アングレーム(Angoulême)

2024年5月4日(土)の最後、四番目に訪れたのはAngoulême、Cathédrale Saint-Pierre d’Angoulêmeです。

ここは、ロマネスクの傑作と呼ばれるファサードがあります。

2024年、大聖堂は毎日9:30〜18:00に開いていました。

目次

1. Angoulême へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(西側) .
5. 内観 .
6. 外観(東側) .

1. Angoulême へ

アングレーム(Angoulême)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏シャラント県の県庁所在地です。同県のあたりはここアングレーム(Angoulême)を歴史的な中心地とし、アングモワ(Angoumois)地方と呼ばれます。

アングレーム(Angoulême)は、サント(Saintes)の約62km東、ポワティエ(Poitiers)の約103km南にあります。

南西側外観

私は、宿泊先のAirbnbに車を置き、歩いて大聖堂に来ました。

2. 概要

教会の中に案内パネルがありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

<失われた第一、第二、第三の建物>
最初の大聖堂は、4世紀あるいは5世紀に、イクリスマ(Iculisma)すなわち古代のアングレーム(Angoulême)に建てられた。しかし、508年にフランク王クロヴィスによって破壊された。
第二の大聖堂は、566年に奉献されたが、981年の火災で焼失した。大理石の柱頭が二つだけ残り、現在のクワイヤに再利用されている。
第三の大聖堂は、単身廊、交差部と翼廊があるもので、1015年に奉献された。

<ジラール2世(Girard Il)司教によるロマネスク大聖堂>
1110年頃、古いファサードの前の土地に身廊の建設が始まった。その後、後陣が建設され、1118年までにファサードが完成した。1130年以降、工事は減速したが、1136年にジラール2世(Girard Il)司教が亡くなるまで続けられた。

この大聖堂は、アングモワ(Angoumois)、サントンジュ(Saintonge)、ポワトゥー(Poitou)といった地方の多くのロマネスク様式の教会に影響を与えた。

この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Angoumois roman』による平面図です。東が上です。

ゾディアック(Zodiaque)より

黒色:12世紀
幅の狭い斜線:18世紀
幅の広い斜線:19世紀

4. 外観(西側)

この大聖堂の一番の見どころは、ファサードです。

アデス考古学調査事務所(bureau d’investigations archéologiques Hadès)が作成したファサードの図には、ロマネスク様式で手が加えられていない部分(白)と、ロマネスク時代以降に手が加えられた部分(色)が示されている。

案内パネルより

白色で示された部分にロマネスク期の建築が残っています。

西側外観

図像プログラムは、使徒の説教というテーマを発展させ、それをキリストの昇天と終末に帰還する勝利のキリストに関連付けている。四つの盲アーケードのティンパヌムに、世界に福音を広めるために旅立つ十二使徒が描かれている。彼らは手に書物を持っている。

ファサード

栄光に包まれたキリストは両手を広げて人々を迎え入れ、その視線は信者たちに向けられている。キリストの周りには、四福音書記者の象徴である、有翼の獅子(聖マルコ)、有翼の雄牛(聖ルカ)、有翼の人(聖マタイ)、鷲(聖ヨハネ)が描かれている。両端では、悪魔たちが地獄に落ちる運命にある罪人を拷問している

キリストと使徒たちは古代風の衣装を身にまとっているが、窓の左側に描かれた聖母マリアは、12世紀初頭の女性用衣装を身にまとっている。

ファサード、聖母マリアと使徒たち

「聖母マリアと使徒たちは、まるでまだ昇天の出来事の最中であるかのように静止しており、見る者の視線を、時の終わりにキリストが現れる瞬間へと導く。キリストは天使と選ばれし者たちを引き連れて、すでに楽園にいる。」(Marie-Thérèse Camus)

5. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

それぞれの柱間の上にドームがあります。

6. 外観(東側)

外に出て、東に行きます。

東側外観

案内パネルによると、ロマネスク期の建築が残るのは北小後陣と鐘楼の下部だけです。19世紀の修復で再建されました。

Cathédrale Saint-Pierre d’Angoulême。ロマネスクの傑作と呼ばれるファサードがあります。

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