テルナン(Ternand)

2022年9月17日(土)の最後、二番目に訪れたのは Ternand。Église Saint-Jean Baptiste です。

ここは、地下聖堂の壁画(制作年代不明)が素晴らしいです。また、クワイヤに古い柱頭彫刻、北翼廊に聖母子像(12世紀)があります。

教会そのものは、5月〜9月の毎週日曜の14時〜18時に開きます(2022年現在)。

教会の中にある地下聖堂は基本的に非公開です。でも、文化遺産の日(journées du patrimoine)に公開されます。2022年は9月17日と18日で、両日とも10時〜12時と14時〜18時に公開されました。

ただ、残念なことに、地下聖堂の中は撮影禁止

目次

Ternand へ
概要
内観:全体
内観:柱頭彫刻
内観:12世紀の聖母子像
内観:地下聖堂

Ternand へ

Ternand は、ローヌ(Rhône県)にあり、Lyonから約40km。ボジョレーの南にある中世の村です。

私はシャーヌ(Chânes)から南西に約67km、車を56分ほど運転して、岩山の上の村に着きました。14:45頃のことです。

360度のパノラマが広がる天然の要塞のような立地で、風が強いから旗がよくはためくこと。

実際、この岩山の上には城址があります。「1190年にはボージュ(Beaujeu)侯爵ギシャール4世の計画を阻止するため、リヨン大司教は、周囲に城壁を築かせた。リヨンの町にとって重要な谷へのアクセスを封鎖し、まさに要塞と化したのである。」と案内掲示がありました。

建物が密集する中に教会があります。

Église Saint-Jean Baptiste(西側外観)
特別公開の看板

ドキドキしながら教会の中に入ります。

概要

西扉口を入ると、Les Amis du Vieux Termand のマダムがいて、見学の要領を教えてくれました。身廊で教会や地下聖堂についての説明を聞いてから、地下聖堂に下りるんだそう。フランス語で詳細な説明を聞き取るなんて無理な私は、マダムが案内ファイルを持っていたので、お願いしてスマホで撮らせてもらいました。一部を抜粋して太字で和訳すると:

丘の中腹に建つ教会(10世紀に文書に記載)は、アゼルグ(Azergues)渓谷の中心にあるテルナンの村を見下ろすように建っている。この城はリヨン大司教の居城であったため、現在もリヨン大司教の所有地となっている。教会は15世紀に建てられたもので、要塞跡の一部である。教会は数段の階段で上がっている。

16世紀半ば、ユグノーが町を襲撃し、城は破壊されました。

教会の下には11世紀のものと思われる地下聖堂がある。元々はガロ・ローマ時代の埋葬地で、5世紀頃に告解室となった。1948年に壁画が発見された。1980年に発掘調査、1983年、1989年、1991年に修復作業が行われたが、修復は非常に困難であった。壁と丸天井が全体的に絵画で装飾されていたが、多くの要素がすでに失われており、現在も状態が安定していない。

Monuments Historiques の研究所の分析により、ロマネスク絵画の成分、すなわち砂と石灰モルタル、黄土色、赤色、黒色の顔料が存在することが確認された。最も古い絵画はフレスコ画で窓の壁や丸天井に描かれているほか、シノピアの上に乾式で描かれているところもある。

シノピア(sinopia)の名はシノペという赤土の産地に由来し、元々は赤褐色の顔料のことを意味していました。その後、シノピアで描かれた絵画やフレスコ画の下絵を幅広くさすようになりました。

制作年代については、修復家、美術史家、考古学者によって、いくつかの年代が示されている(L. Bégule:11世紀末、Mme Florenne:10世紀末から12世紀初頭、J. Hubert:12世紀、J. F. Reynaud:11世紀)。

制作年代は、「9世紀にさかのぼる」とするウェブサイトも見かけました。。。結論は出ていないようです。

内観:全体

教会は見た目には新しいです。

身廊にて東を向く

内観:クワイヤの柱頭彫刻

クワイヤには、古そうな柱頭彫刻があります。

身廊にて東を向く
クワイヤ

極めて簡素な装飾。

クワイヤ
クワイヤ
クワイヤ
クワイヤ

内観:12世紀の聖母子像

あらかわいい、

北翼廊

見ていたら、ガイドをしていた女性が「12世紀のものですよ」と教えてくれました。

北翼廊
北翼廊
北翼廊

オーヴェルニュで見かけそうな聖母子像です。

内観:地下聖堂

地下聖堂へは、北翼廊から下ります。

この小さな扉をくぐり、階段を下りると、、、わお!

地下聖堂への入り口

壁も天井も壁画だらけでした。

カメラを持っている私に、ガイドをしていた女性が「撮影禁止です」と予め厳重に注意。訪問客の1人が「フラッシュを使用しなければ、撮影させてあげていいのではありませんか?」と私にウィンクしながらガイドにきいてくれたのですが、ダメでした。

地下聖堂の壁画の構成が、身廊に展示されています。

地下聖堂の壁画の構成

そして、絵葉書が置いてありました。

地下聖堂、すっごいです。わお!ってなります。

見学の終わりに

Église Saint-Jean Baptiste。地下聖堂の壁画(制作年代不明)が素晴らしいです。また、クワイヤに古い柱頭彫刻、北翼廊に聖母子像(12世紀)があります。

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