ポワティエ(Poitiers)<5>

2024年5月7日(火)、五番目に訪れたのはPoitiers、サント=クロワ博物館(Musée Sainte-Croix)です。

ここは、吹きガラスの美しさに目を奪われます。彫刻やエナメルの展示も素晴らしいです。

2024年、博物館は火曜〜金曜の10:00〜18:00と土曜日曜の13:00〜18:00に開いていました。通常は有料(€5)ですが、毎週火曜と毎月第一日曜は無料でした。

Poitiers では、6か所に行きました。以下のように6回に分けて書きます。
<1> Église Saint-Hilaire Le Grand
<2> Église Saint-Porchaire
<3> Église Notre-Dame-la-Grande
<4> Église Sainte-Radegonde
<5> Musée Sainte-Croix
<6> Baptistère Saint-Jean

目次

1. Poitiers へ .
2. 概要 .
3. エナメル .
4. 柱頭彫刻 .
5. ガラス .

1. Poitiers へ

ポワティエ(Poitiers)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏ヴィエンヌ県の県庁所在地です。同県のあたりはポワティエ(Poitiers)を歴史的な中心地とし、ポワトゥー(Poitou)地方と呼ばれます。

ポワティエ(Poitiers)は、アングレーム(Angoulême)の約103km北、トゥール(Tours)の約95km南にあります。

博物館への道順の表示

博物館は、Église Sainte-Radegondeから約350メートルの道のりで、徒歩約5分の場所にあります。

聖ヨハネ洗礼堂(Baptistère Saint-Jean)の隣です。

博物館に掲示されていた、展示物の説明について、私が一部を抜粋して太字で和訳します。

2. 概要

博物館の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

この博物館は、地元の美術品や考古学のコレクションを収蔵するため1974年に建設された。この建物は、その記念碑的な歴史に彩られた景観に溶け込んでいる。博物館の名前の由来となった旧サント=クロワ修道院(ancien monastère Sainte-Croix)の17世紀の棟と小さなルネッサンス様式の宿舎は、サン=ジャン洗礼堂(baptistère Saint-Jean)のすぐ近くに保存されている。

6世紀に聖ラデグンダ(Sainte-Radegonde)によって創設されたサント=クロワ修道院(monastère Sainte-Croix)は、当初は大聖堂とクラン(Clain)川の間の土地を占めていた。修道女たちがこの地に移り住んだのはフランス革命後のことで、以前は司教区に属していた建物であった。博物館の古い部分は、これらの建物から残っている。19世紀に再建された修道院は、市に売却された後に取り壊され、修道女たちは1965年にサン・ブノワ(Saint-Benoît)に移った。

建設中に発掘されたガロ・ローマ時代の考古学的遺物は、博物館の地下にそのまま保存されている。博物館には、先史時代、古代、中世の豊富な美術コレクション、14世紀から20世紀にかけての絵画や彫刻の大規模なコレクションが収蔵されている。

3. エナメル

エナメルがたくさん展示されていました。

エナメルの展示

聖遺物箱:天使と聖人(12世紀)
リムーザンの工房
銅、エナメル加工

キラキラです。

聖遺物箱:天使と聖人(12世紀)

司教杖(12世紀)
リムーザンの工房
銅、エナメル加工

「受胎告知」、「ドラゴンを退治する聖ミカエル」、「アダムとエバ」

「受胎告知」
「聖ミカエル」
「アダムとエバ」

まるで、装飾写本から抜け出てきたよう。

4. 柱頭彫刻

いくつもの柱頭が展示されていました。

彫刻
彫刻

柱頭をひとつだけご紹介します。

柱頭:「不和」
11世紀第3四半期
石灰岩、赤と黄色の彩色の跡
ポワティエ(ヴィエンヌ県)のSaint-Hilaire街、Tranchée通り


3面に彫刻が施されている。玉縁には、6人の人物の名前が刻まれているが、これは登場人物たちを指している可能性がある。

この「ひげを引っ張る者たち」というテーマは、ラテン語の詩句を伴う彩色写本(リエバナ(Liébana)の修道士ベアトゥスによる『ヨハネの黙示録註解』)の一場面まで遡ることができ、おそらくは「額と額を合わせて互いにひげを引っ張るのは許される」という意味の「Frontibus attritis barbas conscindere fas est」を述べている。

この柱頭の図像は、シャルー公会議(989年)とポワティエ公会議(1000年と1014年)に始まり、司教たちの主導とアキテーヌ伯爵家の支持のもと、弱者を保護し、武器の使用を規制することで社会を平和にしようとした「神の平和」運動を想起させる。

柱頭彫刻

中央の2人は、今にも大げんかしそうです。彼らの両側には、彼らをおさえるような身振りの人たち。はりつめた空気がただよっています。

5. 内観(祭壇)

最後に、こちらの博物館の中で私がいちばん好きな作品です。

私は目を奪われました。

ガラス

聖遺物容器
(11世紀)
青色の吹きガラスに不透明な白色の装飾
サン=サヴァン=シュル=ガルタンプ修道院(Abbaye de Saint-Savin-sur-Gartempe)(ヴィエンヌ)


この青ガラス器には、熱加工による白い帯状装飾と小玉状の装飾が施されている。飲用グラスであり、18世紀には修道院で聖遺物容器として再利用された。

この作品は、ヨーロッパで製造された中世のガラス製品(鉱物ソーダによる白い装飾を施したコバルトブルーのガラス)の貴重な一例である。この種のガラス製品は、わずかな破片しか発見されていないが、すべて11世紀のものである。 この年代は、修道院教会の再建と一致している。この作品は、この種のガラス製品ではヨーロッパで唯一完全な形で残っているものである。

ガラス

深い深いブルー。形も上品です。

Musée Sainte-Croix。吹きガラスの美しさに目を奪われます。彫刻やエナメルの展示も素晴らしいです。

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