2022年8月3日(水)、二番目に訪れたのは Agonges 。Église Notre-Dame です。
ここは、焼き菓子のような動物たちが、鐘楼の壁にうめこまれています。
Agonges へ
私はブルボン=ラルシャンボー(Bourbon-l’Archambault)から東に10分ほど車を運転し、ランチを楽しむ人々の明るい声が聞こえる村につきました。13時頃のことです。
木陰の向かって左奥にオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)があるようで
ランチを楽しむ人々の笑い声が聞こえました。
ああ、あんな風に楽しむ人生もいいなあ、なんて思いながら、教会へ。
Église Notre-Dame の外観:全体
2022年の夏は、連日ひどい暑さが続きました。
湿気が少ないので日陰は涼しいのですが、炎天下は痛いくらいの暑さでした。帽子とラッシュガードを装着していたものの、なるべく炎天下は、避けたい。
でも、この教会は鐘楼の装飾が良いんです。必死で撮影しました。
私には、焼き菓子に見えて、しょうがない。
後陣は丁寧に修復されています。
北側と西側は質素。
やはり、ひとめにつきやすい南側に装飾が多く、南扉口も柱頭や持ち送りで立派につくられています。
教会の中に入ります。
Église Notre-Dame の概要
教会の中に案内ファイルがありました、厚めのファイルです。
ほんの一部だけを抜粋して和訳します。
12世紀末から13世紀初頭に建てられた現在の建物は、過渡期のロマネスク様式に属す。その全体的なプラン、扉口や柱頭の装飾、半円形の狭い開口部、優雅な後陣、アーチ型の後陣によってロマネスク様式であるとすれば、身廊のアーチの型によって「遠慮がちにゴシック様式(”timidement gothique”)」であるといえる。さらに、三つの教区の交差する場所に建てられたこの建築は、ブルゴーニュ、オーヴェルニュ、ベリーの影響を受けている。
ロマネスクからゴシックに移り変わる様子が建築に残っているようです。
フロアプラン
教会の中にあった案内ファイルのフロアプラン。東が上です。
一身廊で三後陣。
Église Notre-Dame の内観:全体
教会の中の、全体の様子です。
案内ファイルに、身廊のアーチは「遠慮がちにゴシック様式(”timidement gothique”)」とあった通り、太くて半円形に近いものの、尖頭です。
これに対して、柱頭の装飾や半円形の狭い開口部はロマネスク様式です。
柱頭彫刻をみます。
Église Notre-Dame の内観:身廊の柱頭彫刻
身廊の柱頭彫刻は六つだけです。
まずは、北側の Capital 1, 2, 3
Capital 1 は植物装飾と
難しそうな顔をした人
Capital 2 は植物装飾と人と変な生き物の組み合わせ
こちらの人は涼しい顔をしていますが
こちらの変な生き物は何か吐き出しています。
Capital 3 は植物装飾
次に、南側の Capital 4, 5, 6
Capital 4 は脚も腕も口も大きく開いている人と
隣の人より、小さめに口を開いている人
Capital 5 は変な生き物に手を噛まれている人たち
こわい顔をしています。
Capital 6 は変な生き物と人と
大きい顔。
印象的な柱頭彫刻でしたが、交差部の装飾も良いんです。
Église Notre-Dame の内観:交差部
交差部は、柱頭彫刻も良いんですが、
注目したいのは、アーチです。
アーチの根本に、浮き彫りがあるんです。
それが、また、えらいかわいいんです。
笑顔だったりして。
保存状態も良いです。鐘楼を飾る動物たちも、おそらく昔はこんな風にふっくらしてなめらかな曲線だったに違いない。
Église Notre-Dame。鐘楼外壁、交差部アーチや身廊柱頭の浮き彫り装飾が見逃せません。
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