サン=サテュルナン(Saint-Saturnin)<1>

2022年8月10日(水)、最初に訪れたのは Saint-Saturnin。Église Notre-Dameです。

ここは、オーヴェルニュ地方のロマネスク芸術を象徴する、主要な五つの教会のひとつです。

イソワール、クレルモン、オルシヴァル、サン=ネクテール、サン=サテュルナンの5か所にある五つのロマネスク教会は、ほぼ同時期に建築され多くの共通点を持つ、姉妹教会です。

Saint-Saturnin へ

私は宿から南西に19分ほど車を運転して、かわいい村につきました。10時頃のことです。

Église Notre-Dame(南東側外観)

外観をみます。

Église Notre-Dame の外観

モンペルー (Montpeyroux)の明るい色の花崗砂岩とヴォルヴィック(Volvic)の暗い色の玄武岩を使って彩られています。

Église Notre-Dame(東側外観、後陣)

真のロマネスク様式の鐘楼が残るのは、五つの主要な教会の中で、ここだけ。

Église Notre-Dame(北側外観、交差部と後陣)

さすが、後陣や翼廊、身廊とのバランスが良いです。

Église Notre-Dame(北側外観)

持ち送り。簡素な装飾が魅力的です。

Église Notre-Dame(東側外観、後陣)

これらは後陣のもの。

Église Notre-Dame(東側外観、後陣)

翼廊にもかわいいのがあります。

Église Notre-Dame(北側外観、翼廊上部)

西側は素朴なつくり。

Église Notre-Dame(西側外観)

教会の中に入ります。

フロアプラン

現地には、フロアプランは、みあたりませんでした。ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』によるフロアプランを載せます。東が上です。

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』より

興味深いことに、主要な五つの教会のプランを比較してありました。

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps の『Auvergne Romane』より

Saint-Saturninは、最も小さく、放射状祭室を持ちません。

Église Notre-Dame の内観:全体

教会の中の、全体の様子。

Église Notre-Dame(内観、身廊にて東を向く)

おごそかで、美しいです。

Église Notre-Dame(内観、身廊にて南東を向く)

側廊の上部には、マトロネウム(matroneum、建物内部の中2階に作られた空間)があり、柱が2本配置されて開口部が三つずつになっています。

Église Notre-Dame(内観、身廊にて北東を向く)

Église Notre-Dame の内観:柱頭彫刻

古めかしい柱頭彫刻が、とても良いんです。

これらの四つについては、現地に案内がありました。太字で和訳します。

ワシたち:霊的な高揚

Église Notre-Dame(内観、柱頭彫刻)

木の両側の頭:人間は、栄養を与えなければ生きていけない植物であり、そうでなければ枯れてしまう:生命の木=十字架=狭き門

Église Notre-Dame(内観、柱頭彫刻)

聖杯を囲む鳥たち: 聖体
救いの杯を糧とする魂たち

Église Notre-Dame(内観、柱頭彫刻)

頭の中の鳥:
心を占領し、神を受け入れる余地のない思考

Église Notre-Dame(内観、柱頭彫刻)

へー、そういう理解なのね。

周歩廊の柱頭も、ため息ものです。

Église Notre-Dame(内観、周歩廊の柱頭彫刻)

内陣の下には、地下聖堂があります。

Église Notre-Dame の内観:地下聖堂

太さの異なる円柱が並びます。

Église Notre-Dame(内観、地下聖堂にて北東を向く)

Église Notre-Dame。オーヴェルニュ地方のロマネスク芸術を象徴する、主要な五つの教会のひとつです。姉妹教会の中で最も小さく、一番年下の妹の印象。後陣の多色装飾や持ち送り、身廊の柱頭彫刻がすばらしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です