2024年5月10日(金)、最初に訪れたのはUzerche、Abbatiale Saint-Pierreです。
ここは、丘の上に堅固な佇まいです。リムーザン様式の鐘楼があり、周歩廊をもつ地下聖堂があります。
私は事前に、5月10日に教会が開いているかを観光局に問い合わせました。「毎日開いていて無料でアクセスできますが、時々(直前にしかわからない)祭事で閉まります」と返信がありました。
目次
1. Uzerche へ .
2. 概要 .
3. 航空写真 .
4. 外観 .
5. 内観(上部教会) .
6. 内観(地下聖堂) .
1. Uzerche へ
この日の朝、私は夫に見送られてポワティエのAirbnbを出発しました。5月10日から5月23日の帰国まで、私ひとり旅です。
ユゼルシュ(Uzerche)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏コレーズ県の町です。中央高地の西側に位置します。
オート=ヴィエンヌ県、コレーズ県とクルーズ県のあたりは、リモージュ(Limoges)を歴史的な中心地とし、リムーザン(Limousin)地方と呼ばれます。
ユゼルシュ(Uzerche)は、リモージュ(Limoges)の約52km南東、蛇行するヴェゼル(Vézère)川の左岸にあります。
私は車をヴェゼル(Vézère)川岸の通り(Av. du Gén de Gaulle)に停めました。
教会は丘の上。
450メートルほどの道のりで、徒歩約8分です。
城門(La porte Bécharie)をくぐります。かつて町を囲んでいた城壁の九つの門のうち、唯一現存するものだそう。
息をはずませながら坂道を登ると、教会が見えてきました。堅固な佇まいです。
この写真を撮る私の背後にはカフェがあり、青空の下でくつろぐ人たちがたくさんいました。
2. 概要
教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
歴史
あなたは、1097年に献堂され、使徒の長である聖ペトロと彼の兄弟である聖アンデレの名を与えられたロマネスク様式の修道院教会を訪れている。
クワイヤ、交差部とそれに隣接する身廊のひとつの柱間は、11世紀に建てられた。
12世紀には身廊に二つの柱間が追加され、そのひとつに鐘楼が建てられた。また、南翼廊が追加された。13世紀末には身廊が手狭になったため、西にひとつの柱間と扉口が増築された。
なるほど、それで不思議な位置に鐘楼があるんですねえ。12世紀には、鐘楼の下に西扉口があったのだと思います。
防衛上の理由から、14世紀には西ファサードの隅にひとつの塔が、北翼廊に二つの塔が建てられた。
16世紀の宗教戦争では、クワイヤの一部が損傷した上、中央の祭室が崩壊して広い半円形の柱間に置き換えられたようである。クワイヤの南の円柱に刻まれた1622年の碑文は、修復状態の悪さを伝えている。また、同世紀に落雷によって破壊された古い鐘楼は、より低い尖塔として再建された。
この「古い鐘楼」というのは、11世紀に建てられた交差部の上の鐘楼のことだと思います。
この後も、案内掲示を引用する時に太字で書きます。
3. 航空写真
Googleマップによる航空写真です。
ラテン十字型の三身廊。交差部の東には、クワイヤ、周歩廊と四つの放射状祭室があります。
当初、放射状祭室はバランスよく五つあったと思います。中央の祭室が16世紀の宗教戦争で崩壊しました。
4. 外観
南側をみます。
切妻の鐘楼は、その柱頭彫刻だけでなく四角形が八角形へと置き換えられるプランも、リムーザン様式の典型である。
窓や扉口に円筒状の装飾があります。
この円筒状の装飾もリムーザン様式です。私はオーヴェルニュを巡ったときにユリエル(Huriel)などで知りました。
5. 内観(上部教会)
教会の中に入ります。
鐘楼の下(身廊の第2柱間)で上を見上げると、ドームがあります。
四角形と八角形が組み合わされています。
周歩廊に行きます。
周歩廊には四つの放射状祭室があります。中央の祭室は16世紀の宗教戦争で崩壊しました。
南翼廊に行きます。
五角形の小後陣があります。
入口のアーチはリムーザン様式で、2本の円柱が支えている。小後陣の奥にはリムーザン窓が開けられている。
6. 内観(地下聖堂)
地下聖堂に行くには、いったん外に出て、放射状祭室のひとつに設けられた入口に行きます。
入口を赤い矢印で示します。
地下聖堂に入ります。
11世紀に造られた地下聖堂は、半地下にあり、上部教会の周歩廊と放射状祭室を反映している。
中央に大きな支柱があります。
神秘的です。
Abbatiale Saint-Pierre。丘の上に堅固な佇まいです。リムーザン様式の鐘楼があり、周歩廊をもつ地下聖堂があります。
・
・
・