2024年4月30日(火)の最後、五番目に訪れたのはTalmont-sur-Gironde、聖ラデグンダ教会(Église Sainte-Radegonde)です。
この村は、私の好きな「フランスの最も美しい村」(Les plus beaux villages de France)のひとつです。ロマネスク教会は、ジロンド川畔に映える後陣が素晴らしいです。教会の中の柱頭や北扉口の装飾もいいです。
2024年、教会は火曜から日曜の午前(8:30〜12:30)に開いていました。また、木曜から土曜は午後(16:30〜19:00)も開いていました。
目次
1. Talmont-sur-Gironde へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観 .
5. 内観 .
1. Talmont-sur-Gironde へ
タルモン=シュル=ジロンド(Talmont-sur-Gironde)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏シャラント=マリティーム県の村です。同県のあたりはサントンジュ(Saintonge)地方と呼ばれます。この村は、同地方の最大都市サント(Saintes)の約32km南西にあります。
この村もそうですが、多くの「フランスの最も美しい村」(Les plus beaux villages de France)には、村の外に訪問者用の駐車場があります。
夫と私は、大きな駐車場に車を停め、ジロンド川畔を歩きました。
鴨たちを愛でながら歩いた先に、光を浴びて輝く教会がありました。
2. 概要
ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Saintonge romane』による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
人間の努力の空しさや闘争の必要性を如実に物語る場所があるとすれば、それはこの土地である。隣接する丘陵地帯に円形の神殿「Temple du Fâ」がそびえ立ち、その名も知れぬローマ都市の崩壊の証人となっている。また、それほど離れていない場所には、基礎の石灰岩を波が浸食するのを防ぐため絶え間ない努力が続けられている聖ラデグンダ教会(Église Sainte-Radegonde)がある。
1094年頃、タルモン(Talmont)領主の創設により誕生したこの要塞は、聖域を中心に発展した。この要塞は、ジロンド川を上下する潮の満ち引きの攻撃を受け、ロマネスク様式のファサードが破壊され、要塞の誇り高き城が海に飲み込まれ、一部が海中に消えた。
聖ラデグンダ(Sainte-Radegonde)に捧げられ、サン=ジャン=ダンジェリ修道院(abbaye Saint-Jean-d’Angély)に寄贈されたカロリング朝時代の小さな礼拝堂が、この教会の名前の由来となったのかもしれないが、ごく限られた人々にしか使われなかった。トネリエ司祭(chanoine Tonnelier)が考えるように、修道士たちはサンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼者たちが立ち寄る場所としてこの巨大な建物を建てたのかもしれない。
この後も、ゾディアック(Zodiaque)を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Saintonge romane』による平面図です。東が上です。
黒色:12世紀第1段階
斜線:12世紀第2段階
水玉:15世紀
白色:近代
4. 外観
主後陣をみます。
中段には三つの窓があり、その上のアーチや柱頭に彫刻があります。
上段にはアーケードがあり、26個の盲アーチに繊細な装飾があります。
軒下には、持ち送りや柱頭に装飾があります。
北に行きます。
北翼廊は、上段に七つアーチのアーケード、下段に北扉口とその両側に盲アーチがあります。
北扉口の一番内側のアーチには神の子羊と天使たち、二番目のアーチには曲芸師たちが描かれているようです。外側のアーチでは、男性たちが巨大な四足獣の首につけた綱を引っぱっているようです。
5. 内観
教会の中に入ります。
交差部の柱頭彫刻がいいです。
交差部北東の柱頭では、サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路沿いの教会にふさわしい主題が認められる。それは、騎士である聖ゲオルギウスが、彼の盾に前足をかけた怪物の口から、後ろに立っていた王女を救ったという伝説である。
ゾディアック(Zodiaque)は、ギリシャの聖人伝承とゲルマン・スカンディナヴィアの伝説の融合であると論じています。つまり、聖ゲオルギウスとジークフリートとを融合させているというのです。
興味深いです。
聖ラデグンダ教会(Église Sainte-Radegonde)。ジロンド川畔に映える後陣が素晴らしいです。教会の中の柱頭や北正面の装飾もいいです。
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