2024年5月5日(日)、二番目に訪れたのはLe Dorat、Collégiale de St-Pierre-du-Doratです。
ここは、西扉口は切石が美しく整っていて、うっとりします。カロリング朝時代の洗礼盤が置かれた教会に入ると、荘厳さにため息が出ます。柱頭彫刻も良いです。私は行っていませんが、地下聖堂も良さそうです。
2024年、教会は毎日9:00〜18:30に開いていました。ただし、地下聖堂は有料(€3)で、14:30〜18:00に La maison du patrimoine(21 place de la Collégiale)にリクエストすることで訪問可能との掲示がありました。私は地下聖堂に行きませんでした。
目次
1. Le Dorat へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(西扉口) .
5. 内観(洗礼盤) .
6. 内観(地下聖堂) .
7. 内観(柱頭彫刻) .
1. Le Dorat へ
ル・ドラ(Le Dorat)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏オート=ヴィエンヌ県の町です。同県は中央高地の北西端に位置し、かつてのリムーザン州西部にあたります。
ル・ドラ(Le Dorat)は、リモージュ(Limoges)の約45km北西にあります。
教会の北側は広場になっていて、駐車場として利用されています。
2. 概要
教会の中に案内掲示がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
リムーザン・ロマネスク建築の完成形を最もよく表している建物である。
この場所には940年頃に修道院(monastère)があり、まもなく聖堂参事会(collège de chanoines)に転換された。1080年頃には参事会教会として使われていた建物が焼失したが、礼拝は中断されることはなかった。幸いにも、この地は鉄と塩の交易の要所であったため、資金は豊富にあった。
1110年から1120年頃にまず、聖アンナに捧げられた大きな地下聖堂の建設が始まった。「地下聖堂、後陣、交差部、身廊の柱間ひとつ」が建設され、このブロックには、律修司祭たち(chanoines)のための聖域が含まれ、衝立で閉ざされていた(1545年から1563年のトレント公会議により、クワイヤは信者から見えるようにしなければならなくなり、衝立は説教壇に取って代わられた)。その後、何度かの建築段階を経て、12世紀の最後の数十年間に完成した。
15世紀、城壁を高くし、建物を要塞化した。
1567年、ユグノー教徒がこの建物を占領し、調度品を略奪した。
19世紀、防御システムのほとんどが撤去された。
現在私たちが目にする参事会教会は、ほぼ12世紀に作られた建物のイメージである。
この建物の均整のとれたプロポーションは重要である。内部では、全長は77.60m、身廊の高さは18m、交差部の塔は26.60mの高さがある。
この後も、案内掲示を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内掲示による平面図です。東が上です。
第5柱間に「律修司祭のクワイヤ(Chœur des chanoines)」があります。かつては衝立へ隔てられ、信徒たちは立ち入ることのできない場所でした。
4. 外観(西扉口)
西に行きます。
西扉口、美しい。
大理石のような白さや繊細さを持たない花崗岩。その花崗岩を使ってこんな扉口ができるんですねえ。
うっとりします。
5. 内観(洗礼盤)
教会の中に入ります。
わお。
東に向かって低くなる傾斜地にあるため、西扉口から身廊にかけて、大きな下り階段があります。
全体としてはかなり質素で、素材である地元産の花崗岩には繊細な部分は一切ないが、すべてに力強さ、威厳、質素さ、壮大さが感じられる。記念碑的な階段の下には、以前の教会から移された9世紀のカロリング朝時代の洗礼盤がある。
浸水式の大きな洗礼盤です。パルメットのような尾を持つライオンたちが描かれています。
6. 内観(地下聖堂)
内陣の下に地下聖堂があります。私は下調べが甘くて、12時過ぎに教会を訪れてしまったため、閉まっていました。
地下聖堂を見学するには、14:30〜18:00に La maison du patrimoine(21 place de la Collégiale)にリクエストすることで訪問可能との掲示がありました。有料(€3)です。
スケジュールを調整して再訪することも考えたのですが、結局、訪問しませんでした。
ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps 『Limousin roman』による地下聖堂の写真です。
傾斜地のため、地下聖堂は地上の光が届く位置にあり、ロマネスク様式の小さな窓が光を提供している。その目的は、聖人の遺物を納め、巡礼を受け入れることであった。
現存する建物の中で最も古い場所です。数多くの巡礼者がここを歩いたことでしょう。
7. 内観(柱頭彫刻)
地上に戻って、柱頭彫刻をみます。
主な建築的特徴は、地元産の花崗岩でできた多数の柱頭である。
素材の特徴で、ごつごつとした粗野な印象になりがちな花崗岩。
柱頭彫刻は、それを生み出した石工の腕が確かなことはもちろん、同じ花崗岩の美しい切石が整然と並ぶ中にあるので、完全に調和しています。
この教会には、美意識の高さを強く感じます。
Collégiale de St-Pierre-du-Dorat。西扉口は切石が美しく整っていて、うっとりします。カロリング朝時代の洗礼盤が置かれた教会に入ると、荘厳さにため息が出ます。柱頭彫刻も良いです。私は行っていませんが、地下聖堂も良さそうです。
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