2023年9月3日(日)、五番目に訪れたのは Pieve Trebbio。Pieve di Trebbio です。
ここは、ロマネスク様式の要素が残る教会です。
2023年、教会は、4月初めから11月初めまでの日曜のうちひと月あたり2日くらい、15:30と17:00にガイドツアーがありました。ガイドツアーは無料で、前日までの予約が推奨されています。
目次
1. Pieve Trebbio へ .
2. 概要 .
3. 外観 .
4. 内観 .
1. Pieve Trebbio へ
ピエヴェ・トレッビオ(Pieve Trebbio)は、モデナ・アペニン山脈にあります。パナロ(Panaro)川の右岸に向かって傾斜する緑豊かな丘陵の中腹で、少し先には浸食の結果生まれた巨大な砂岩の塔であるサッシ・ディ・ロッカマラティーナ(Sassi di Roccamalatina)の壮大な姿がそびえる自然公園の中です。
私は15:30のガイドツアーを予約していました。また、教会の中に小冊子が売られていましたので、購入しました。
2. 概要
ガイドから聞いた話と、教会の中で購入した小冊子による概要です。私が和訳して太字で要約します。
文書記録は996年に遡り、さらに、1163年の文書には、ピエヴェであることや洗礼者聖ヨハネに捧げられていることが記されています。
建物は11~12世紀に遡る可能性が高く、その後の改築工事にもかかわらず、三廊式プランと地下聖堂を持つ典型的なロマネスク様式になっています。鐘楼は、既存の要塞塔の上に建てられました。
18世紀にバロック様式に改築。地下聖堂が閉鎖され、煉瓦の樽型ヴォールトによって身廊が低くなり、身廊やファサードの窓が塞がれました。
1893年、大司祭による急進的な「様式の修復」が行われました。「様式の修復」では、全体が失われていたり、断片的にしか残っていなかったりするとき、考古学的な証拠に基づいて、あるいは、他の教会との比較に基づいて、修復します。つまり、大司祭は、残っているものを復元するだけではなく、「欠けている」と判断されたものや「そこにあったはずだ」と判断されたものを、新しい材料を使って組み立てたのです。
オリジナルも断片的に残っていますが、かなり、新しく作られています。
この後も、小冊子を要約するときは太字で書きます。
3. 外観
例えば、ファサードの扉口の上には、1912年の日付が入った石棺があります。二つの受け材が確認されたため、この装飾が作られました。
南扉口のアーチは、近隣の農家で窯の口として使われていたオリジナルの断片を転用したものです。
教会の西には洗礼堂がありますが、これも大司祭の「様式の修復」による作品です。
大司祭は、ファサードから回収された石を使って、何もないところから洗礼堂を作り上げました。その中には、作り直された洗礼盤が収められています。
4. 内観
教会の中に入ります。
説教壇と内陣障壁も「様式の修復」による作品です。発掘・解体作業を通して得られた断片をもとに、コンクリートで作られました。祭壇の上のチボリウムも偽物で、1913年の銘が刻まれています。
オリジナルかな?と思える柱頭がいくつかあります。
損傷が激しいですが、2人の騎士が翼のあるドラゴンと戦っている場面だと思います。
こちらも、オリジナルかな?と思います。
2枚の葉から、一つの手に支えられた小さな木が生えています。3本の枝に分かれていて、最後の7枚の葉のうち頂点の葉には十字架が彫られています。
この彫刻には、ロマネスク芸術の象徴的な数秘術が表れています(1=神、2=神性と人間性、3=三位一体、4=自然要素、7=秘跡)。
興味深いなと思いました。
地下聖堂に行きます。
地下聖堂は、18世紀に塞がれたものが、大司祭によって再開されました。再利用された要素もあります。
Pieve di Trebbio。ロマネスク様式の要素が残る教会です。
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