フェニウー(Fenioux)

2024年4月28日(日)の最後、四番目に訪れたのはFenioux、被昇天の聖母教会と死者のランタン(Église Notre-Dame de l’Assomption et Lanterne des morts)です。

ここは、教会はファサードの美しさに息をのみます。北扉口もいいです。死者のランタンはかわいくて美しいです。

2024年、教会は毎日(昼休みなく)開いていました。

目次

1. Fenioux へ .
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 外観(北扉口) .
5. 外観(ファサード) .
6. 外観(南窓) .
7. 内観 .
8. 死者のランタン(Lanterne des morts) .

1. Fenioux へ

フェニウー(Fenioux)は、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏シャラント=マリティーム県の村です。同県のあたりはサントンジュ(Saintonge)地方と呼ばれます。この村は、同地方の最大都市サント(Saintes)の約16km北にあります。

ブドウ畑に囲まれた緑豊かな丘の中腹にある小さな村で、家屋は広範囲に点在しています。

夫と私は駐車場に車を停め、緩やかな下り坂を南へと歩きました。

北側遠景

左に被昇天の聖母教会(Église Notre-Dame de l’Assomption)、右に死者のランタン(Lanterne des morts)が見えてきました。

2. 概要

教会の外に案内板がありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

教会(9~12世紀)
11世紀末あるいは12世紀初頭に部分的に改築された。カロリング朝時代の最初の建物は、身廊の壁と非常に狭い開口部が残っている。ファサードは12世紀に遡り、サントンジュにおけるロマネスク芸術の最も素晴らしい例のひとつである。主扉口は半円アーチで覆われ、豊かな彫刻が施されている。北扉口の上部には、正門の装飾を彷彿とさせる植物の装飾が施された三つのアーチの彫刻がある。19世紀末に修復された鐘楼は、優美かつ大胆なシルエットを持つ。

死者のランタン(Lanterne des morts)
このモニュメントは、かつて墓地だった場所に建っている。「死者を称え、安息の地を示す」ために12世紀に建てられた。小教区で死者が出たときだけでなく、典礼の祝祭のときにも灯をともすのが伝統であった。建物は、11本の柱からなる第一層と、ランタンの光を透過させる13本の柱からなる第二層からなる。高さ38段、幅2メートルの螺旋階段があり、ランタンを操作するために使われた。

この後も、案内板を引用する時に太字で書きます。

3. 平面図

ゾディアック(Zodiaque)la nuit des temps『Saintonge romane』による平面図です。東が上です。

ゾディアック(Zodiaque)より

黒色:プレロマネスク
格子:ロマネスク
斜線:ゴシック後期

4. 外観(北扉口)

村いちばんの大通りを、さらに進みます。

教会に到着です。

北西側外観

北扉口をみます。

三つのアーチを持つ小さな扉口です。

北扉口

小さいながらも、その装飾はたいへん凝っています。

5. 外観(ファサード)

ファサードをみます。

わお。

西側外観

この建物は、特に西扉口に非常に多彩な彫刻装飾が施されている。一年を星座で表しており、この地方で最も美しいもののひとつであることは間違いない。その下では、悪徳と美徳、賢いおとめと愚かなおとめが衝突している。

アーチをみます。一番内側のアーチには悪徳に対する美徳の勝利、二番目のアーチには神の子羊と天使たち、三番目のアーチには「賢いおとめと愚かなおとめ」(『マタイによる福音書』25章)、四番目(一番外側)のアーチには12ヶ月と黄道十二宮、が描かれていると思います。

オルネー(Aulnay)の扉口に似ています。

ファサード、主扉口のアーチ

賢いおとめの立ち姿、まるでファッションモデル。

ファサード、主扉口のアーチ

盾を持ち、槍をつきたてている美徳の勇ましい姿も、とても美しいです。

6. 外観(南窓)

南に行きます。

南西側外観

おそらくカロリング朝時代にさかのぼる繊細な透かし細工が残っている。

南窓にある、これのことだと思います。

南窓

繊細です。

7. 内観

教会の中に入ります。

身廊にて東を向く

第1柱間と第2柱間には、かつて、ロフトがあったようです。

西側には巨大な樽型アーチのトリビューンが造られ、その端は今でも西側の二つの柱間にはめ込まれているのが見える。フランス西部では非常に珍しいこの建築的ディテールは、鐘楼のポーチが上階のギャラリーとしても使用されていたカロリング朝時代の建物を思い起こさせる。これは、かつてカテキューメンのエリアを定義していた。アカンサスの葉をあしらった簡素な柱頭と、壁に沿って続く支柱が残っており、ヴォールトの始まりを示している。

カテキューメンは、洗礼を受けることを望んでいる人です。

8. 死者のランタン(Lanterne des morts)

最後に、死者のランタン(Lanterne des morts)をみます。

ゾディアック(Zodiaque)による断面図と平面図です。

ゾディアック(Zodiaque)より

西に行くと、牛たちが草を食べていました。

死者のランタン(Lanterne des morts)

ランタンは、想像していたよりも小さく感じました。かわいい。

死者のランタン(Lanterne des morts)

柱頭に簡素な彫刻があります。全体のバランスが良くて、美しいです。

被昇天の聖母教会と死者のランタン(Église Notre-Dame de l’Assomption et Lanterne des morts)。教会はファサードの美しさに息をのみます。北扉口もいいです。死者のランタンはかわいくて美しいです。

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