2019年GWの旅行六日目、三番目の目的地はMassa Marittima。トッリ(Torri)から西に約55km、車で約60分の道のりです。
幹線道路が無くて、思っていた以上に細い道をくねくねと1時間。丘の上にMassa Marittimaの町があります。そして、着いてみるとゴミゴミした都会でも無く、飲食店はバル一つだけみたいな田舎でも無く。居心地の良い小洒落た街並みに驚きました。
ここでの目的はサン・チェルボネ大聖堂(Cattedrale di San Cerbone)と昼食。
昼食をいただいたのは、こちら。予約してから行きました。
La Tana dei Brilli
Vicolo Ciambellano, 4, 58024 Massa Marittima
ちんまりした店内で、確認できたテーブルはわずか四つ。
私が食べたのは、二皿。
私が食べている間にも何組か訪ねてきて「予約で満席です」と断られていました。予約必須です。人気店だけありますね~料理の味もサービスも大満足でした。
大聖堂に向かいます。ロマネスク、っていうより後期ロマネスクとゴシックのあわせ技。
道に掲示されていた案内によると、大聖堂の建設は11世紀に始まり、14世紀に完成しました。13世紀以降の芸術作品が多くあるそうです。
ファサードの装飾が入魂もの。
扉口の装飾、獅子たちが、飼い主に遊んでもらいたくてウキウキしてる犬のよう。めっちゃ、うれしそう。
まぐさには13世紀初めの彫刻。サン・チェルボーネの生涯を描いてます。この聖人の事物は、なんと、アヒル。アヒルがいっぱいで、かわいすぎ。
さざ波みたいな階段の上にね、マザー・テレサも来た事あるらしいですよ。ほら。
大聖堂は北壁もストライプ模様。
北扉口に開いてる時間が掲示してあります。(2019年現在)
10月1日から5月31日までは8時~12時と15時~17時。
6月1日から9月30日までは8時~12時と15時~19時。
12時~15時は閉まるので、ご注意ください。
北扉口から中に入ります。
北側廊に案内板がありました。フロアプラン付き。
後で知ったけど、この案内板は片面がイタリア語で、もう片面が英語で書いてあるんです。この置き方だと、英語面が見えないんだな。。。残念。
サン・チェルボネ大聖堂(Cattedrale di San Cerbone)、ファサードの獅子とアヒルが愛らしい。
さて、車に戻る前にフレスコ画を見るので、寄り道です。
グーグルマップに「Fonti dell’Abbondanza」とありますが、これは「豊富の泉」という意味です。地域の観光案内ページによると、ここはマッサ・マリッティマ最古の水源で、貯水池だったんです。そして上の建物は穀物庫として使われてきました。
ここに、有名な「Albero della Fecondità」と呼ばれているフレスコ画があるんです。「繁殖力の木」という意味です。すごいネーミングだなあ。
各アーチには網が張ってありますが、真ん中へんに網が開けられる一部分があって、写真を撮り易くなってます。
奇妙な果実がたわわに実ってて、収穫する女達がいます。1265~1335頃に描かれたフレスコ画で、1999年に再発見されました。今となっては描かれた目的も、封じ込められた理由も分かりません。
隣の壁面にもフレスコ画が残っていますが、判別しにくいです。フレスコ画と手前の網の間には貯水槽のあと。
隣。こちらの網にも、真ん中へんにつまんで開けられる部分があります。
きっと、これらのフレスコ画が鮮やかに描かれた中世が、この町が一番、繁栄していた時代です。その後は産業も衰えて発展から取り残されたもんだから、タイムカプセルみたいに今の姿があるのかなと思うんです。
マッサ・マリッティマ(Massa Marittima)、後期ロマネスクとゴシックの豊富な遺産に恵まれた、美しい町です。
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