Saint-Hilaire(南側外観)

井戸があり、明るい陽光があふれています。

Église Saint-Hilaire(南側外観)

やはり目が行くのは、南扉口。

Église Saint-Hilaire(南側外観、南扉口)

タンパンは、ファリサイ派のシモンに招かれてイエスが食事をする場面。(新約聖書 ルカによる福音書7章)

Église Saint-Hilaire(南側外観、南扉口のタンパン)

マグダラのマリアが涙でイエスの足をぬらし、髪の毛でぬぐっているところが描かれています。(聖書には罪深い女とだけ書かれており、マグダラのマリアとは書かれていません。でも、多くのロマネスク美術ではこの罪深い女をマグダラのマリアとして描きます。)

Église Saint-Hilaire。水辺からの遠景にさそわれて訪れると、まず装飾豊かな北扉口に迎えられ、つぎに交差部の無表情な柱頭彫刻に魅せられ、さいごに南扉口のタンパンに心を洗われます。

Airbnb

この日の見学を全て終えた私は、車で南に約21分移動して、シャテル=ギヨン(Châtel-Guyon)という町にある Airbnb にチェックインしました。

台所兼居間、風呂トイレ、寝室という間取りの一戸建ての最上階で、無料の駐車場つき。3泊で総額18,073円でした。

Airbnbの台所

台所は洗濯機はもちろん、自炊に必要なものが全て揃っていて、

Airbnbの居間

居心地が良かったです。

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