2022年8月3日(水)、三番目に訪れたのは Saint-Menoux 。Église abbatiale de Saint-Menoux です。
ここは、盛りだくさん。なんと、私はうっかりして11世紀の柱頭などがある玄関間(Narthex)をみるのを忘れちゃいました。でも、他にもいっぱい見どころがあります。
Saint-Menoux へ
私はアゴンジュ(Agonges)から南に5分ほど車を運転し、大きな建物がずらりと並ぶ村につきました。14時頃のことです。
車を停め、教会へ行くために階段をのぼります。
Église Notre-Dame の外観:ファサード
ファサードが地味なことよりも、私を落胆させたのは、鉄柵が施錠されていたことでした。
北側にまわってみます。
さらに地味な北扉口ですが、鍵がかかっていませんように、、、
「強くお押しください(APPUYEZ FORT)」と書いてあります。
ありがたい、開きました。
教会の外観(東側や南側)はあとまわしにして、まずは、教会の中に入ります。
Église abbatiale de Saint-Menoux の概要
教会の中に案内掲示がありました。一部を抜粋して和訳します。
沿革
この修道院は、6世紀にアルモリック地方のオシスムの司教であった聖メヌルフスが、ローマ教皇への ”ad limina” 訪問からの帰途、マイリー村(現在のサン=ムヌー)で亡くなったときの墓をもとに設立された。
“ad limina” は、5年ごとに全世界の司教が教皇を訪問する定期ローマ訪問。
聖メヌルフスの旅順図(6世紀)
聖メヌルフスはアイルランド人で、現在のブルターニュ地方の司教だったということですな。
フロアプラン
教会の中にあった案内掲示のフロアプラン。東が上です。
案内掲示によると:
建物は、11世紀第3四半期(緑)に建てられたのち、12世紀第2四半期(オレンジ)、13世紀第2四半期(紫)、15世紀後半(赤)、17世紀末(水色)に改修が行われた。
19世紀(黄色)に中世様式で修復され、クワイヤのバロック様式の改築は取り除かれた。
三身廊で玄関間、周歩廊と放射状祭室を持ち、大部分に11世紀から12世紀のロマネスク建築が残ります。
案内掲示には、フロアプランの番号の場所にあるアイテムに関する訪問案内がありました。それらについては、そのアイテムの写真と一緒に太字で後述します。
Église abbatiale de Saint-Menoux の内観:全体
教会の中の、全体の様子。
天井の高さや尖頭アーチ、窓の大きさと形など、ゴシック様式が強いですが、一番奥の内陣のあたりはロマネスク様式のようです。
Église abbatiale de Saint-Menoux の内観:クワイヤと放射状祭室
フロアプラン番号2:12世紀第2四半期の柱頭と装飾。
祭壇と周歩廊の間に、石棺があります。
フロアプラン番号3:聖メヌルフスの遺体を納めた石棺で 「デブレディノワール(débredinoire)」と呼ばれ、「ブレディン(bredins、素朴な心の持ち主)」を治すとされています。
この教会を象徴するもののようで、教会の呼び名にもなっています。
石棺は、一番大きな開口部に頭を通すことができるようになっています。
フロアプラン番号4:聖メヌルフスの葬祭記念碑の跡、以前は石棺の上にあったもの。(12世紀第2四半期)。
翼が細長くて、シュッとしています。
Église abbatiale de Saint-Menoux の内観:身廊の柱頭彫刻
気になったものをいくつか。
グリフォンと戦う人
どうやら、人の顔はフランス革命のときに破壊され後代に修復されたもののようです。
鳥たちと植物
植物を吐く
聖杯から飲むグリフォン
外に出ます。
Église abbatiale de Saint-Menoux の外観:北壁の柱頭彫刻
北壁にひとつ古そうな柱頭があります。
フロアプラン番号1:11世紀の柱頭
別角度も
愛嬌のある顔に見えます。
Église abbatiale de Saint-Menoux の外観:南東側
外観で私が息をのんだのは、南東からの姿でした。
果樹園があり、、、ここは楽園なのか?
Église abbatiale de Saint-Menoux。内部では玄関間、周歩廊と放射状祭室に11世紀から12世紀のロマネスク美術が残り、外部では柱頭、持ち送りといった詳細に加え、ロマネスク建築の立ち姿が素晴らしい。
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