1. Merlande へ

メルランド（Merlande）は、ヌーヴェル＝アキテーヌ地域圏ドルドーニュ県の村です。広い県で、国内第3位の面積を持ちますが、面積の約45%が森林で占められているそう。

同県のあたりは県庁所在地であるペリグー（Périgueux）を歴史的な中心地とし、ペリゴール（Périgord）地方と呼ばれます。ペリゴールといえば美食で、フォワグラやトリュフが有名です。

メルランド（Merlande）は、ペリグー（Périgueux）の約9km北西にあります。

そして、Prieuré de Merlande に行くには、延々と続く細い道を進みます。

道標に従って北東に曲がると、木立の向こうにロマネスク様式の扉口が現れます。

Prieuré de Merlandeです。

2. 概要

教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

12世紀初頭、ペリグー（Périgueux）の司教はメルランド（Merlande）という場所をシャンスラード修道院（abbaye de Chancelade）に与え、同修道院は、おそらく1140年から1145年にかけて、泉の近くに小修道院（prieuré）と洗礼者聖ヨハネに捧げられた教会を建てた。

この建物は、12世紀後半に二つの柱間を持つ身廊によって拡張された。当初は二つの柱間ともに天井はドームであった。西側のドームが破壊された後、西側の柱間は尖頭樽型ヴォールトで修築された。

オリジナルの長方形の礼拝堂には、並外れた品質と豊かな装飾を持つ15個の柱頭が、注意深く配置されている。目の高さに配置されたこれらの柱頭は、幾何学模様や植物のモチーフと同様に、悪の勢力の象徴である多数のライオンやグリフォンを含む幻想的な生き物で飾られている。

石工は、サントンジュを含む様々な地域から着想を得ている。外側に施された一連の持ち送りは、おそらくオリジナルの礼拝堂を建設した時に作られたものと思われるが、これも同様に注目に値する。ライオンと人間の頭部がその大部分を占めている。

14世紀から15世紀にかけての要塞の要素や痕跡が、いたるところに見られる。教会の北側にある要塞化された塔は、プロテスタントが破壊した後、15世紀に建てられた。

クワイヤの下には、半円形の樽型ヴォールトの地下聖堂がある。

入口にある洗礼盤はロマネスク様式である。

鐘楼は1835年に取り壊された。国有財産として売却された小修道院（prieuré）は大部分が破壊され、円形の塔と堀に挟まれた16世紀の司祭の住居だけが残された。

この後は、ゾディアック（Zodiaque）la nuit des temps『Périgord roman』を引用する時に太字で書きます。