2024年4月30日(火)、三番目に訪れたのはCorme-Écluse、Église Notre-Dameです。
ここは、クワイヤの柱頭にため息が出ます。ファサードと後陣も素晴らしいです。
目次
1. Corme-Écluse へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(後陣) .
5. 外観(ファサード) .
6. 内観 .
1. Corme-Écluse へ
コルム=エクリューズ(Corme-Écluse)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏シャラント=マリティーム県の村です。同県のあたりはサントンジュ(Saintonge)地方と呼ばれます。この村は、同地方の最大都市サント(Saintes)の約21km南西にあります。
半円形の後陣が二つあります。
2. 概要
教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。
教会は、サントンジュ地方に共通するロマネスク様式のプランをほぼ完璧な芸術性で採用している。身廊は二つの柱間からなり、その後に翼廊が続き、交差部は丸天井で覆われている。
唯一の変化は、南翼廊だけが小後陣に面していることである。
ちなみに、ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Saintonge romane』に「Notre-Dame de Corme-Écluse, prieuré de l’Abbaye aux Dames」と書いてありました。かつてはサントにある Abbaye aux Dames の小修道院(prieuré)だったのかなと思います。この教会の装飾が想像力と技巧に豊んでいるのは、その影響でしょうか。
3. 平面図
案内板による平面図です。東が右です。
南北に翼廊があり、南翼廊にだけ小後陣があります。
4. 外観(後陣)
主後陣の持ち送りに彫刻があります。
持ち送り彫刻を三つご紹介します。
持ち送り1:女性と男性、持ち送り2:長いものを口にする鳥、持ち送り3:長い袖の衣服を着た女性、だと思います。
長い袖の衣服を着た女性は、サン=ヴィヴィアン=ド=メドック(Saint-Vivien-de-Médoc)のティンパヌムにも描かれていました。ロマネスク期の衣服のように思います。
5. 外観(ファサード)
西に行きます。
ファサードをみます。
上段では、持ち送り、アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)、柱頭やフリーズなどが幻想的な生き物や人物などで装飾されています。
持ち送りを二つご紹介します。
持ち送り1:子を膝に抱く女性、持ち送り2:聖杯から飲む鳥、だと思います。
アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)、柱頭とフリーズからひとつずつご紹介します。
こちらのアバクスには植物と一体化した幻想的な生き物、柱頭には腕を怪物に食われる男性が描かれているようです。
こちらのフリーズには、植物にからまる男性が描かれているようです。
臀部がかゆいのでしょうか。
下段の扉口、両側の盲アーチと柱頭も、植物、幻想的な生き物や人物などで装飾されています。
実に細部まで描きこんでありますから、目を凝らして楽しめます。
6. 内観
教会の中に入ります。
中は、外よりも装飾が少ないです。
唯一の例外はクワイヤの柱頭彫刻。
わお。
職人技。
外の彫刻も、完成当時は、さらに美しかったことでしょう。
Église Notre-Dame。クワイヤの柱頭にため息が出ます。ファサードと後陣も素晴らしいです。
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