2022年7月31日(日)、二番目に訪れたのは Saint-Désiré 。Église Saint-Désiré です。
Saint-Désiré へ
私は Domérat から北に20分ほど車を運転して、静かな村につきました。13時頃のことです。
車を停め、Église Saint-Désiré へ向かって歩きます。
教会には、足場が組まれて、修復工事が行われているようでした。
幸い、教会の扉は鍵が開いていて、中を見学できるようです。
Église Saint-Désiré の概要
南扉口の近くに案内掲示がありました。それによると、
クレルモン=フェランとポワチエを結ぶローマ街道沿いに位置します。11世紀に岩山の突出部に黄色い砂岩と赤みがかった砂岩で建てられました。1864年に「歴史的建造物」に指定されています。持ち送りには、独特な人物や動物、抽象的な装飾を連想させる類まれな彫刻が施されています。聖域の下には11世紀の地下聖堂があり、クワイヤが非常に高い後陣と二つの横階段でつながっているのが特徴です。壁画は1866年頃の修築の際に破壊され、ステンドグラスも破壊されました。
さらっと書いてありますが、フレスコ画が破壊されたのが、個人的にとても残念です。
12世紀のロマネスク様式だったそうだから、、、😢
Église Saint-Désiré の外観
東側にある大きな通り(Rue du Vieux Château)に背を向ける位置にあるファサードは、地味です。
北側
見応えがあるのは、東側です。
黄色い砂岩と赤みがかった砂岩が美しい。
さらに、持ち送りも興味深いです。
持ち送りには、独特な人物や動物、抽象的な装飾を連想させる類まれな彫刻が施されています。
フロアプラン
現地には、教会の歴史や建築を案内するものはありませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Nivernais-Bourbonnais Roman』によるフロアプランを載せます。東が上です。
Église Saint-Désiré の内観
教会の中に入ります。
南側廊
北側廊
北側廊に、興味深い掲示がありました。
12世紀の壁画
興味深い掲示とは、かつてこの教会にあった12世紀の壁画を紹介するものです。
後陣と交差部にあったそうです。壁画は1866年頃の修築の際に破壊されました。
ロマネスク様式の地下聖堂
聖域の下には11世紀の地下聖堂があり、クワイヤが非常に高い後陣と二つの横階段でつながっているのが特徴です。
南側にまわって
ここから行くことができそう
思ったより明るい地下聖堂です。
光がいっぱい。
まぶしいくらいです。
柱頭彫刻
最後に、柱頭彫刻をみます。
低い位置に、植物と人を組み合わせた二つの柱頭があります。
あらく彫られた素朴な印象。
また、四つ脚の動物(ライオン?)もいます。
高い位置にある柱頭彫刻が、見づらい上にかなり傷んでいるんですが、さらに良いんです。
植物模様や、
四つ脚の動物に頭をかじられる人や、
右手に蛇のような生き物、左手に変な人をつかんでいる人がいます。
ローラン・パタン(Roland Patin)という中世史の博士がいます。別件を調べているうちに、彼が「この人物は預言者ダニエルである。」と述べていることを知りました。(参考:La lettre des Amis de Montluçon)
旧約聖書続編『ダニエル書補遺 ベルと竜』には、バビロニア人たちが一匹の巨大な竜を崇めていたこと、ダニエルが剣も棍棒も用いずにその竜を殺してみせたことが書かれています。
へー、なるほど。その場面かも。
Église Saint-Désiré 。後陣の持ち送り、11世紀にさかのぼる地下聖堂やロマネスク様式の柱頭彫刻が魅力的なロマネスク教会です。
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