カンポバッソ(Campobasso)

2024年7月29日(月)、二番目に訪れたのはCampobasso、Chiesa di San Giorgioです。

ここは、ファサードのルネッタと柱頭にロマネスク様式の彫刻があります。また、北側と西側の壁に浮き彫りが埋めこまれています。

扉の掲示によると、教会は4月から9月は毎日9:00〜12:00と17:00〜20:00に開きます。10月から3月は予約(固定電話に連絡)が必要です。

目次

1. Campobasso へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 内観 .
5. 外観(ファサード) .
6. 内観(北壁と西壁) .

1. Campobasso へ

カンポバッソ(Campobasso)は、モリーゼ州カンポバッソ県の県都でありモリーゼ州の州都でもあります。ナポリ(Napoli)の約85km北東にあります。

南東側外観

教会は、モンフォルテ(Monforte)の丘の上にあります。城の近くです。

異教の神殿跡に建てられたのかもしれません。

2. 概要

教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

宗教建築物と中世都市の起源
正確な創建年は不明であるが、1662年から1663年の「Matricola dei beni」によると、ルカ・シルヴェストロ(Luca Silvestro)は1099年を創建年としている。実際、最初の文書記録は1100年に遡り、11世紀末にはすでにこの町に教会が確立していたことを裏付けている。同じ羊皮紙には、この教会がカンポバッソ(Campobasso)の都市の一部に含まれており、ノルマン時代におけるこの町の政治、経済、社会的な実体が明確に示されている。また、考古学発掘調査で発見されたいくつかの石片から、ロンゴバルド文化の広がりとともに、その基礎が中世初期にさかのぼることが予想される。ロンゴバルド文化は、カンポバッソ(Campobasso)の歴史の紛れもない主役である。

教会建築の歴史
中世初期に建てられた宗教建築は、13世紀初頭に最初の建築的変革が加えられ、ロマネスク様式の様式基準に適合する形で、今日見られるようなファサードの寸法と高さに拡張された。四角形の土台を持つ鐘楼は、当初は右側に孤立していたが、後に身廊に組み込まれた。

13世紀には継続的な経済収入により成長と威信が示され、14世紀から15世紀にかけて教会の左側に貴族の礼拝堂が建設され、1475年に最初の聖具保管室が建設されるまで、その規模が拡大した。

17世紀に実施された拡張工事により身廊に内陣が設けられ、右側の側廊が建設され、左側の側廊が改装されたことで、ファサードは扉口と一直線に並ぶようになった。何十年もの間放置されていたが、1731年から1733年の間に新たな配置が実施され、1776年にはロココ様式の様式規範に適合するよう、さらなる改修工事が行われた。1829年10月には、洗礼盤とともに教区がサン・レオナルド教会(chiesa di San Leonardo)に移された。

第二次世界大戦による甚大な被害により、中世のフレスコ画が失われるなどの被害を受けたため、数多くの修復作業の対象となった。その中には、アーチ型の天井の再建も含まれている。
この教会は1959年に礼拝用に再開され、1970年代後半に補強修復が行われた。

この後も、案内掲示を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

案内掲示による平面図です。東が下です。

この教会は、通常の教会とは逆向きで、西に祭壇があります。

案内掲示より

黄色:11世紀
赤色:14世紀
緑色:15世紀
青色:17世紀

4. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて祭壇を向く

内部には案内掲示が豊富でした。

でも、ロマネスク美術は見当たりませんでした。

5. 外観(ファサード)

外に戻ります。

東側に、ファサードと主扉口があります。

東側外観

ルネッタは、地元の石に彫られたもので、1914年に扉口付近で発掘され、1937年の城の区画整理の際に現在の位置に設置された。

ルネッタ

扉口の高さで終わる簡素な柱頭を持つ四つの突出した柱が扉口を縁取っている。

内側の二つの柱は、中央に溝がある立方体の柱頭によってファサードの水平を完成させている。これはペンナータ(pennata、木製の天蓋)を支えるためのものである。

外側の柱のうち、左側の柱頭には植物が描かれています。

右側の柱頭にはライオンがいて、隣の生き物と顔をくっつけあっています。

ライオンの柱頭

同じ柱頭の反対側には、人物の顔が描かれています。

これは棟梁または、政治的あるいは財政的に建設に寄与した人物かもしれません。

マトリーチェ(Matrice)にも同様の浮き彫りがありました。

ライオンの柱頭(別角度)

6. 外観(北壁と西壁)

北西に行きます。

北西側外観

壁の一部に、古そうな彫刻が埋めこまれています。

外壁の石組みに埋め込まれた中世の浮き彫り

建物の外側の2面には、ペリカン、王冠をかぶった顔、雄牛、その他の動物の形をした浮き彫りが見られる。

王冠をかぶった顔の浮き彫りは、私には見つけられませんでした。案内掲示による写真です。

案内掲示より

ペリカン、雄牛、動物の浮き彫りは、見つけられました。

ペリカンはかわいいのですが、雄牛は強そう。

ペリカン
雄牛
動物

これらは、ペトレッラ・ティフェルニーナ(Petrella Tifernina)のものと同様、かつての装飾の一部であり、身廊の壁面に挿入されたものであろう。

Chiesa di San Giorgio。ファサードのルネッタと柱頭にロマネスク様式の彫刻があります。また、北側と西側の壁に浮き彫りが埋めこまれています。

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