モンティリオ(Montiglio)

2023年8月2日(水)、最初に訪れたのは Montiglio、Chiesa di San Lorenzo です。

ここは、外観では後陣、内観では身廊の柱が素晴らしいです。また、窓の装飾も美しいです。

Chiese a porte aperte のアプリをダウンロードすると、スマートフォンを使って訪問できます。また、3か所(Montiglio役場、ワインバー”Del Pozzo”、ピザ屋”L Munfra”)で教会の鍵を借りることもできます。(2023年8月現在の情報です。)

私は事前に予約してピザ屋”L Munfra”で鍵を借りました。うれしいことに、そのピザ屋で、この教会にまつわる興味深い話や、近隣のロマネスクの情報を得ることができました。私は得た情報をもとに翌日に三つの教会(BrusascoCavagnoloTonengo)を追加で訪れました。

目次

1. Montiglio へ 
2. 概要 .
3. 平面図 .
4. 南側外観:窓の柱頭
5. 東側外観:後陣
6. 内観:身廊の柱
7. 内観:柱の浮き彫り
8. 内観:窓の浮き彫り

1. Montiglio へ

私は Airbnb から北に約30km、32分ほど運転して、電話で予約しておいたピザ屋”L Munfra”に着きました。12:15頃のことです。

私が「先に教会を見学し、戻ってから昼食をとりたいです」と伝えると、ピザ屋の婦人が鍵を貸してくれました。

そして、ピザ屋の婦人は私に教会のリーフレットを示しながら「ひとつ、試してみていただきたいことがあるのですが、、、」と興味深い話をしてくれました。詳しくは平面図のところに書きます。

私は、ピザ屋”L Munfra”から南東に650メートル、2分ほど運転して、村はずれの墓地にある教会に着きました。

西側遠景

教会は小高い丘の上にあります。

2. 概要

リーフレットに加えて、教会の内外に案内掲示がたくさんありました。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

最初の文書記録は10世紀であり、ピエヴェ(pieve)として記載されている。

ピエヴェ(pieve)は洗礼を行うことができる教区教会です。

1577年、教会は墓地教会となり、新しく建てられた別の教会が教区教会となった。

1700年代の最後の数十年間の文書には、放置と再建が繰り返され、その間に元の建物の建築的特徴が顕著に変化したことが示されている。

1800年代末、教会には新古典主義様式のファサードがあったが、1952年から1959年にかけて行われた大規模な修復工事で取り壊され、現在のファサードに建て替えられた。

この後も、リーフレットと案内掲示を引用するときは太字で書きます。

3. 平面図

ピザ屋”L Munfra”でもらったリーフレットによる平面図です。東が右です。

リーフレットによる平面図

ポールペンで黒い丸印をしながら、ピザ屋の婦人が私に言いました。

「ひとつ、試してみていただきたいことがあるのですが、、、この柱を触ってみてください。何かを感じる人もいるし、何も感じない人もいます。」

私はピザ屋に戻ると、昼食後に婦人と話しました。なぜかわかりませんが、この柱を温かく感じる人がいるのだそうです。神秘的です。

4. 南側外観:窓の柱頭

南側には、モノフォラ(開口部が一つの窓)が三つあります。

南側外観

窓の柱頭に、不思議な彫刻があります。

コブラの頭が様式化されているのが見える。

これ、コブラなの?びっくりです。

窓の柱頭

5. 東側外観:後陣

東側に行きます。

南東側外観

美しい後陣があります。

東側外観

赤い石と白い石が使われています。

テラコッタと共にこの教会に使われている石は”pietra da cantoni”と呼ばれる地元で採れる泥灰石灰質の砂岩で、採石したては柔らかく加工しやすいが、時間が経つにつれて空気に触れて硬くなる。

持ち送りの上には、赤い石の四角と白い石の四角が交互に並んでいて、美しいです。

後陣の装飾

6. 内観:身廊の柱

教会の中に入ります。

わお。

身廊にて東を向く

アーチの下に、複数の柱で構成される支柱が並んでいます。

身廊側の柱を見ると、不思議なことに、左右で違います。北側の柱は半円柱ですが、南側の柱は(半円柱の無い)角柱です。

身廊にて北東を向く

また、支柱の台座の形も左右で違います。北側の台座は柱の形に沿うように丸みを帯びていますが、南側の台座は角張っています。

身廊にて南東を向く

まったく関係ないかもしれませんが、こんなことが案内掲示に書いてありました。

数年前まで、教会では左側が女性、右側が男性というのがこの地方の典型的な習慣であった。

7. 内観:柱の浮き彫り

柱には、数多くの素晴らしい柱頭彫刻があります。

三つの柱頭が左右対称に装飾されています。

植物に人物がからまる図柄は、イタリアよりフランスの柱頭でよく見る気がします。

柱頭

こちらは、ロマネスク様式に定番の二股人魚です。

柱頭

こちらは、植物や向かい合う鳥たちが描かれています。

アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)からネッキングの下まで、見事に装飾が凝らされています。

柱頭

こちらは、ピザ屋の婦人が「この柱を触ってみてください」と言った柱です。

その柱頭には、主に植物が描かれています。

アバクス(柱頭の上に置かれてアーチを支える部分)からネッキングの下まで、見事に装飾が凝らされています。

柱頭

教会は、もともと三身廊だったのかもしれません。壁の一部が取り除かれて、壁に隠れていた位置にも柱頭があることがわかります。

8. 内観:窓の浮き彫り

独特な窓の装飾があります。

幻想的な生き物が彫られています。ヘビかバシリスクのように細長く、尻尾の先は三つに分かれていて、ブドウのような房がついています。

2匹は互いに首をからめています。

窓の装飾

こちらの窓は、植物を様式化したような装飾です。

かっこいいです。

窓の装飾

Chiesa di San Lorenzo。外観では後陣、内観では身廊の柱が素晴らしいです。また、窓の装飾も美しいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です