ビク(Vic)<1>

2018年3月の旅行八日目。まず Vic に行きました。滞在しているホテルがある Barcelona から電車で行けます。

電車の時刻と乗車時間を調べるのは Renfe のサイトが便利です。Barcelona-Sants 駅から Vic 駅までは片道約1時間半。

この日の早朝、夫は好きなスポーツ観戦のためにイギリスに行ってしまいました。ここから帰国までは息子との二人旅です。三人で日本を出発し、パリで夫と別れた後、イタリアまで息子は私と一緒でした。その後、私はフランスに行きましたが息子はイタリアに残っていたんです。 前日 Barcelona で落ち合いました。

Vic 駅に着いて、まず目指したのは大聖堂(Catedral de Sant Pere de Vic)です。駅から東に800m、徒歩9分。私が訪れた土曜の朝は途中の広場(Plaça Major de Vic)で市場が開かれていて、大変な賑わいでした。

Catedral に到着。

早速、入ってみました。豪華です。

きんきらきん。

私の一番の目当ては、11世紀のロマネスク様式の crypt です。

有料エリアなので内陣(presbytery)の北側のブースで3€払います。crypt の真ん前にあるブースに行って、店番のおばあさんに英語で「二人分お願いします」と伝えました。

するとおばあさん、とめどなく話し続けるんです。ブースから出てきて、向こうに見える cloister や 真ん前の crypt を指差しながら、延々と。。。それは良いんですが、困ったことに何を言ってるんだか、全く聞き取れない。

なんでだ?

私はカタルーニャ語が不得意ですが、ここまで聞き取れないってのは驚きです。困っていると、カジュアルな服装の20代くらいの男性が英語で「何か手伝いましょうか(Do you need help?)」と言いながら来てくれました。率直な物言いが印象的な、すごくカッコイイ若者で

救いの天使に見えました。

どうやら、おばあさんは向こうに cloister があって、ここに crypt があって、と説明してくれていたらしい。親切心だったんですねえ。。。聞き取れなかった理由も分かりました。天使が「彼女のカタルーニャ語は、すごく訛ってる」と教えてくれたんで。

何はともあれ、救いの天使にお礼を言って、マシンガントークおばあさんにお金を払い、案内(英語版)を貰いました。

その案内に載っていたフロアプランがこちら。マシンガントークおばあさんに出会ったブースは「5」のあたりです。

大聖堂についての文書記録は516年にさかのぼります。8世紀初めにイスラム教徒によって破壊されましたが、9世紀末に再建されました。

その後、11世紀にオリバ(Abat Oliba)によってロマネスク様式で改装され、今も当時の鐘楼(bell tower)と地下聖堂(crypt)が残ります。回廊(cloister)は14世紀のゴシック様式。一部の祭室(chapel)はその後のバロック様式です。

Abat Oliba はキュクサのページにも登場しました。カタルーニャの精神的な建国の父として今でも尊敬を集めています。

1936年から1939年のスペイン内戦によってヴォールト、ドームや身廊(nave)に甚大な被害がありました。1940年代に始まった修復により、crypt が再発見され、リノベーションや新しい装飾が施されて現在の姿になりました。

さてさて、いざ、crypt へ。

階段をそろり、そろりと下りると

静謐な世界でした

この上なく美しい

柱頭彫刻は10世紀のもの

気高くて

穏やか

でもどこか力強い

素晴らしい空間です。たっぷりと堪能しました。

さて、cloister は14世紀のゴシックです。

案内(英語版)に、ロマネスクの cloister の上に築かれていると書いてあって、てっきりロマネスクの部分は残っていないのかと思いましたが。。。なんと、見学中のゴシックのフロアの下にもう一つフロアがあるんです。

ゴシックの柱と柱の間からのぞくと、階下になだらかなロマネスクの円形アーチがみえました。

これで大聖堂内部の見学は終了です。

Vic、次回に続きます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です