2024年5月3日(金)、最初に訪れたのはMatha、Église Saint-Pierre de Marestayです。
ここは、後陣の外観が素晴らしいです。交差部にも柱頭彫刻が残っています。
Matha では、2か所に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
<1> Église Saint-Pierre de Marestay
<2> Église Saint-Hérie
目次
1. Matha へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(西側) .
5. 内観 .
6. 内観(東側) .
1. Matha へ
マタ(Matha)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏シャラント=マリティーム県の村です。同県のあたりはサントンジュ(Saintonge)地方と呼ばれます。この村は、同地方の最大都市サント(Saintes)の約29km北東にあります。
教会へと続く並木道には、かつて、身廊がありました。
2. 概要
教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
11世紀末、マレステ修道院(abbaye de Marestay)はサン=ジャン=ダンジェリ修道院(Saint-Jean-d’Angély)の手に渡った。12世紀にはベネディクト会修道士らが移り住んだ。
当初のプランが残っているのは、クワイヤ、交差部と翼廊だけである。身廊は宗教戦争で破壊された。
この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。
3. 平面図
案内板による平面図です。東が上です。
身廊が宗教戦争で失われました。残っているのは交差部、翼廊、クワイヤと後陣です。
4. 外観(西側)
旧身廊と交差部の間に、壁と主扉口がつくられました。
当初は屋内にあった柱頭の一部が現在は、のざらしです。
交差部北西側の柱頭には、悪魔に槍をつきたてる天使が描かれています。大天使聖ミカエルだと思います。
大天使聖ミカエルが持つ本は、閉じられています。
5. 内観
建物の中に入ります。
聖域に行って西を振り返ります。
交差部北西側の柱頭には、「獅子の穴の中のダニエル」(旧約聖書『ダニエル書』6章)が描かれています。
同じ柱の身廊側で聖ミカエルが持っていた本は閉じられていました。でも、クワイヤ側でダニエルが持っている本は開かれています。何か意味があるのかもしれません。
交差部南東側の柱頭には、「獅子を裂くサムソン」(旧約聖書の『士師記』14章)が描かれています。
その他の柱頭では、植物、獣や人物たちが複雑に組み合わさっています。
6. 外観(東側)
外に出て、東に行きます。
鐘楼に残っているのは、その四角い土台だけである。
窓の装飾が傑作です。
また、持ち送りも秀逸。
音楽家、子を抱く女性、獣たちなど、生き生きと描かれています。
サントンジュで最も素晴らしいもののひとつである、クワイヤと後陣の豊かな彫刻装飾は、1150年頃に完成したものと思われる。
二重アーチに施された濃密な装飾は、約17km北にあるオルネー(Aulnay)の扉口のアーチに似ています。
Église Saint-Pierre de Marestay。後陣の外観が素晴らしいです。交差部にも柱頭彫刻が残っています。
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