バッツアーノ(Bazzano)

2023年9月3日(日)、最初に訪れたのは Bazzano。Pieve di Sant’Ambrogio です。

ここは、洗礼盤が素晴らしいです。

2023年は、教会は日曜祝日の9:30〜11:00に開きました。

1. Bazzano へ

バッツアーノ(Bazzano)は、パルマ(エミリア・ロマーニャ州)から南東に約25km、アペニン山脈の斜面にある標高476メートルの小さな村です。

北東側外観

教会は、村の北西の端、墓地の隣にあります。

教会は、通常の教会とは逆(西)向き。祭壇が西側にあって、西を向いて祈りを捧げる格好です。

教会の東側にある三つの扉口のうちの一つが開いていたので、私は中に入りました。9:30頃のことです。中には、聖ミサの準備をしている人たちがいました。

私は一人のシニョーレに挨拶し、洗礼盤の写真を撮影する許可をもらいました。

ありがたいことに、私の見学が終わる頃、シニョーレは私に二種類の小冊子をくれました。

2. 概要

二種類の小冊子による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

カノッサ城のすぐ向かいにあるバッツアーノ(Bazzano)村は、エンツァ(Enza)渓谷とテルミナ(Termina)渓谷に挟まれた美しい丘の上にある。この景観を支配する教会は、921年のパルマ大聖堂の文書に記載されているように、古い歴史を持つ。

この教会に残されている最も重要な歴史的証言は、壮麗な洗礼盤である。

1901年、教会の修復工事の資金を調達するために、洗礼盤は売却される恐れがあった。しかし幸運なことに、古い教会の唯一の名残である洗礼盤は残され、現在でもその姿を見ることができる。そして2006年、洗礼を受ける準備をしているカテキューメンの男性の姿は、パルマ地域のすべての教区教会のシンボルとなり、パルマ大聖堂の900周年記念の一環として行われたイベント「Pievi in scena」のロゴとなった。

この後も、二種類の小冊子を引用するときは太字で書きます。

3. 洗礼盤

洗礼盤は、現在、左の側廊に置かれています。

左の側廊にて

洗礼盤の本来の位置はわかっていない。1903年以前は、教会の入り口に置かれ、聖水盤として使用されていた。

畑で発見されたという言い伝えがあるようです。

2001年に修復された。石灰岩の一枚岩から彫られている。化学分析の結果、表面にはシュウ酸塩と硫酸塩があり、粘土の痕跡もあったことから、地元の言い伝え通り、未特定の時期に村の畑で発見されたという仮説が成り立つ。

洗礼盤は八角形です。

教父たちの教えによれば、キリストは安息日から8日目に復活した。8という数字は、洗礼堂や洗礼盤の形の場合、主イエスの過越を象徴的に数字で表すものとして想定された。そして、聖アンブロシウスによれば、八角形の洗礼盤は、新たに洗礼を受けた者が真の永遠の命、すなわちキリスト教の洗礼における聖霊の注ぎによって与えられる命に至る入口を示すようになった。この概念は、八角形が永遠のイメージであるとするピタゴラス哲学のシンボリズム(帝国の霊廟は八角形のプランで建てられていた)と、より効果的に重なり合っていた。

八角形

八つの面に描かれているのは、

聖母マリア、洗礼者ヨハネ、イエス、

聖母マリア、洗礼者ヨハネ、イエス

2羽の鳩と小びんと生命の樹、

2羽の鳩と小びんと生命の樹

天使

天使

神の子羊、洗礼を待つ人(カテキューメン)、

神の子羊、洗礼を待つ人(カテキューメン)

ライオン。

ライオン

これはライオンではなくマンティコアではないか、という説があります。

細部を見ると、ライオンではなく、マンティコアではないかと思われる。よく観察してみると、動物の頭部、目、頭頂部の房、そして特に歯は、古代の作者によって描かれたマンティコアの特徴を示唆している。マンティコアの顔は人間に似ている。この獣はライオンほど大きく、皮膚の色は赤色で、歯は三列に並びんでいる。尾はサソリのように針がある。マンティコアはこの針で近づく者を襲い、この針で傷つけられた者は確実に死ぬ。マンティコアとは「人食い」という意味だが、それはまさにこの獣が人間を主食としているからである。

彩色が残っているなど、もっとマンティコアの特徴があれば分かりやすいのですが、、、

洗礼盤には、鉛の塗布が見られる目の部分を除いて、多色化の痕跡は見られない。

ライオン?マンティコア?私にはよく分かりません。

制作年代は、8世紀から12世紀まで、諸説あります。小冊子には、11世紀末から12世紀中頃とする説が議論されていました。

パルマの大聖堂からカステル・ティロロの扉口まで数多くの事例から、11世紀末から12世紀中頃にかけてのものと考えられる。例えば、聖母の衣服は、当時の貴婦人の典型的なものであり、カテキューメンの衣服は、特にベルトの形において、同時代の他の多くの彫刻に一致を見出すことができる。

聖母マリア

描かれているテーマは、どうやら、人類の救済です。

キリストが受肉して人となり(受胎告知)、洗礼を受け(洗礼者ヨハネ)、人類を救済するために死んで復活して以来(犠牲の子羊とライオン)、今、信者は洗礼と神の教え(書物を持つキリストとカテキューメン)のおかげで、これらの段階を象徴的に辿り、罪から解放されて生まれ変わり、楽園を目指すことができる(鳩、小びんと生命の樹)。

壮大なテーマが、壮麗に表現されています。

Pieve di Sant’Ambrogio。洗礼盤が素晴らしいです。

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