2022年8月23日(火)、最初に訪れたのはBlesle。Église Saint-Pierre です。
この村は、私の好きな「フランスの最も美しい村」(Les plus beaux villages de France)のひとつです。そんな美しい村の、ロマネスク教会が、Église Saint-Pierre。
南扉口の花の装飾も、教会内外の柱頭彫刻も、後陣と南礼拝室の持ち送りも、見どころ満載で感動ものです。
見どころ満載なので、以下のように2回に分けて書きます。
<1>概要と内観
<2>外観
Blesle へ
夫と私は宿から北に30分ほど車を運転して、美しい村に着きました。11時頃のことです。
そわそわしたような、あわただしいような雰囲気です。
いかん!
これは、、、
結婚式だっ!
挙式の邪魔にならないよう、列席者が集まる前に、大急ぎで教会の中の見学を済ませます。
Église Saint-Pierre の概要
教会の外に案内掲示がありました。一部を抜粋して太字で和訳します。
このベネディクト派女子修道会は、910年にクリュニー修道院が設立されたとき、すでに存在していた。9世紀後半にその創設に携わったのは、敬虔公ギヨーム1世の母である、オーヴェルニュ伯夫人エルメンガルドである。設立当初から土地と教会に恵まれており、1185年には15の小修道院を傘下に持つまでに急速に財産を増やした。
敬虔公ギヨーム1世はクリュニーを創建した人です。
15世紀、修道女たちは共同生活を捨て、教会の周りに建てられた大きな家で自立して生活するようになった。1625年にクリュニー修道会の一部となった後も、彼女らの生活様式は変わらず、1789年に世俗化されるまで続いた。
この教会は、その建築様式、大きさ、絵画や彫刻の豊かな装飾によって、この地の歴史的重要性を物語る。周辺には、修道女らの家、メルクールの塔、サン・マルタン鐘楼、城壁など、他の遺産もある。
修道女たちがいたことが、この教会と美しい村の、やわらかくて優しい印象に影響を与えたかも。
フロアプラン
現地には、フロアプランは、みあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』によるフロアプランを載せます。東が上です。
通常のロマネスク教会とは違う構造がいくつかあります。
1. 主扉口が南翼廊にある(通常は身廊西端)
2. 交差部の西が婦人用クワイヤになっている(通常は身廊)
興味深いでしょ?
Église Saint-Pierre の内観
結婚式が始まる前に、教会の中の見学を終えようとあわてていた私は、教会に入って、少し混乱しました。
周りを見まわして、ようやく、南翼廊から入ったことを理解しました。
正面の北翼廊には、フリーズがあり、動物や花が描かれています。
交差部で右(東)を向くと、身廊と後陣が見えます。
後陣の前では、楽団が演奏準備をしていて、緊張するような、陽気なような、なんとも言えない空気です。
この後陣の柱頭彫刻、すごいカラフル。
動物たち
イエスの復活とマグダラのマリア(『ルカによる福音書』24章)。
同じ柱頭を別角度から。2人の天使と3人の聖女が描かれています。
聖書の記述の中でも、特に、女性たちが活躍する場面を後陣の目立つところに配置してあるのは、意図がある気がするなあ。
二股人魚。
クワイヤで西を向くと、モノトーンの世界。
交差部と階段のあたりは、内観の最後にみることにします。
身廊の南に礼拝室があって、
このあたりにも柱頭彫刻があります。
植物装飾。
舌だしライオンたち。
植物の中に人。
天使。
変な人たち。
最後に、交差部の南に行き、階段をのぼります。
東を振り返ると後陣が見えます。
見上げると、高い位置に柱頭彫刻があります。
すごく繊細。
二股人魚たち。
顔だけを出している頭部が、まるで修道女みたい。
次回、外観を見学します。
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