2023年7月28日（金）、七番目に訪れたのは Galliano。Battistero San Giovanni Battista です。

ここは、興味深いテトラコンク（tetraconch、四つの貝殻）のプランの洗礼堂です。曲線が美しいです。

金曜から日曜の15:00〜18:00に開きます。土曜は9:00〜12:00も開きます（2023年7月現在の情報です）。

Galliano では、二つの建物に行きました。以下のように2回に分けて書きます。
＜1＞ Battistero San Giovanni Battista
＜2＞ Basilica di San Vincenzo in Galliano

1. Galliano へ

私はグラヴェドーナ（Gravedona）から南に約63km、80分ほど運転して、大きな町 Cantù の郊外の丘の上に着きました。14:30頃のことです。

教会の近くに無料駐車場があります。

Cantù は、Como 湖の南湖畔から10kmくらい南にある、人口約4万人の町です。ミラノまで約30km。

右の建物が＜1＞ Battistero San Giovanni Battista（洗礼堂）、左の建物が＜2＞ Basilica di San Vincenzo in Galliano（教会）です。

教会に行くのも、いったん洗礼堂を通ります。

洗礼堂の形が印象的です。

2. 概要

現地には案内板は見当たりませんでした。ジャカ・ブック（Jaca Book）PATRIMONIO ARTISTICO ITALIANO『LOMBARDIA ROMANICA VOL II』による概要です。私が一部を抜粋して太字で和訳します。

Galliano の丘（現在は Cantù の郊外だが、かつてはその関係が逆であった）の高台にあるBasilica di San Vincenzo は、ロンバルディアにおける新しい「ロマネスク」表現法の始まりを物語る、現存する最も重要な証であるが、Ivrea の Warmondo、Cuxa の Oliba、Hildesheim の Bernward など、10世紀から12世紀にかけて活躍した他の重要な司教に匹敵する宗教的・政治的地位を持つ、類まれな後援者と切っても切れない関係にある。Ariberto da Intimiano は、この建物の「管理人（custode）」として再建を推進し（1004年頃～1007年）、ミラノ大司教（1018年～1045年）として、教区の長としての地位を強調するために、洗礼堂を隣に設置した。

洗礼堂の壮大な建設は、それ（教会再建）の数年後に帰せられるべきである。
というのも、洗礼堂は均質で統一された設計と建築であり、Ariberto がアンブロジアーナの司教座にいた時期（1018年～1045年）に建てられたと考えることができるからである。

この後も、ジャカ・ブック（Jaca Book）を引用するときは太字で書きます。

3. 平面図

現地にもジャカ・ブック（Jaca Book）にも平面図は見当たりませんでした。ゾディアック（Zodiaque） la nuit des temps の『Lombardie romane』による平面図です。東が上です。

東西南北の4方に後陣がある四葉のクローバーみたいなプランです。

Basilica di San Lorenzo di Milano（もちろん、1075年に再建される前の）に、テトラコンク（tetraconch、四つの貝殻）の配置の第一の源泉を見出すことは論理的であると思われ、この格調高く永続的なモデルは、チボリウムが置かれた水盤の正方形の外周になるように上層階が変化する形で、Gallianoでも採用されている。

Basilica di San Lorenzo は5世紀初めに献堂されました。11世紀前半に洗礼堂を建築するにあたって、5世紀の偉大な建築物を参考にしたようです。

Ariberto da Intimiano の5世紀に対するこだわりは、洗礼堂だけじゃなく、教会にも出てきます。でも、それは次回のお話。